ハイスクール・フリート マーメイドと海の男達   作:SNAKE金城

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沖縄では台風24号の影響を受け、未だに電気が復旧出来ていない住宅が多いようです。

自分の家は、2日間も停電していました。

皆さんの家は大丈夫ですか?

それではどうぞ!



第26話 武蔵強制停船作戦 ~太平洋の激戦~

 

武蔵は、ブルーマーメイドが予想していたフィリピン方面ではなく、日本近海。伊豆半島沖合に姿を現した。

現在、ブルーマーメイドの主力は予想していたフィリピン方面に集中していた為、武蔵の居る日本近海には間に合わない。

このままでは、武蔵は浦賀水道を通り。横須賀、横浜などの都市を46センチ主砲で攻撃するだろう。

また、首都であり人が多い東京が攻撃されたら犠牲者が多数出るだけでなく。ウィルスを拡散し、政府機関をマヒさせ、最悪の場合は国が崩壊する可能性もある。

ブルーマーメイドは、最低限の備えとして残していた。平賀率いる部隊を向かわせた。

 

平賀隊より先に武蔵のいる位置に着いた播磨と晴風は武蔵の攻撃を回避しつつ、学校の指示どうりに補足し続けていると、そこへ平賀率いるブルーマーメイド部隊が到着した。

 

指揮官である福内は、播磨と晴風に現在いる海域から離脱するように指示し、武蔵に向け数発の噴進魚雷を発射。

噴進魚雷は数発の内の三発が武蔵の左舷に命中するものの、武蔵は何も起きなかったかのように航行を続ける。

武蔵も平賀隊に向け主砲弾を放つ。

 

「艦隊、左90度。一斉回頭」

 

「と~りか~じ!」

 

福内の指示どうり平賀艦隊は一斉に回頭し、艦隊陣形を単横陣から単縦陣に組む。

武蔵の放った主砲弾は平賀艦隊の後方に着弾し水柱を上げる。

 

「あんな綺麗に艦隊運動出来るなんて・・・」

 

晴風艦橋では、知床が平賀艦隊の艦隊行動を見て感心していた。

と言うのも海上は、その状況によって潮の流れ、向き、速さ等が違う。海上の状態の影響を大いに受ける艦船が数隻も統一運動を行う事は難しい事なのだ。

そんな難度の高い行動を一糸乱れぬ動きで行う平賀艦隊は、予備戦力とは言え、練度が高い部隊だと言える。

 

「二番艦、四番艦。噴進魚雷、攻撃始め」

 

「噴進魚雷!発射始め!」

 

二番艦みやけ、四番艦はちじょう、から数発の噴進魚雷が武蔵に向けて発射された。

噴進魚雷は、武蔵の左舷に全て命中し、水柱を上げる。

晴風艦橋では、みやけ、はちじょうの噴進魚雷が全弾命中する所を双眼鏡で見ていた西崎が思わず声を上げていた。

 

「噴進魚雷、全弾命中!」

 

「全弾命中とは、さすが平賀さんの部隊ですね」

 

「だが、全弾命中しても、武蔵には傷ひとつ与えられてないだろうな」

 

播磨艦橋では秋津が、例え噴進魚雷が全て命中したとしても殆ど効いてないと言う。

大和型戦艦は、魚雷攻撃にも耐えられるよう強固な水中防御構造になっており、噴進魚雷の攻撃の効果は殆ど与えられていない。

実際、史実の武蔵は、爆弾約17本、約20本の魚雷を喰らってやっと沈没した。

そのくらい大和型戦艦の水中防御構造は強固なのだ。

 

「武蔵の様子は?」

 

「砲撃は止まったけど損傷不明。速力変わらないわね」

 

福内は平賀に武蔵がどんな状況かを確認する。

武蔵の速力が変わらないと言うことは、噴進魚雷の攻撃の効果は与えられていない様だ。

 

「一番艦、三番艦。右90度一斉回頭、突撃せよ!」

 

平賀艦隊は、武蔵を追い抜き右舷に回り込み、一番艦みくら、三番艦こうづ、で突撃し武蔵右舷から攻撃を仕掛ける。

 

「一、三番艦、主砲。攻撃始め」

 

「撃ち方始め」

 

