ハイスクール・フリート マーメイドと海の男達   作:SNAKE金城

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第17話 嵐の中へ

機雷の掃海も終え、播磨と晴風は学校からの指示で武蔵の捜索を行う為、航行していた。

晴風の浴室では、砲雷科の生徒達が気持ち良さそうに入浴をしている。そんな中、楓が何かに気づき立ち上がる。小笠原は、どうしたのかと聞くと、

 

「おなくなりになります」

 

と呟くと、浴室のシャワーの水が全て止まる。まるで、予言してたかのように・・・

 

「まさか・・・」

 

小笠原が悟ったとうり、晴風は船上生活において死活問題である。水不足に陥ったのだ。

 

その頃、晴風艦橋では、艦橋組が海図を開いて何かを確認していた。海図の上には何かの目印が幾つか置かれていた。

 

「マークされてあるのが、武蔵が目撃された位置です」

 

どうやら武蔵が目撃された位置の目印らしい。武蔵は通信とビーコンを切っている為、今現在、どの海域に居て、どの位置にいるのか不明であった。

 

「どこへ向かうつもりなのかな・・・?」

「うーん・・・私の推測ですが本土に近づきたいのかも・・・」

「学校からは、武蔵を追いかけろって言われたんだよね」

「現在、確実に連絡が取れて。直ぐに動ける艦は、我々と教官艦の播磨しか居ないらしい・・・」

 

現在、大和以下の主力艦艇は、全てがドック入りしており、天照に関しては修復の目処が立っておらず。修復が完了するまでの期間がわからないままである。どちらにせよ最悪な状況である。

今現在、直ぐに動ける艦は、晴風と播磨のみで、大和型の武蔵に対抗できるのも、大和型を越え。51センチ主砲を持つ超大和型の播磨だけであった。

 

「あ~あ。美波さんが言ってたとうり、皆あのネズミっぽいのにどうにかされちゃったのかな」

「その可能性はあるな・・・」

「取り敢えず、この海域を捜索をしてみるしかないですね」

 

そんな中、艦橋にある報告が来た。それは、浴室のシャワーが止まったと言う報告だった。明乃とましろ、内田と幸子、応急委員の和住と青木は、貯水タンクがある場所に行った。タンクのメーターをみると、水量は残り僅かだった。

 

「以上見当たりません・・・タンクの修理はしたはずなんだけど・・・」

「何処からか漏れてたみたいっす」

 

タンクの修理はしたものの。何処かで水が漏れてたようだ。

 

「内田さん。播磨から水は貰えないんですか?」

「残念だけど、播磨も水を提供する程の量の余裕がなくてね」

 

播磨には、海水を真水に変える。蒸留装置が設備されているが、真水にできる量は限られている。その為、海洋実習が始まる前に、播磨は満タンにしてから航海に出ている。また、播磨の乗員は晴風の倍の100名。簡単には提供出来ない。

 

「補給を要請するしかないですね。かんちょ・・・」

「うん・・・そうだね・・・」

 

二人の関係はまだ悪化したままの様だ。それの様子を見た内田は、二人を見つめる。

 

「補給艦と合流できるのは5日後です」

「それまで節水だな・・・」

「ココちゃん、天気図見てくれる?」

「はい」

 

補給艦との合流は5日後。こうして、5日間の晴風の節水生活が始まった。

播磨でも、晴風が水不足に陥っていると言う事が伝えられた。

 

「トイレットペーパーの次は、水か・・・晴風も大変だなぁ」

「次から次へと問題が起こるなんて、ついてないですね晴風の生徒達も」

「ま、船乗りになる以上、こう言った問題にも直面するし、いい経験になるんじゃないか」

 

船乗りなれば水不足などの問題にも直面する。秋津は、ブルーマーメイドを目指している彼女達にとっていい経験になるのではと言う。

 

晴風が水不足に陥ってから3日がたった。晴風の医務室では・・・

 

「喉渇いた~」

 

勝田が医務室のベットで横になりながら愚痴る。

 

「ラムネを飲めばよかろう」

「もぉ~飽きたぞな~!」

「そうか」

「太るしね~」

 

美波はパソコンを打ちながら、勝田にラムネを飲めばいいだろうと返すが、勝田はラムネは飽きたと言い、宇田は太ると言う。年頃の女子は体重を気にするものだ。

 

「お水を使わないメニューって何かあったかな~?」

 

教室では、みかん、杵崎姉妹、和住、青木の五人が節水を呼び掛けるポスターなどを制作していた。

 

「トイレ、どうするっす~?」

「えぇ、嘘。トイレ禁止なの?」

「トイレ流すの海水を使うから」

「ああ、そっか~・・・」

 

