ハイスクール・フリート マーメイドと海の男達   作:SNAKE金城

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今頃ではありますが。

73年前に起こった大平洋戦争と言う惨劇を我々は、忘れてはならない・・・今、平和の時代に生きている事に感謝しましょう。

それではどうぞ!



第24話 播磨と晴風の赤道祭 開幕

 

播磨と晴風は、明石、間宮と合流し補給と補修作業を受けていた。

その間は、何もやることはなかったが、麻侖が播磨と晴風が赤道祭を越えていると言うことで赤道祭をやろうと言ったものの。播磨の乗員は既に赤道祭に向けての準備は完了しているが、晴風のクラスメイト達は赤道祭に興味がない者が多く、全然作業が進まず、このままでは赤道祭が開けない状態にあった。

そんな中、赤道祭実行委員長の麻侖は赤道祭に興味がないクラスメイト達の様子と発言にぶちギレてしまい。何処かに行ってしまう。

ちょうど、ぶちギレて走り去る麻侖を見かけ一瞬見えた表情から何かあったと思い、追いかけていた秋津は麻侖を見失ってしまい、晴風の艦橋の居ると思い向かっていた。

 

その秋津が向かっている艦橋では、

 

「シロちゃあん、続きはどうしたらいいと思います?」

 

「どうでもいいと思う・・・」

 

「ええー!投げやりだなん」

 

「相変わらずだねココちゃん・・・」

 

「秋津教官にでも聞けばいいだろ・・・」

 

「秋津教官、何処かにいっちゃいました~」

 

幸子にタブレットで出し物の続きはどうしたらいいか、ましろに意見を求めるが、ましろはめんどくさそうに言う。

その様子を見た明乃は苦笑いする。

そこに、麻侖を探している秋津がやって来る。

 

「皆、柳原さんを見かけな・・・」

 

「秋津きょうか~ん!」

 

「っ!?」

 

「秋津教官、この続きどうしたらいいと思います?」

 

「自分で考えたらいいんじゃないかな?・・・それより、納沙さん・・・抱きつくのをやめようか?」

 

「えっ?・・・はっ!/////」

 

また、秋津に抱きついてしまった幸子。

幸子は秋津に言われて気付き、すぐに抱きつくのをやめる。当然、顔は赤くなる。

すると、通信室の八木から学校から連絡が来ていると報告が入る。

 

「艦長、校長から連絡です」

 

「つぐちゃん、読んで」

 

「《修理が終わり次第。ブルーマーメイドが行う「パーシアス作戦」に協力せよ。後方第二陣につくように。また、播磨も晴風同様、後方第二陣につくように》だそうです」

 

「播磨も後方第二陣に・・・?」

 

現在、稼働している艦艇の中でも最大にして最強の艦、播磨。

その播磨に協力を要請するのは分かるが、駆逐艦でインディペンデンス級よりも小さい晴風にまで協力を要請してきた、殆どの主力艦艇がドック入りし動けない最悪の状況の今、学生艦である晴風の手も借りたいほど戦力が足りないらしい。

しかし、晴風は学生艦、最前線に立たせる訳にはいかない為、後方第二陣つまり予備の戦力として協力するようにブルーマーメイドは要請した。

だが、何故。今動ける艦の中でも最強クラスの播磨まで後方第二陣になったのか内田と艦橋組は不思議に思った。

何故播磨が後方第二陣になったのかを秋津は分かっている様子だった。

 

「恐らく、播磨が後方第二陣になったのは、最終決戦用の艦艇として使うためだろう」

 

「えっ?」

 

「播磨は、今動かせる艦の中でも最強クラスの艦艇。もし、ブルーマーメイドの艦隊が全滅した場合は、播磨の出番と言うわけだ」

 

秋津はそう説明すると、晴風の皆は納得の様子だった。

 

「と言うことは、本格的にウィルス退治が始まるんだね」

 

「あと、どんだけ覚醒させるんだ~?」

 

「五艦ですね。四艦は所在が判明していますが、武蔵は不明です」

 

幸子は、現在ウィルスに感染している艦艇の数を西崎に教えた。

 

「もしかして、このパーシアス作戦の対象は・・・」

 

「武蔵だろうな、我々播磨が後方第二陣になったのも納得がいく」

 

秋津はこのパーシアス作戦の対象は、現在所在不明である武蔵であると推測する。

それを聞いた明乃は俯く。それを見た秋津は、「いらんことを言ってしまったかな」と申し訳なさそうな表情で呟く。

すると、そこに黒木が慌てた様子で艦橋にやって来た。

 

「艦長!」

 

「クロちゃん、なに?」

 

「いえ、機関長が・・・」

 

「マロンちゃんがどうかしたの!?」

 

明乃は黒木の慌てた様子から、麻侖の身に何かあったのかと思ったが、秋津の一言その思いが一変する。

 

「もしかして、拗ねたんじゃないか?」

 

「・・・はい」

 

『えっ?』

 

それを聞いた黒木と秋津を除く全員が唖然とした。

 

その頃、和住が何処かの通路で播磨の烹炊班と晴風の主計科から貰った、木箱でトンカチ片手に何かを作っていた。

そこに、ちょうど通りがかった小笠原が何を作ってるのか聞いた。

 