みくらとこうづは、武蔵に砲撃を加え、武蔵も負けじと、応戦する。

みくらとこうづの砲撃は、武蔵の右舷副砲を破壊した。

これにより、スキッパーに乗る突入チームが武蔵へ突入がしやすくなる。

 

「目標!右舷副砲を破壊しました!」

 

「二番艦、四番艦、噴進魚雷。攻撃始め」

 

更に、みやけとはちじょうから武蔵に対する噴進魚雷が発射される。

が、発射された噴進魚雷は武蔵には行かずバラバラに飛んで行く。

 

「何!?」

 

「作動不良!?」

 

「誘導システムにエラー発生!」

 

播磨艦橋では、

 

「噴進魚雷が散り散りに飛んで行きます!」

 

「やはり、電子機器が不良を起こしたか・・・」

 

「大丈夫さ、おやっさん。平賀さんと福内さん達ならすぐに対応するさ・・・(平賀さん、福内さん。頑張ってくれ!止めるすべならいくらでもある・・・!)」

 

秋津は心の中で平賀と福内を応援する。

 

その頃、晴風ではましろが明乃を自分の部屋に連れ、二人きりになっていた。

明乃は、武蔵が砲撃してきた途端。塞ぎ混み、怯えている様子であった。

それを見たましろは、自分の部屋に連れて来て、何故そんなに怯えているのか理由を明乃に聞く。

因みに現在、晴風の指揮をとっているのは内田である。

 

「一体どうしたんだ、艦長?ブルーマーメイドは来てくれたが。私達は、私達の役割を・・・」

 

「・・・わからない・・・どうすればいいのか・・・分からないの・・・」

 

(やっぱり、気にしてるのか・・・武蔵に居る知名さんの事を・・・)

 

二人の話し声は、部屋にある伝声管から晴風の艦内全体に聞こえていた。

これを聞いた内田は、明乃が武蔵の艦長であり、大の友達であるもえかの事を相当、気にしているのかと心の中で呟く。

同じく二人の話しを伝声管で聞いていた麻侖が機関室を他のメンバーに任せて何処かへ行ってしまう。

黒木は若狭に対し、麻侖についていくように言いう。

 

一方、みくら艦橋では電子機器の異常により、少々混乱していた。

 

「電子機器が狂うと言うのは聞いていたけれど・・・」

 

「・・・魚雷発射管、発射準備。無誘導に設定」

 

電子機器の異常で誘導システムが使えなければ、無誘導の武装で対応するしかない。

福内は、魚雷発射管を誘導から無誘導に切り替えるよう指示を出す。

 

 

「残弾各砲塔、およそ90から100」

 

「進路変わらず、依然として浦賀水道に向かっています」

 

その頃、武蔵の艦橋ではウィルスに感染していない正常者達が武蔵に搭載されている砲弾と武蔵の針路を艦長であるもえかに報告する。

正常者と言っても、もえかを合わせウィルスに感染していない生徒はたった四人しかいない。

 

「うう・・・私達の艦が・・・ブルーマーメイドを・・・」

 

「状況把握に勤めよう、艦を止めるチャンスを見つけるの。ね?」

 

「はい・・・」

 

武蔵機関科の角田夏海は、自分達の艦がブルーマーメイドに向けて攻撃していることに悲嘆する。

もえかは、涙ぐむ角田に白いハンカチをわたし励ます。

泣きたいぐらい不安のはずだが、艦長である以上。自分の不安な姿を見せれば、その場にいる者達にそれ以上の不安を与えてしまう。

もえかは、自分の不安を抑え明るく振る舞った。

 

話は遡ること、海洋実習で最初の合流地点、西ノ島新島に向かう途中の事である。

合流地点に到着する前日の夜、順調に航行している途中。武蔵の付近に貨物船が通った時、もえかは航海科に注意するように指示を出し、正常者の一人である吉田親子は、第二艦橋に居る同じ航海科の生徒に艦内電話でもえかの指示を伝えようとしたが、応答がなかった。

その時、武蔵の一番主砲が旋回し付近を航行している貨物船に向けて発砲したのだ。

放たれた主砲弾は貨物船の付近に着弾し大きな水柱を上げた。

 

