ハイスクール・フリート マーメイドと海の男達 作:SNAKE金城
晴風では、ミーナの歓迎会が行われていた。歓迎会で出されたケーキにクラスの全員が絶賛しており、北条はクラスの数人から「どうしたら、このようなケーキが作れるのか?」と質問攻めにあっていた。
「ねぇ、ミーちゃんは何で自分の事を「わし」って言うの?」
和住がミーナに何故、一人称が「わし」なのかと質問する。確かにミーナは自分の事を今まで「わし」と広島弁の一人称を使っていた。
「おかしいか?日本の映画を見て覚えたんじゃが?」
「ああ、仁義がない感じの映画ですね~『あんたわぁ、わしらがぁ漕いでる船じゃないの。船が勝手に進めるんゆうならぁ、進んでみぃやー!!』」
「『ささらもさらにしちゃれー!』じゃな・・・」
ミーナは、日本の映画を見て覚えたと言う。
すると、幸子がサングラスを取り出し、かけると。お馴染みの一人芝居が始まる。何処かのヤクザのマネをしているようだ。その幸子の一人芝居にミーナも乗る。
「いつの、映画を見ているんだ?この子ら・・・しかも任侠映画・・・」
それを見ていた秋津が苦笑いしながら言う。
「しっかし、うまいなこのケーキ、こんな美味しいケーキ食べたことないぞ」
「これ、記念品」
「もらって」
杵崎姉妹が記念品で紅白の達磨をミーナにプレゼントした。その紅白達磨には、紅達磨に「大」白達磨には「漁」と書かれており合わせて「大漁」何故、大漁なのだろうか・・・?
「お、おお・・ダンケシェーン」
その「大」「漁」と書かれ紅白達磨を見てミーナは、少し引き気味であった。
「あの映画、シリーズ全部見たんですか?」
「見たぞ」
「私、四作目が好きで!」
幸子は、嬉しそうにミーナに話す。やっと話の合う人が見つかって嬉しいのだろう。
彼女らが話している映画は「仁義のない争い」と言う映画で1970年代に上映された映画で、この世界で実際に広島で起きた海上暴力団の大抗争を題材にした任侠映画で、シリーズは全5作。海外でも上映され、現在でも幅広い人気を集めている映画がらしい。
ミーナの日本語がお国言葉混じりなのは、この映画が影響しているのだろう。
「なぁ、君達は、「ゴジラ」と言う映画は知ってるか・・・?」
北条が幸子とミーナに映画「ゴジラ」を知っているかと聞く。
「なんですか、それ?」
「怪獣映画なのだが・・・(この世界には、無いのか・・・)」
「面白そうですね、その映画」
「DVD持ってるから、今度見せてあげようか・・・?」
「いいんですか、是非」
「わしも、見てみたいな」
幸子とミーナは、嬉しそうに言う。どうやら北条は、ゴジラのファンらしい。実際この世界に来てビデオが時代遅れでプレイヤーが殆ど無かった。そのため、DVDに焼く事ができると知り、DVDに焼いて。自分の部屋に大切に置いてある。
「艦長!岬さん!」
内田が駆け足で二人の名前を呼ぶ。
「どうした内田?」
「学校から緊急伝です!」
「何だと?」
すると、艦内放送でも八木が学校からの緊急伝があったと明乃に報告する。
「何事だ!」
「総員、直ちに配置について!」
明乃の命令でクラス全員が急ぎ自分達の配置場所に向かう。
「我々も播磨に戻る。内田、お前は晴風に残れ」
「はっ!」
「北条、行くぞ!」
「了解・・・」
秋津と北条は、内火艇に乗り急ぎ播磨に戻る。内田は、秋津の命令で引き続き晴風に残る事になった。
秋津は播磨に到着すると、急ぎ艦橋に向かう。既に総員の配置が完了していた。
「艦長、学校から緊急伝が来ております」
「読め」
「はっ、〈北緯19度41分。東経145度0分地点にて、武蔵を捜索していた、東舞校教員艦との連絡が途絶えた。周辺で最も近い位置にある。晴風、播磨が現地に向かい、状況を報告せよ。尚、戦闘は禁止自らの安全を最優先にすること、以上〉」
「こんなに近くにいたのか・・・」
「戦闘禁止か・・・もし、何かあったらどうすればいいと言うのだ・・・」
「その時はその時だ。今は指示の通り、現地に向かい、状況を報告する・・・出航用意!!」
播磨と晴風は、緊急伝の指示にある海域に向かう。
時刻は夕暮れになり、武蔵がいる海域には、東舞校の教員艦の増援が到着した。
「増援、八隻到着!陣形整いました!」
武蔵は、到着した東舞校の教員艦に向け主砲と副砲を旋回し、砲撃した。海域は、海戦でもしているかのような光景となっていた。
その海域に播磨と晴風も到着した。
「教員艦を攻撃しているのか・・・」