「何作ってるの?」

 

「できてからのお楽しみお楽しみ~」

 

と言って木材に釘をどんどんうちこんでいく。

するとそこに暇をしていた菅野が来て、

 

「お、手伝おうか?」

 

「いいんですか?じゃあ、お願いします」

 

「ヘリの操縦だけが、得意じゃないぜコノヤロウ!」

 

と言って菅野は、和住の作業を手伝う。

 

黒木に麻侖が拗ねたと聞き、明乃とましろ、秋津は赤道祭の様子を見に甲板へ出ると、殆どの進んでいない状態であった。

その為か、播磨の乗員数名が手伝っていた。

機関科メンバーは先程の麻侖の様子を見てか、赤道祭の準備を進めているが。その近くの甲板では、まゆみ、山下、勝田の三人がトランプで遊んでいる。

 

「成程、自分の思うように盛り上がらなくて拗ねたのか・・・」

 

「これじゃあ、拗ねるのも当たり前だな」

 

「いつもは威勢がいいんですが、一旦ヘソを曲げるとテコでも動かなくて」

 

「そっか、クロちゃんはマロンちゃんと中学から一緒なんだよね・・・祭り、任せっぱなしにしていた私も悪かったよね」

 

「自分も教官として、この事態に気づけなかった事が本当に情けないなぁ」

 

明乃は、赤道祭の準備を全て黒木や麻侖に任せっぱなしにしていたことに対し謝罪した。

秋津も教官でありながら、事態に気付けなかった自分が情けないと思った。

 

「一晩寝ればすっかり気分はかわるんですが・・・どうやって機嫌を直したものか・・・」

 

「あのさ、私が個人的にと言うより少し手伝って貰ったんだけど・・・私と菅野さんが作った物で気分が盛り上がるんじゃないかと・・・」

 

「まさか、あんな物作るとはな思わなかったぜ、バカヤロウ」

 

麻侖の機嫌を直すにはどうしたら言いかと悩んでい時、和住が、途中で手伝って貰った菅野と作った物で、麻侖の機嫌を直せるかもしれないと言う。

 

「ひめちゃんと菅野さんが作ったもの?」

 

「菅野、和住さんとなんか作ったのか?」

 

和住は、その作った物を使い。麻侖の機嫌を直す方法を説明した。

 

「それなら麻侖の機嫌も直りそうね」

 

「うん、いい考えだ。内田、おやっさんにこの事を伝えてろ」

 

「何故です?」

 

「おやっさんが居るともっと盛り上がるぞ!」

 

内田は秋津に言われ、播磨に戻り金城に和住の提案を伝えに言った。

因みに播磨と晴風は今回、隣り合って接舷している為、播磨と晴風を直ぐに行き来できる。

 

「後、岬さんにも何かやってもらおうかな?」

 

「えっ?」

 

秋津がそう言うと明乃は首をかしげた。

 

その頃、黒木は麻侖を既に見つけていた。

と言うよりは、既に麻侖が居そうな場所が分かっていて見つけたのだ、さすが幼馴染みと言うべきか・・・

 

「やっぱり此処にいた」

 

「よくわかったな・・・」

 

麻侖は機関制御室で椅子を並べて、その上でふて寝をしていた。

 

「マロン、いつも拗ねると船の下に潜り込んでたじゃない」

 

「そうだったかな・・・」

 

「ちょっと来て」

 

「うん?」

 

「マロンが喜ぶものがあるから」

 

「焼肉?」

 

「食べ物じゃない!」

 

「パイナップル缶・・・?」

 

「それも食べ物じゃない」

 

「何だよ!!」

 

「来れば分かるから」

 

「よう!江戸っ子女子。いいから来い、コノヤロウ!」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

そばで聞いていた菅野が無理やり麻侖の手を取り、甲板へとつれていく。

そのつれて来た甲板では、

 

『ワッショイ!ワッショイ!』

 

晴風のクラスメイト達と播磨乗員が一緒に神輿を担ぎ、楓は必死に笛を吹き、松永は太鼓を叩いていた。

 

「なんでぇい、なんでぇい!どうしたんでぇい?」

 

「副長、もっと威勢よく!」

 

「神輿なんて何処にあったんでぇい?」

 

「私が作ったんだ、菅野さんにも途中手伝って貰ったけど」

 

「おうよ!」

 

和住が木箱で作っていたのは、何と神輿であった。

 

「個人的に作ってた物ってこれだったのか・・・」

 

「私、両親が神田の生まれで、祭りって聞くとつい血が騒いじゃうんだ」

 

「生粋の江戸っ子!」

 

麻侖は東京神田の血を引く和住を尊敬の目で見る。

 

「はっはっはっはっはっ!いやーめでたい!めでたい!」

 

すると、高い場所には鼻眼鏡をかけて踊る明乃がいた。

 

「かーんちょう!何やってんでい!?」

 

「浮かれてるのよ、お祭りだから」

 

「柳原さん」

 

すると、後ろから秋津が麻侖の肩をポンッ叩き、聞こえをかけてきた。

 

「秋津教官?」

 

「あそこを見てみな」

 