もえかは、直ぐに伝声管で射撃指揮所に確認をとろうとするが、第二艦橋同様。射撃指揮所も応答しなかった。

異変を感じた二人は確認のため第一艦橋を出て、通路を通る途中。角田が何かに追われているような表情でもえか達のもとへ来た。

もえかが角田が来た方を見ると武蔵乗員数十名が居た。だが、明らかに様子がおかしく全員何かに取り付かれている様子だった。

嫌な予感がしたもえかは、吉田と角田ともにその場から逃げ、第一艦橋の扉にありったけの物などを積みバリケードを築き、当分の水と食糧を正常者の一人、小林亜衣子が何とか確保した。食糧と言っても殆どが缶詰食品である。

 

もえか、角田、吉田、小林の四人だけがウィルスに感染せずに助かり。射撃指揮所、機関室などの主要な場所は全て占拠され、第一艦橋で四人は過ごす事にになった。

武蔵がアスンシオン島北西の地点から非常通信回線で救援要請をしたのもこの時である。

通信には、吉田が急ぎで作った通信機材を使い電源はバッテリーを使っていた為、ほんの数分しか通信ができなかった。

今現在、行われている強制停船オペレーションまで、もえかを含む武蔵乗員四名は、この数週間ずっと第一艦橋で立て籠り、過ごした。

 

 

「艦長、ちょっと来てください」

 

「何?」

 

「うちの学校の艦です。あの超大型の教官艦もいます」

 

「え?」

 

吉田に言われもえかは、双眼鏡を覗く、覗いた先には晴風と播磨の姿があった。

 

「晴風・・・ミケちゃん!」

 

もえかは無二の親友、明乃が乗る晴風を見て、今まで抑えていた不安を少し見せ始める。

 

その頃、電子機器の異常により、誘導兵器が使えなくなった平賀艦隊は、福内の指示で各艦、誘導兵器などを無誘導に設定し、再度武蔵に攻撃をしかける。

 

「魚雷、無誘導に設定!」

 

「第二戦速、面舵0度。ヨーソロー!」

 

「全艦魚雷、攻撃始め!」

 

平賀艦隊は、単縦陣で同航戦から無誘導に設定した魚雷を武蔵に向け発射し、無誘導の魚雷は武蔵、左舷に命中するが大和型戦艦が誇る水中防御に殆ど防がれ致命傷を与えることが出来なかった。

逆に、武蔵がお返しとばかりに平賀艦隊に向け激しい砲撃を加え、四番艦のはちじょうが被弾し速力が低下、航行不能に陥り、戦列から離れる。

 

「四番艦、はちじょうに被弾!速力が低下してる模様!!」

 

「何!?」

 

「とうとう被弾したか・・・!」

 

秋津は見張りからの報告を聞き、自分達の出番が近いことを悟った。

 

「四番艦から報告。我、航行不能。戦闘続行不可能!」

 

「通常魚雷、残弾ありません!!」

 

誘導兵器が使えない上に、魚雷の残弾も無くなった。

四番艦、はちじょうが被弾、航行不能により戦列を離脱し、平賀艦隊は、どんどん追い詰められていく。

 

「艦隊は、目標右艦尾に回り込み突入要員の乗り移りを行う。各艦、無人機の準備が出来次第発艦!」

 

福内は、最終手段としてスキッパーによる突入チームの強行接舷及び突入を行う事にした。

みくら、こうづ、みやけから無人飛行船が武蔵に向け発艦する。

武蔵の火器と機関は未だ健在の為、各艦に搭載してあった無人飛行船を発艦させ、武蔵の目とも言える艦橋と測距儀、電探を無人飛行船で覆い隠し、武蔵の攻撃能力を封じ込めようとした。

武蔵の目を封じている間に、インディペンデンス級の機動力を生かし武蔵に接近し速射砲で、主砲などの兵装を破壊。

その後、突入チームが武蔵に乗り込み、強襲を掛ける事にしたのだ。

 

 

その頃、播磨は晴風と共に武蔵の主砲射程圏外周辺の海域を航行しながら強制停船オペレーションの様子をずっと窺っていた。

艦橋では、無人飛行船が武蔵の艦橋と電探を覆い隠す様子を見ていた。

 

「無人飛行船で武蔵の目を封じるか・・・いい考えだが・・・」

 

「武蔵には、対空兵装がある。直ぐに撃ち落とされる」

 

砲雷長の言った通り、武蔵は12.7センチ高角砲で無人飛行船を撃ち落とす。

 

「速射砲!?」

 

予想もしていなかったのか、福内は武蔵の突然の反撃に驚く。

 