杵崎姉妹は、トイレが禁止になるのかと心配するが、和住は、問題ないと言う。どうやらトイレは問題なく使えるようだ。

 

「あんなにトイレットペーパー買い込んだのに~・・・」

 

オーシャンモールで、あんなに苦労して買い込んだトイレットペーパーが無駄になった気分になる。

節水を呼び掛けるポスターや貼り紙が完成し、それを貼りに行った。一方トイレでは・・・

 

「ヒイィィィ!!誰だ!塩水使ったのは!出てこい!!」

 

まだ海水を使うと言う知らせがまだ行き届いておらず。知らないでトイレ入った黒木が、ウォシュレットを使った。ウォシュレットの水も海水になっており、黒木の肌に会わなかったのか、彼女は怒声をあげる。黒木が入った後に節水を呼び掛ける貼り紙を貼っていた和住は、しまったと言った表情をする。

海水使用の被害は浴室でも・・・

 

「クロちゃんの話、聞いた?」

「うぃ」

 

浴室では、風呂に入る為、立石と西崎が脱衣場で服を脱いでいた。二人は風呂に入る準備ができ、風呂場に向かうとその扉には「本日より浴槽とシャワー。海水を使用」と書かれた貼り紙が貼られていた。

 

「あっちゃ~」

「うぅぅ・・・」

「三日ぶりなのに・・・洗うべきか・・それとも洗わざるべきか!?」

 

三日ぶりに入る風呂。入るか、入らないか。二人は悩みに悩んだ末。海水風呂に入ることにした。

その結果・・・

 

「なんじゃその頭は?」

 

入浴を終えた二人は、食堂で幸子とミーナと一緒にラムネを飲んでいた。二人の頭は、爆発し髪の毛がボサボサの状態だった。ミーナは、二人の頭について尋ねる。

 

「見事に爆発しちゃったね」

「うん・・・」

(海水風呂か・・・思い出すな・・・)

 

その横の席でラムネを飲んでいた。内田は、まだ海軍に入隊したばかりの時の事を思い出す。彼がまだ入隊したばかりの時に配属された艦艇は旧世代の艦艇だった為、基本海水風呂であった。蒸留装置が設備されておらず。シャワーは真水を使うが浴槽の水は海水であった。

立石と西崎の髪には、海水が合わなかったみたいで髪の毛は爆発しボサボサになった。その横を楓が通る。

 

「髪は女の子命ですのに・・・」

 

楓も海水風呂に入っていたにも関わらず。彼女の髪は全く痛んでおらず。むしろサラサラしていた。

 

「キラキラ・・・」

「あれ・・・なんで?」

「知るか!」

 

同じ海水風呂に入ったのに髪が痛んでいない楓を見て、立石と西崎は信じられないと言った表情をする。

 

「鯖の水煮にトマトの水煮~」

「ミックスベジタブルに乾パン・・・」

「見事な缶詰料理だな~、おい」

「贅沢言わない」

「そうだぞ、飯を食いたくても食えない人は、世界中に沢山いるんだ、食える物があるだけ。ありがたいと思わないと、バチが当たるぞ」

「そうですよね・・・まっ、しょうがないよ食べよ」

「一雨降らねぇかな~」

「もう限界だよ~」

 

水不足は、食事にも影響しており、なるべく水を必要としない料理が出されていた。と言うより缶詰食品が出された。今の状況じゃ贅沢も言ってられない。機関科メンバー達は、仕方なく缶詰で出来た料理を口にする。

 

「どうしよう・・・」

「パンツが潮の香りって嫌だよね~・・・」

「なんかね・・・」

 

洗濯にも海水を使用する為、海水で衣類を洗うことに躊躇したり嫌がったりする生徒は少なくない。とくに下着を海水で洗う事に関しては、多くの生徒が嫌がっていた。

 

その頃、播磨艦橋では。

 

「晴風が水不足に陥ってから3日か・・・さすがに生徒達もまいってるかなぁ?」

「内田の連絡では、なんとか頑張っているようですし。大丈夫でしょう」

「後2日。頑張って乗り越えてくれ」

 

水不足に陥ってから3日がたち。晴風の生徒達は、もう限界だと思ったが、彼女達は、この困難を乗り越えるために頑張っている。補給艦との合流まで後2日。秋津は、それまで頑張ってこの困難を乗り越えてくれと願った。

 

「前方に濃霧!」

「航海長、針路そのまま。晴風と共に霧の中に突入する」

「了解しました」

 

播磨と晴風は濃霧へと入っていた。

 

「探照灯を点灯せよ」

 

秋津の指示で、乗員は探照灯を点灯させる。濃霧の中を播磨の探照灯が辺りを照す。同じく晴風も明乃の指示で勝田が探照灯で辺りを照す。

 