「え?まだ、何かあるんでぇい?」

 

秋津に言われ、麻侖は指を指された方を見ると、そこには沖縄エイサーの衣装を着た。金城と乗員数名が居た。

すると、沖縄の民謡「安里屋ユンタ」が流れる。

 

『イーヤー!ハーイーヤー!!』

 

威勢の良い掛け声と共に、大太鼓と沖縄独自の太鼓。パーランクーの叩く音が鳴り響く。

沖縄エイサーを見るのが初めてなのか、晴風のクラスメイト達は興味津々で集まってきた。

大太鼓を持っているにも関わらずダイナミックな動きをする。金城と播磨乗員の一人に注目が集まる。

先程まで水鉄砲で遊んでいた砲術科三人組も、

 

「なんか面白そーだね」

 

「水鉄砲大会よりいいかも!」

 

「エイサー見るの初めて、なんか楽しそー」

 

「せっかくのお祭りだから、目一杯楽しんでいこー!!」

 

和住の作った神輿と、あまり見ることのない沖縄エイサーの登場で、赤道祭に興味、関心のなかった晴風のクラスメイト達はその様子を見てだんだと興味、関心を持ち始める。

 

「艦長・・・よーし!盛り上がっていくかー!!」

 

『オオォォーー!!』

 

和住の神輿と金城が行った沖縄エイサーのお陰で、晴風のクラスメイト達は赤道祭に興味を示し、間に合わないと思われた準備も播磨の乗員が加わり何とか終えて、無事に赤道祭を開くことが出来た。

赤道祭の始まりは、板で作った赤色の門で、扁額(へんがく)には「赤道門」と書かれている。

その門の前で海の神ポセイドンのコスプレをした等松、女神を意識したコスプレをしている桜良が、明乃に赤道を渡るための鍵を渡す寸劇から始まる。

因みに秋津は珍しく襟詰の第一種軍装を着て祭りに参加している。

 

「これが、赤道を渡る鍵であるぞー!」

 

段ボールで作られた鍵を等松が明乃に渡すと、明乃はありがたく受けとる。

 

「拍手~!」

 

麻侖がそう言うと、みんな拍手をする。

 

「次は航海の無事を祈るんでぇい!」

 

次は晴風の艦内神社があるところに巫女の姿になった、知床と八木がおり、その二人の手伝いをする楓と宇田も巫女装束を着て知床と八木の横でひかえていた。

そして知床と八木は、明乃に航海の安全を祈願するお祓いをした。

 

「お二人のご実家は、神社だったんですね」

 

「そうなの。お諏訪さま」

 

「あの・・・」

 

「副長?」

 

「何しろ運が悪いもので、いっぱい祓ってもらえるだろうか・・・」

 

「ああ・・・」

 

「は、はい・・・」

 

ましろは、誰よりも運が悪い自分をいっぱい祓ってくれと知床と八木に頼む、すると。

 

「じゃあ、自分がちゃんと祓ってしんぜよう」

 

「え?」

 

「内田さん、その格好・・・」

 

そこには、僧侶の人が着る服装、法衣を着た内田がおり、自分が祓ってやろうかとましろに言う。

 

「内田さん、なぜ法衣を着ているんですか?」

 

「自分の実家は、寺なんでね」

 

「そうだったんですか」

 

「晴風の艦内神社にも手を合わせないとね。寺の出身者として」

 

そう言って内田は、晴風の艦内神社に合掌する。

合掌を終えると、ましろが凄い剣幕で内田に詰め寄る。

 

「ちゃんと祓ってくれますか!?」

 

「し、心配しないで、ちゃんとやるから」

 

そう言って内田はお祓いをはじめた。

 

晴風甲板では、麻侖が大きな団扇を持ち神輿を担ぐクラスメイト達の先頭を歩いていた。

すると、通信マストで野間が見事なバランス芸を披露した。

神輿の後ろでは金城と数名の播磨乗員が沖縄エイサーを続けており流れている曲も変わり、さっきよりダイナミックな動きになり、より盛り上がってきた。

それを見た麻侖は、

 

「おお!こっちも負けてらんねぇぜぇ!それわっしょい!わっしょい!!」

 

『きゃあぁぁー!』

 

気合いが入ったのか、団扇を大きく扇ぎその扇いだ風が神輿を担ぐクラスメイト達を襲い、クラスメイト達は片手でスカートを押さえる。

 

時刻は夕刻になり、晴風の甲板には各々が出す屋台が並び、その屋台からいい匂いが漂う。

 

「さぁー、らっしゃい!らっしゃい!おいしいたこ焼きだよー!」

 

みかんと若狭はたこ焼きの屋台を開き、その横で多聞丸がたこ焼きを頬張っていた。

桜良はフランクフルトの屋台を開いていた。すると、五十六がフランクフルトを一本咥えて去って行った。

 

「あ!ちょっと五十六ー!」

 

杵﨑姉妹の屋台では、

 

「これ梅干し?」

 

宇田が杵﨑姉妹が出しているチーズケーキの上に乗っている具を尋ねる。

 

「横須賀名物チェリーチーズケーキなの。レモン絞って食べても美味しいよ」

 

「美味しい!」

 