「恐らく、脅威だと誤解しているのだろう」
「夾叉なしにいきなり命中か・・・成績優秀な生徒を乗せてるだけあるな」
「あんな巨体で進路をあっという間に変えるとは、さすがだな」
播磨艦橋にいる砲雷長と航海長が武蔵の砲術と操艦能力の高さを評価する。
「東舞校の教員艦は、武蔵に攻撃をしたらしいな?」
「はい、演習用の噴進魚雷による攻撃をしたみたいですが、殆ど損害を与えられ無かったそうです」
秋津が東舞校の教員艦隊が武蔵に対し攻撃したのかと士官に聞く。士官は、攻撃したと答えると。砲雷長が
「当たり前だ、大和型戦艦は魚雷にも耐えられる構造で出来ている。たった数発の魚雷で攻撃したって、かすり傷程度だ、しかも演習用の噴進魚雷ならなおさらだ」
大和型戦艦は魚雷に最も耐える戦艦と言えるだろう。実際、武蔵は魚雷を約20発をくらってやっと沈んだ戦艦。それぐらい装甲の厚い構造になっているのだ。
「晴風からスキッパーが出ています!」
「何!?誰が乗っている?」
見張りが晴風からスキッパーが出ていると報告する。秋津は誰がスキッパーに乗っているのかと聞く。
「晴風艦長の岬さんです!」
「何だと!・・・(内田の奴、止めなかったなぁ~!)」
秋津は、心のなかで怒る。どうやら、明乃は武蔵の救出に一人で向かったようだ。
すると、士官の一人が艦橋に入ってきて報告する。どうやら、明乃は武蔵の救出に向かったようだ。
「艦長!通信が突如、途絶。また、データリンクが止まりました!」
「何!?」
「原因は?」
「原因は不明!」
播磨の通信とデータリンクが突然使えなくなる。東舞校の教員艦も同じことが起きていた。また、イルミネーターにも異常が発生し、誘導兵器が使えなくなった。
その影響であおつきが発射した噴進魚雷が散々になって飛んでいった。あおつきは、武蔵から放たれた砲弾が後部甲板に命中した。
「武蔵の主砲!晴風と本艦に向け旋回中!!」
「何!?」
「播磨は、何とか耐えられはするが。晴風があの46センチを食らったら、ひとたまりもないぞ!」
「感あり!主砲弾3、晴風に向かっています!10秒後に晴風に着弾します!」
武蔵は、まず晴風に向け砲撃した。播磨の電測員から報告が来る。
「主砲1番!三式弾装填!」
「えっ!?」
「このままでは、晴風に被弾する。三式弾で武蔵の砲弾に当て叩く!」
秋津は対空砲弾の三式弾で武蔵から放たれた砲弾を叩くと言う。
「主砲1番!三式弾装填!!」
「主砲1番!三式弾装填!!・・・・装填完了!」
「○○度、高角○○度を狙え!」
「○○度、高角○○度!発射準備よし!!」
「砲雷長、お前のタイミングで撃て」
「了解しました!」
秋津は砲雷長に主砲を撃つタイミングと合図を任せる。
「・・・撃ぇー!!」
ドゴオォォーン!!
播磨の主砲から三式弾が放たれた。しばらくして三式弾は、晴風の右舷手前で破裂し弾子が空中に飛び散る。そして、武蔵の砲弾に当たり、空中で爆発した。
それを見た晴風の艦橋に居た全員が唖然としていた。
「一体、何が起きたのでしょうか・・・?」
「何今の!?凄い!破裂した後、武蔵の砲弾が爆発したよ!!」
「あれは、三式弾・・・積んでいたのか?」
西崎は見たこともない光景に興奮していた。
その頃、明乃はスキッパーで武蔵の所に向かっていた。明乃が武蔵の第一艦橋の方を見ると、両手で大きく手をふる。もえかの姿があった。
「もかちゃーーん!!」
明乃がもえかの名前を叫ぶ。すると、そよ見をしていた為、スキッパーが岩礁にぶつかり、明乃は海に落ちた。そして武蔵は、海に落ちた明乃を置いて行くのであった。もえかの姿も同時に見えなくなる。
播磨は、晴風に攻撃が行かないよに武蔵を引き付けていた。その間に明乃は、スキッパーに乗り晴風に帰還する。そして、武蔵は海の向こうへと姿を消した。
「艦長!岬さん、無事晴風に帰還したそうです!」
「そうか、無事で何よりだ・・・全く無茶をする艦長だ」
士官が明乃の無事を伝える。秋津は明乃が無事なことに安心して、微笑みながら言う。
「艦長、内田から連絡です。晴風はしばらく武蔵から距離を取るそうです」
「つまり、追跡はしない訳だな、おやっさん?」
「そう言うことになります・・・」
晴風は、一旦武蔵から距離を取ると言う。
播磨も晴風を守る為。晴風同様、武蔵から距離を取り、行動を共にするのであった・・・
沖縄もやっと雨が降りました!
誤字、脱字や変なところがあると思いますが、ご容赦ください。
次回もお楽しみに!