「霧笛を鳴らせ」

 

安全に航海するために注意を促す霧笛が濃霧の中で鳴り響く。すると、

 

「うん?・・・艦長、雨が降って来ました」

「ちょうどいい。晴風の生徒達にとっちゃあ恵の雨だな」

 

雨が降り始めた。晴風の生徒達にとっては、恵の雨であった為、生徒達は大喜びした。生徒達は水着に着替え甲板に出る。生徒達は、雨水をバケツなどを使い貯める。中には、身体を洗う人がいた。海水風呂から一時的の解放である。貴重な水をここで得ることができた。

 

「皆、大喜びしてますね」

「そりゃ、雨は真水を得ることができる唯一の手段だからな。喜ぶだろうさ」

 

晴風の生徒達が雨で大喜びしている様子を見て秋津と金城は微笑む。

だが、しばらくすると。海は荒れ始め、雷が鳴る。秋津は晴風の生徒達に急ぎ艦内に戻るよう連絡を入れる。晴風の船体は激しく揺れ、雷は晴風のアンテナに直撃する。生徒達は急ぎ艦内に退避する。

 

「荒天につき上甲板の通行を禁止します」

 

八木が艦内放送で荒天により、上甲板の通行が禁止になったことを伝える。

その頃、晴風の艦橋では・・・

 

「凄い・・・」

「だんだん激しさが増してるな・・・」

 

嵐は激しさを増していく。その様子を見た知床と内田は呟く。

 

「岬さんどうかしたの?」

「何処か具合でも悪いのか?」

 

双眼鏡を持つ手が震えており、明乃は何かに怯えている様子だった。その様子を見て心配になった知床と内田は声をかける。

 

「うん・・ちょっと・・・」

 

明乃が答えた瞬間。雷が鳴った。すると、明乃は悲鳴を上げしゃがみ込む。

 

「ごめん・・・私もう・・・当直変わってもらってくる!」

「岬さん、どこにいくんだ!?」

 

明乃は艦橋を飛び出していった。内田は何処に行くのかと叫ぶ

明乃は悲鳴を上げながら階段を下りていく。その先では、歯を磨いている野間と等松とみかんがいた。再び雷が鳴る。

 

「うわぁぁーあ!!」

「ああ!!私のマッチが!」

 

明乃は悲鳴を上げながら野間に抱きつく。それを見た等松は、やきもちをやく。

その頃、ましろの部屋では・・・

 

「まゆげ抜くんも」

「同じことなんでぇい!」

 

幸子とミーナがましろの部屋にあるテレビで任侠映画を見ていた。

 

「ここえぇよなぁ」

「激しく同意であります!」

「どうして私の部屋で見るんだ?」

「私の部屋にテレビないんで」

「見るか?」

「いい!」

 

どうやらテレビがある部屋は限られているようで。幸子の部屋にはテレビが無いため、テレビがあるましろの部屋で見るしかないようだ。

すると部屋の扉からノックする音が聞こえる。

 

「・・・なんです?」

「あ、悪いんだけど・・・当直変わってもらえる・・・?」

「どうしたんなら?」

「ゆうてみぃ」

 

二人は任侠映画を見ていたせいか、何処かの組のヤクザみたいな格好をしていた。

 

「・・・ちょっと凄くて・・・」

「なにがじゃ?」

「ゆうてみぃ!」

「・・・雷」

「ほうか・・わかった」

 

幸子は立ち上げると、

 

「ほいじぁ・・・行ってくるけぇのぉ・・・風下には立たんけぇ」

 

と言って部屋を後にする。どうやら明乃に代わりに当直を変わってくれるようだ。

すると、内田がましろの部屋に来た。

 

「ここにいたのか。探したぞ岬さん、いきなり艦橋を飛び出すから」

 

あの後、内田は明乃を探していたようだ。

明乃は落ち着くまで、ましろの部屋にいる事にした。

 

「そろそろ寝たいんですが」

「そんなに雷が怖いのか?雷はヘソをとったりせんぞ~」

「誰にだって怖いものはある物だ」

「雷が怖いって言うか・・・」

「じゃあ、なんだ?」

「ただ・・・思い出すから・・・あの日の事を・・・」

 

明乃のは雷が何故怖いのか、その理由を話す。

明乃の両親は海上安全整備局の職員であった。しかし明乃が幼い頃。明乃と両親が乗っていた。客船が嵐により大規模な海難事故に遭う。その時、両親から先に海に飛び込むよう言われたが、お父さんとお母さんはどうするのかと聞き、飛び込まなかった。すると船体は激しく揺れ明乃は投げ出されてしまう。気がつくと明乃は救命ボートに乗っていた。明乃はブルーマーメイドに救助されたようだった。明乃は暫く沈みゆく客船を見詰めた。すると、明乃は両親が居ないことに気づく。両親の姿は明乃が乗っている救命ボートにはなかった。