あかねが宇田にケーキの説明をし、その横で山下がチーズケーキに舌鼓をうつ。

その横では、北条がハンバーガーの屋台を開いていた。

北条の料理のうまさは、晴風の皆も知っている為か、ちょっとした人だかりが出来る。

 

「横須賀、アメリカンスタイルのハンバーガー・・・」

 

「主計長・・・なんかデカくないですか?」

 

播磨の乗員が、ハンバーガーが少しデカくないかと聞く。

 

「アメリカンスタイルなんだから、あたりまえだ・・・お前達これくらい食うだろ・・・残したら食器洗いさせるぞ・・・」

 

「微笑みながら言わないでくださいよ、怖いですよ」

 

北条は、その他にも横須賀と言うことで海軍カレーも出していた。

一番カレーに食いついたのは勿論、立石であった。

 

砲雷科メンバーは射的の屋台を開いていたが、西崎と先程までカレーに食らいついていた立石が殆どの商品を持っていってしまった。

 

「もぅ、当てすぎ!」

 

日置が当てすぎだと西崎に文句を言っていると、西崎より後ろにいる武藤が残りの商品を遠くからコルク銃で撃ち抜く、しかも狙っているときの顔が本気であった。

 

「武藤さんと砲雷科は禁止だね」

 

砲雷科だけでなく武藤までもが出禁となる。

 

松永、楓、鶫の三人が笛と太鼓で演奏をして野間が踊りを披露すると等松は踊る野間の姿をスマホで写真を撮りまくっていた。

金城はエイサーだけでなくせっかくなのでもっと沖縄文化に触れてほしいと思い、三線を持ち沖縄民謡を歌い始め、エイサーを踊っていた播磨乗員は、沖縄独自の踊りカチャーシーを踊り始めると、カチャーシーは基本、手を動かすだけの踊りの為、晴風のクラスメイト達も見よう見まねで踊る。

赤道祭は予想以上に盛り上がり、晴風のクラスメイトと播磨乗員の気分は最高潮になった。

 

「皆の衆!七時からは播磨の格納庫で出し物やるでぇい!」

 

「盛りやがっいくからな!」

 

『オオォォーー!』

 

午後七時からは播磨の格納庫で、晴風のクラスメイトと播磨乗員が考えた出し物をやると麻侖が言う。

播磨乗員と晴風クラスメイト達の人数を考えると、基本的に広い播磨の格納庫で出し物をやることにしたのだ。

会場、舞台の設置は、播磨乗員が全てやってくれた。

海鳥はスペースを取るので後部甲板の広い場所に置かれた。

 

そして時刻は七時、出し物の時間がやって来た。

播磨の格納庫には、播磨乗員と晴風クラスメイト達が集まる。

 

「本日の司会を務めさせていただきます。機関科の広田空と」

 

「若狭麗緒でーす!」

 

若狭と広田が出し物の司会を務める。まず、最初は晴風砲雷科によるモノマネから始まる。

 

「まずは、砲雷科さんによるモノマネです」

 

「それでは小笠原やります!ズゴオォーン!」

 

(モノマネって、そっちのか・・・)

 

秋津は小笠原のモノマネはモノマネでも兵器の発射音のモノマネかと思い苦笑いする。

しかし、細かすぎて伝わらない・・・

 

「何のモノマネ?」

 

知床は何のモノマネしているのか全く理解出来なかった。

播磨の乗員も苦笑いするしかなかった。

 

「さぁー、コアラの鳴き声じゃないですかねー」

 

「動物の鳴き声でもないと思うがな・・・」

 

幸子は全く興味の無さそうなトーンで雑なコメントする。

 

「今のは、イージス艦5インチ砲のマネでしたー」

 

小笠原はイージス艦に搭載されている5インチ砲のモノマネをしたと説明する。

 

「おー、似てる」

 

「うま・・・」

 

「「えっ!?」」

 

西崎と立石は理解できたが、知床と幸子は小笠原のモノマネを理解した二人を見て驚く。

 

「なぁ、5インチってあんな砲撃音だったか?」

 

「あんなに響かなかったような・・・?」

 

播磨の砲雷科は、5インチ砲の発射音に疑問を感じた。

 

「武田やります・・・ドォン!」

 

「長10サンチ砲!長10サンチ砲!」

 

「うぃ!」

 

武田のモノマネもやはり砲撃音で西崎と立石、播磨の砲雷科の乗員達は分かったが、周りの晴風クラスメイトと播磨乗員は分からない様子だった。

秋津と金城は、大体は分かったと言った表情をしていた。

 

「日置やります!ドォーン」

 

「今のは52口径11インチ砲ぞな!」

 

日置のモノマネは勝田でも分かった様だ。

 

「続いて!ドゴオォォーーン!」

 

「それは、我が播磨が誇る!51サンチ砲だ!!・・・あ・・・」

 

「砲術長・・・」

 

『アハハハハ』

 

日置が続けてやったモノマネが播磨の51センチ砲だと知り凄い勢いで立ち上がり、答えた播磨砲術長は答えた後、回りを見て恥ずかしくなり、ゆっくりと席についた。

それを見た周りは大爆笑する。

等松は、酔っ払ったおっさん見たいなしゃべり方で何かを言う。和住いわくマッチ酔いらしい、どれだけ野間の事が好きなのか・・・

 

「それでは次に参りましょう・・・」

 

砲雷科のモノマネはあまりウケなかった様子で終わる。

ウケたのは晴風と播磨の砲雷科メンバーだけである。

 

「航海科です!」

 

次は、晴風航海科の番である。

 

「航海科!航海ラップをやります!」

 

「ほぉ、ラップか。アメリカ生まれの奴か」

 

晴風航海科は、ラップをやるらしい。

秋津はラップを珍しいそうに言う・・・と言っても秋津達の年代1970年代の日本では、ラップは流行っていなかった為、秋津は珍しいそうな目で見る。

 

山下、勝田、まゆみ、八木、宇田の五人がリズムに乗り、ラップを歌い始める。

 

『私、航海、後悔、公開中!あなたの後悔なんですか!?』

 

歌っている四人がまず、まゆみに指をさす。

 

「私の後悔知ってるかい?ついついしちゃった日焼けだよ!」

 

まゆみは、自分の後悔を公開する。

 

『そりゃするね!後悔するね、しちゃうよね!私、航海、後悔、公開中! あなたの後悔なんですか!?』

 

次にみかんが指名される。

 

「え、私・・・?えーと、えーと・・・見たいドラマの録画をね。忘れてきちゃったことかしら」

 

『あなたの後悔なんですか!?』

 

航海科は、次に秋津を指名する。

 

「俺か・・・彼女との約束をまだ果たしきれてないことかな?」

 

「艦長~!ヒューヒュー!!」

 

「冷やかすなよ!冷やかし方も古いぞ!」

 

秋津は播磨乗員に冷やかされる。

 

『あなたの後悔なんですか!?』

 

次にあかねが指名される。

 

「えっと・・・航海中に425g体重が増えたこと!あぁ、言っちゃった・・・/////」

 

(よく、男性の居る場で言ったな・・・)

 

この航海で体重が増えたことを暴露するあかね。

秋津は男ばかりの播磨乗員の居る場でよく言えたな呟き、と苦笑いする。

 

『おっと!後悔2倍だね~!』

 

「さすが主計科、細かいですね」

 

何故か主計科の事を褒める幸子。

 

『あなたの後悔なんですか!?』

 

航海科は、次に双子の姉である。ほまれを指名する。

 

「え?あ、その・・・実習に来る前幼馴染に告られたんだけど返事せずに逃げちゃったこと・・・」

 

『ええええぇぇぇーーー!!』

 

「聞いてない!聞いてない!」

 

「誰!?誰!?」

 

みかんとあかねがほまれに、誰に告白されたのかと詰め寄る。

他のクラスメイト達もほまれの恋愛に興味が沸く。

 

「青春ですね~」

 

「おやっさん・・・」

 

「ちょっと、今しなよ!」

 

「そうでぇい!そうでぇい!」

 

『してみな、してみな、やってみな!』

 

ほまれは、言われた通り携帯で告白された幼馴染みに告白の返事をメールで送る。

暫くして、返事のメールが来た・・・

 

「と言うことでメールをしたら・・・返事が来ました・・・」

 

『返事は?返事は?なんなのよ!?』

 

「ごめん・・・他に好きな子ができたって・・・」

 

『ええええぇぇぇぇ!!』

 

ほまれの返答に二度目の衝撃が走った。

ほまれは、泣きそうな顔になる。

 

「あちゃ~・・・(彼女にとっては、一番忘れられない出来事になったな・・・)」

 

会場は、一瞬にして重い空気に包まれた。

 

「ご、ごめん・・・」

 

「私達が後悔してるよ・・・」

 

『私達、航海、後悔、公開中~・・・』

 

歌いながらほまれに謝罪する航海科。

最後は重い空気になってしまったが、砲雷科の出し物よりは、確実に盛り上がった。

 

「え~・・・次は、播磨乗員数名によります。ラッパ演奏です。どうぞ!」

 

舞台の横から四人の播磨乗員が出てきた。

ラッパを持っているのは三人で、もう一人は説明をする役の様だ。

 

「ええ、それではラッパ演奏を始めたいと思います。先ずは、起床の時も吹きます。総員起こしから、どうぞ!」

 

そう言われ三人の播磨乗員は総員起こしのラッパを吹く。

三人のラッパは播磨格納庫ないに響く。

 

「さすがですわ、私も見習わないと」

 

晴風ラッパ担当である万里小路のラッパはお世辞にもうまいとは言えない、本人も自覚しているのか、自身も見習わないといけないと思った様だ。

 

「次は、出航用意と就寝を連続で吹いてもらいます。どうぞ!」

 

次は、連続でラッパ演奏をする。

 

「それでは最後に、日本海軍の軍歌。軍艦マーチとも言われています。軍艦行進曲を演奏してもらいます。それではどうぞ!」

 

播磨乗員三人は、ラッパで軍艦行進曲を吹き始める。

晴風の生徒達は初めて聞くのか、以外と盛り上がる。

軍歌とは思えないリズミカルな曲だった為、演奏が終了すると、拍手喝采が巻き起こる。

播磨乗員によるラッパ演奏会が終了した。

 