明乃はブルーマーメイドの隊員に何故、両親が居ないのか必死に尋ねる。だが、残念な事に明乃の両親は事故に巻き込まれ亡くなった。両親を亡くした時の嵐がトラウマとなり、明乃は雷が苦手になった。また、両親が亡くなったのは、自分のせいだと思っている。

その後、呉の児童養護施設に入り、そこで同じく両親を亡くしている。もえかと出会い彼女とは無二の親友となり、一緒にブルーマーメイドを目指すようになった。

 

「私がもっと早く飛び込んでたら・・・お父さんも・・・お母さんも・・・」

 

明乃の事情を知り、ましろとミーナはいたたまれない気持ちになる。内田は腕を組、目を瞑っていた。すると、部屋の伝声管から、

 

「艦長!救難信号です!」

 

幸子からの報告を聞き、明乃達は急ぎ艦橋へと向かう。

 

「救難信号って、何処から!?」

「新橋商店街船です全長135m、総トン数14000。現在左に傾斜し、船内に浸水している模様!」

「乗員は無事か?」

「全乗員552名、現在避難中とのことです」

「近くの船は?」

「我々と播磨が一番近いです」

 

今現在、新橋商店街船から一番近いのは、晴風と播磨であった。

その頃、播磨の艦橋では、

 

「ブルーマーメイド本隊に連絡せよ!陸戦隊は急ぎ救助隊を編成!」

「了解しました」

 

播磨でも救難信号を受信していた。秋津はブルーマーメイド本隊に連絡するよう通信長に指示し、陸戦隊には、救助隊の編成を指示する。無線電話の受話器をとり、新橋商店街船の船長と連絡を取る。

 

「こちら、横須賀女子海洋学校。教官艦 播磨艦長の秋津です」

〈こちらは、新橋。ウルシー環礁、ファラロップ南東13マイル地点で暗礁に乗り上げました。座礁時刻は15分前、現在も船体中央部が・・・〉

「怪我人は?」

〈軽傷者が10名〉

「浸水はありますか?」

〈左舷側はあると思われます〉

「艦内及び船外で火災は発生していますか?」

〈まだ確認していません〉

「了解。救助に向かいます。ただし、そちらまでの到達時間は約50かかります。それまで船長は避難誘導を続けてください」

〈わかりました〉

 

秋津は救助に向かうことを新橋船長に伝えた。

 

「達する。ウルシー環礁で座礁船発生。本艦はこれより当該船舶の救助を行う。海難救助用意!!救助隊は直ぐにでも出られるよう準備せよ!」

 

秋津は艦内放送で播磨乗員に救助に向かうことを伝える。

格納庫では武藤が救助隊の編成を行っていた。救助隊は皆、ウエットスーツに着替えていた。

今頃ではあるが播磨の乗員の服装について説明しよう。士官以外は基本作業服である。日本国海軍は、昔の短パン半袖の防暑服ではなく。青い作業服を採用している。(イメージは海自の作業服)夏になると防暑服装になり、通気性の良い長ズボンに半袖の格好になる。陸戦隊は区別するため、オリーブグリーンの服装である。帽子は昔の海軍と変わらず。錨の中央に桜を重ねたデザインである。

尚、腕にはエンブレムがある。播磨を正面から見たイラストにその周りには旭日旗の十六条線の一部が描かれ、上に英語でジャパンネイビー。下に ローマ字でハリマと書かれたエンブレムをつけている。尚、士官達にも作業服がある。秋津は播磨に乗艦している時は、普段作業服を着ている。彼いわく「動きやすいから」だそうだ。

 

「第1班は俺と一緒に内火艇に乗り、晴風の救助隊と協力し救難活動に当たる」

「第2班は海鳥に乗り救難活動と言いたいところだが・・・」

 

現在、雨は止んではいるが強風の影響で海鳥は飛ばせない状況であった。その為、救助隊の第2班は命令あるまで海鳥と一緒に格納庫で待機となった。機長の菅野は少し不機嫌そうな顔をしていた。

晴風でも救助隊が編成されており、共に救難活動に当たる事になった。

 

 

 




皆さん、遂に来ました。この日が、今夜のW杯。日本が初戦をむかえます。
相手は前回敗北を喫したコロンビア!今回のW杯で日本!リベンジなるか!!
頑張れ!サムライブルー!!頑張れ!西野ジャパン!!
日本サッカーのファン達よ・・・声を枯らす準備は出来ているか・・・?

誤字、脱字などおかしな所があると思いますがご容赦ください。皆様の感想お待ちしております。

次回もお楽しみに!
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