「次は晴風砲術長、水雷長による漫才です」

 

「どうぞ!」

 

舞台の袖から立石と西崎が何かしらの詰め物をしたのか、胸が強調された黒のドレス着て、奇妙なカツラを被って登場してきた。

 

「はじめましてメイタマでーすっ!」

 

「す・・・」

 

(俺達世代に居そうな漫才師の格好だな・・・)

 

秋津は二人の衣装を見て、昭和の漫才師が着けてそうな格好だなと心の中で呟く。

二人の漫才が始まる。

 

「「51音マンボウ、はっ!」」

 

(あんなに喋る立石さんは、初めて見るな)

 

普段、口数の少ない立石がペラペラと喋る姿を見た秋津は、物珍しそうな表情で言う。

立石と西崎は自分達で考えたのか、51音マンボウを歌う。

 

「ビックリのア行」

 

「あっ、こんな所にケーキが食べちゃお。ムシャムシャ、ごっくん」

 

「それ、腐ってるよ」

 

「え!」

 

「お腹壊すよ」

 

「う!」

 

「トイレ一杯だったよ」

 

「え!」

 

「間に合わないかもね」

 

「お~」

 

二人の漫才に晴風クラスメイト達と播磨乗員は大爆笑であった。

次にヒステリーを題材にした漫才をし、さらに大爆笑が起きた。

明乃は、大爆笑する晴風のクラスメイト達を見て、皆が赤道祭を楽しんでいることに安心した顔をする。

 

「艦長!秋津教官!次、私達の番ですね!」

 

「あ、うん」

 

「ああ」

 

立石と西崎の漫才は終始大爆笑で終わった。

 

「それでは、次に艦橋メンバーと秋津教官、内田さんによる劇!」

 

「仁義ある晴風と播磨です!」

 

司会の二人が説明を終えると舞台は一気に暗転し、スポットライトが舞台を照らす。

そこには、制服の上から羽織を着た知床と、制服のままで片膝をついている明乃がいた。

知床が親分で明乃がその部下の役のようだ。

 

「くっくっくっ、これで晴風と播磨もわしらのシマじゃ」

 

「うまくいきましたね親分」

 

「待てや!」

 

「待てや・・・」

 

そこへ羽織を着た幸子と制服のままのましろが、登場する。

 

「おぉ?なんだ。晴風のイモか?」

 

こういった劇は、恥ずかしがると思っていた知床だったが、以外にノリノリで役を演じている。

 

「晴風乗員はイモかもしれんがのう・・・相手の風下に一度も立ったことないんじゃあ!」

 

「な、ないんじゃあ・・・!」

 

「見つけたでぇ!」

 

そこえ、黒スーツ姿でマッカーサーが着けてそうなサングラスをつけた秋津と同じく黒スーツを着た内田が登場する。

 

「おぉ?今度は、播磨のイモか?」

 

「ああ!?イモじゃと・・・お前らをイモにして食うぞおらぁ!」

 

役に思い切りなりきっている秋津を見た播磨乗員は意外そうな顔で見る。

 

「ようも播磨に手ぇだしてくれたのぉ?」

 

「覚悟はできとるんじゃろなぁ!」

 

「ほぉ~来るならこいやー!」

 

「こいやー!」

 

「根性注入しちゃる!」

 

知床は、腰に差していた小道具の刀を抜き、まず幸子に斬りかかる。

 

「頭!!」

 

ましろが幸子を庇って斬られる。

 

「シロ!しっかりせんかい!」

 

「頭・・・たのむけん・・・仇うってくんさい・・・」

 

「シロ!!」

 

そう言ってましろは幸子の腕の中で息を引き取る。

 

「次は、お前らじゃ!」

 

「兄貴!!ぐぁー!」

 

今度は、秋津に斬りかかると、それを部下役の内田が庇って斬られた。

 

「内田ー!」

 

「兄貴・・・お願いです・・・俺の仇、とってくだせぇ・・・・」

 

「内田ーー!!」

 

内田は秋津の腕の中で息を引き取った。

こうして、やはり仁義のない感じの劇になり、この劇は幕を閉じた。

 

「それでは、最後に播磨乗員による喜劇!金城座長による喜劇!「沖縄の地で、てんやわんや」です。どうぞ!」

 

説明が終わると、喜劇の始まりを告げる曲が流れる。

舞台の幕が上がると、壁紙の背景とセットから見て、沖縄の何処かの家と隣接した宿泊施設の様だ。

そこへ、エプロンを着たおばあちゃんの格好をした金城が登場する。

 

オバー「あいや、今日も忙しくなりそうやっさや」

 

そう言っておばーは、旅館の入り口に出て看板を見上げる。看板には金城旅館と書かれていた。

 

おばー「今日も頑張らんとね―・・・はい」

 

そう言っておばーは、おじいちゃんが写っている遺影をたて掛けた。

 

オバー「オジー、おはよう。今日もよろしくねー、うーとーとー」

 

うーとーとーとは、沖縄では合掌の意味である。

オバーは、オジーの遺影に手を合わせる。

するとそこへ、遺影に写っているオジーが登場する。

会場は笑いにが起こる。

 

オジーは、オバーの隣に立つ。

沖縄の方言が出る為か、分かるように舞台の両端には、スクリーンがある。

 

オジー「・・・オバー、ぬ―そーが(何してるの)?」

 

オバー「オジーんかいうーとーとぅ―そーんど(オジーに手をあわせているんだよ)

 

オジー「ええ!」

 

オバー「・・・やさ!」

 

オジー「やさ、じゃないよ!何ねこれ?縁起でもない!」

 

オバー「あんたが死んだときの為の練習しようと思ってよ」

 

オジー「こんなの練習しなくていいよ!まだ、生きてる!」

 

会場では大爆笑が起きる。

 

オジー「えぇ、そんなことより、おばー今日も忙しくなるよ」

 

オバー「そう言えば、休日だね今日。いつもより忙しくなるね―」

 

するとそこへ、お客様が入ってくる。

 

オジー「あ、いらっしゃいませ」

 

客「三人で予約していた。太田です」

 

オジー「お待ちしておりました。オーナーの金城です。どうぞここえお掛けください」

 

三人の客はそう言われ椅子に座る。オバーは、何処かへ行ってしまった。

 

オジー「珍しいですね、男性一人と女性二人ってね。どういうご関係なんですか?」

 

男性「ああ、ゆみが僕の妹で」

 

女性「あやが私の妹です」

 

オジー「それ、三兄弟ですね。ややこしい言い方しないでくださいよ」

 

男性「ああ、すみません」

 

三人の客は三兄弟の様だ。

 

オジー「でも、随分と仲のいい兄弟ですね。少しお待ちくださいチェックしますので」

 

兄「あ、はい」

 

オジー「ええ、太田様でしたね」

 

兄「はい」

 

オジー「下のお名前よろしいでしょうか?」

 

兄「けいすけです」

 

オジー「太田けいすけすけ様」

 

兄「ちょちょちょっと、すけが多いですね」

 

オジー「あ、申し訳ありません。ここ見ていたもので」

 

オジーは男性客の頭を指しながら言う。男性客の頭は、真ん中がハゲていた。

 

兄「やかましいわ!なんですかそれ!?」

 

妹1「ちょっと失礼ですよ!お兄ちゃんの頭は、すけすけじゃなくて。つるつるです!」

 

兄「うん、おい!それもおかしいぞ!」

 

オジー「毛つるつる様・・・」

 

兄「いや、名前じゃないから!なんなんですか腹立つなー。おい、あやお前もなんか言ったれ!」

 

妹2「ハゲ!!」

 

兄「なんで!?俺!?」

 

オジー「申し訳ありません。しかしですね・・・太田様の予約入っておりませんが?」

 

兄「ええ!三日前にやすしって人に連絡入れましたよ?」

 

オジー「あいや、やすしですか、またやらかしたな」

 

兄「えぇ?」

 

オジー「すみません。ちょっと確認いたしますので・・・おい!やすし!やすし!!」

 

やすし「はーい!オーナーおよびですか!?自分また何か失敗しました!?めっちゃわじってます!?許してくださーい!!旅館側にある川だけに水に流してくださーい!!なんちゃってー!!」

 

受付の向こう側から大声で叫ぶやすし。

 

オジー「えー!!出でこい!!」

 

すると受付からやすしが登場する。

 

やすし「およびですか、オーナー?」

 

オジー「およびですかじゃないよ。こちらの太田さん、三日前。やーに電話で予約したってよ、やー書いてないやし」

 

やすし「あいやー・・・」

 

オジー「謝れ!」

 

やすしは男性客の前に来る。

 

やすし「もうしわけーありません」

 

兄「やかましい、けを伸ばすな!」

 

やすし「伸ばすことできませんからね。かんぱちゃーだし。あ、かんぱちゃーは沖縄方言でハゲと言う意味です」

 

兄「うるさいわ!本当、腹立つな!あ、それより僕達の部屋用意して貰えますか?」

 

やすし「部屋あるんですけど、ヘアーは・・・」

 

兄「うるさいなー!まだ言いますか!?」

 

オジー「すみません、ちょうど空いている部屋がこざいますので。えーっと305号室ですね」

 

兄「ありがとうございます」

 

そう言って三兄弟は部屋へと向かった。

 

オジー「部屋空いてて良かったよ。えぇ!やー番頭なんだよ。しっかりしなさい!」

 

やすし「すみません、次から気をつけます」

 

オジー「本当によ、もう・・・ん、なんね?」

 

いきなり沖縄民謡が流れる。

すると、旅館に着物を着た、いかにも何処かの偉い人ですよと言う雰囲気を出す人が入ってきた。

その人は何も言わず、オジーに名刺を渡すと、沖縄民謡が止まる。

 

オジー「何々・・・沖縄民謡研究所会長 越来(ごえく)永吉?」

 

越来「わかるよね!」

 

オジー「いや、わからん。聞いたこともないよ、あんたの名前」

 

越来「私の名前を聞いたことない~い?」

 

オジー「はい」

 

越来「あんた沖縄県民ね?」

 

オジー「いや沖縄県民ですけど、名字も金城ですし。で、今日は何しにこちらに?」

 

越来「何しにきたって?」

 

すると、また沖縄民謡が流れて暫くして止まると。

 

越来「予約して、来たんだよ」

 

オジー「ちょっと待ってくださいね。さっきから民謡が流れているんですけど?」

 

越来「私クラスになるとね。常に民謡が追っかけてくるんだよ」

 

オジー「・・・ひとこと言わせてください。はぁ?」

 

越来「チャメー!!」

 

オジー「うるさい!どういうことですか?」

 

越来「予約して来たんだよ」

 

オジー「ああ、申し訳ありません。越来様ですね、ええ越来様は、202号室です。これ部屋の鍵です」

 

オジーが越来に鍵を渡すと、また民謡が流れて、また民謡が止まると。

 

越来「ありがとうね」

 

オジー「普通に言ってください。なんで必ず民謡が流れるわけ?」

 

越来「だから私クラスになると常に民謡が追っかけてくるっていったさ」

 

オジー「意味がわからんよ。もういいです、早く部屋に行ってください」

 

越来「じゃあ、またね」

 

すると、再び民謡が流れる。

 

オジー「またな?行くときも民謡流れるば?」

 

金城が考えた沖縄喜劇も終始、大爆笑に終わった。

 

最後に麻侖の提案で、播磨の甲板上で相撲大会をすることになった。

甲板上には、土俵が書かれたマットが敷かれ、相撲大会が始まった。

相撲大会は、黒木が相手をどんどん瞬殺していき、最後の取り組みは黒木と明乃となった。

ちなみに明乃の取り組みは麻侖が決めており、基本的に弱いと見たみかんと、杵崎姉妹を相手にさせた。

いわば明乃は麻侖の企みどうりに決勝に進んで来たと言える。

 

「はっけよーい!のこったー!!」

 

結果は、黒木が明乃を力士でも殆ど出さない決まり手で勝利し相撲大会は、黒木の優勝で終わった。

黒木は、地元の相撲大会で優勝経験のある実力者で、この相撲大会も黒木の優勝に決まっているも当然の大会であった。

ちなみに播磨乗員も相撲大会に参加し優勝は、海鳥機長の菅野で終わった。

 

「よーし!じょあこれで終了ー!」

 

麻侖が赤道祭の終わりを宣言すると、

 

「ん?どうしたんでぇい美波さん?」

 

「私だけまだ、何もやってない・・・」

 

『えっ?』

 

美波は、まだ自分は何もしていないと言う。

確かに全ての出し物において美波は、登場どころか何一つ出ていなかった。

 

「えーと・・・美波さん何かする気?」

 

「注射とか・・・?」

 

皆、美波の出し物と聞いて少々引いていた。

美波は物静かな人ではあるが、マッドサイエンティストな部分もあり、ましてや隣にマッドサイエンティスト感をおおいに出す六黒が居るのでクラスメイト達は警戒する。

 

「最後に皆で歌いたい・・・「我は海の子」」

 

「なんでぇい随分かわいい歌を歌うじゃねぇか」

 

「民謡とか演歌じゃないんだ」

 

「もしかして、自分の子供に聞かせてた?」

 

「私はまだ十二歳だ」

 

「え・・・?」

 

『えええぇぇぇ!!』

 

晴風のクラスメイト達は、美波の年齢を聞いて驚く。

 

「十二歳・・・?」

 

「マジ!?」

 

「嘘だ!」

 

「嘘・・・!」

 

「あれ?皆知らなかったのか?美波さんが十二歳ってこと?」

 

秋津は晴風の生徒達が美波が十二歳であることを知っていると思っていた。

 

「秋津教官知ってたんですか?」

 

「ああ、美波さんは飛び級で大学に入ってな、まだ海洋実習が未履修だから履修の為、晴風に乗っているんだ」

 

「十二歳ってことも初めから知ってたんですか?」

 

「うん、生徒のリストにちゃんと書いてあるしね」

 

秋津は教官である為、生徒のリストで美波が飛び級で大学に入っていることも十二歳であることも全て知っていた。

 

「とにかく歌うぞ!皆さんもご唱和ください!」

 

美波はそう言って、我は海の子を歌い出す。

晴風の生徒達と播磨乗員も美波に連れて歌い出す。

 

(我は海の子か・・・歌うのは小学生以来だな)

 

秋津は心の中で懐かしみながら呟き、歌う。

我は海の子は、明治に作曲された歌なので秋津も知っている。

我は海の子を歌い終え、これで晴風と播磨の赤道祭は、幕を閉じた。

 

翌朝、無事に赤道祭も終え、後片付けが行われていた。

その晴風では、明乃が深刻そうな表情で海の方ををジッと見つめていた。

秋津も同じく播磨艦橋で、何か覚悟を決めたと言った表情で海の方を見つめていた。

 

(いよいよだな・・・)

 

心の中で、そう呟く秋津であった。

 

 





今年の100回目の甲子園、優勝した大阪桐蔭ナインおめでとう!
そして我らが沖縄代表 興南ナインよく頑張りました!

誤字、脱字や変な所がありますが、ご容赦ください。
感想お待ちしています!

次回もお楽しみに

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