「面舵一杯!全速退避!!」

 

一瞬判断が遅れた福内は、急ぎ全艦に退避するように命令するが、一瞬の判断遅れが影響したのか。武蔵に狙いを定められ、砲撃でみやけ、こうづが被弾し、航行不能に陥った。

 

「このままじゃ・・・」

 

「知床さん、もう少し播磨に寄ろう。完全に隠れるように航行してくれ」

 

「は、はい!」

 

現在、晴風の指揮を取る内田は、播磨にもう少し寄って、完全に隠れて航行するよう知床に指示を出す。

平賀艦隊の三隻が航行不能の今、播磨だけでなく晴風にも攻撃してくる可能性がある為、少しでも晴風に被害が及ばないように播磨に隠れるように航行する事にした。

 

「ブルマー・・・一隻だけになっちゃったんだけど・・・艦長も副長も・・早く戻って来てよ!」

 

(不安にかられるのも無理もない・・・つい数週間前に入学してきた子達だ・・・今は俺がしっかりせねば・・・)

 

 

播磨艦橋では、

 

「平賀部隊、みくら一隻のみになりました!」

 

「やはり、止められなかったか・・・」

 

「・・・おやっさん、横須賀女子の宗谷校長と連絡を取ってくれ」

 

「分かりました」

 

金城は艦内電話の受話器を取り、通信室に秋津の指示を伝える。

 

「通信長、横須賀女子と連絡を」

 

「了解しました」

 

通信長は、横須賀女子に連絡を取る。

 

その頃、横須賀女子の会議室では、平賀艦隊が壊滅状態に追いやられていると言う報告を真霜が校長の真雪に伝える。

 

「平賀隊、あと一隻です!!」

 

「・・・学校艦に総員退艦命令を」

 

「承知しました」

 

「それから・・・」

 

真雪が秘書に何かを言おうとした瞬間、真雪の席にある電話がなる。

 

「横須賀女子校長の宗谷です」

 

「教官艦、播磨の秋津です」

 

「秋津さん・・・今、何処に?」

 

「現在、我々は晴風と共に武蔵の主砲射程圏外周辺を航行中です。尚も武蔵を捕捉、追尾しています」

 

「足止めに向かった平賀さんの部隊が壊滅状態との報告を受けました。播磨と晴風は直ちに現海域を離脱してください」

 

真雪は秋津に晴風と共に現海域を離脱するように指示した。

 

「宗谷校長・・・まだ、作戦は終わっていません」

 

「秋津さん、何を言って・・・」

 

「俺が考えた作戦があります。武蔵を止められるかもしれません」

 

秋津は、自分が立てた作戦を真雪に伝える。

 

「確かに、それなら武蔵を止められる可能性は大きいわね・・・」

 

「それから、晴風もこの作戦に参加したいと言っています」

 

「何ですって・・・!?」

 

「彼女達も覚悟の上で、自分の考えた作戦に参加したいと言っています・・・晴風は、俺が何がなんでも守ります。彼女達の参加を・・許可してもらえませんか?」

 

真雪は、一瞬考えた。

自分の学校の生徒を危険な目に合わせるわけにはいかない。たが、秋津の話し方からして晴風の生徒達の決意は固いと感じた。

 

「・・・分かりました。秋津さんが立てた作戦の実行と、晴風の作戦の参加を許可します」

 

「ありがとうございます。宗谷校長」

 

「秋津さん・・・晴風の子達を、宜しくお願いします」

 

「必ず、守ります!では・・・」

 

秋津は受話器を戻し艦内通話に切り替えて、格納庫の艦内電話に繋いだ。

 

「艦橋の秋津だ、武藤に変わってくれ」

 

「はっ・・・隊長、艦長が・・・」

 

特警隊員は、持っている受話器を武藤に渡す。

 

「変わりました。武藤です」

 

「今から俺が立てた作戦を実行する。武藤、お前と数名の隊員は、海鳥に乗れ。菅野にも発艦の準備をするように伝えろ」

 

「分かりました」

 

「もうひとつ、海鳥のドアガンの(ブローニング)M2重機関銃を68式自動擲弾銃に換えるんだ」

 

「何か考えがあるですね・・・」

 

「ああ、そうだ・・・」

 

「分かりました。換えときます」

 

「頼むぞ」

 

「では・・・」

 

武藤は、受話器を戻す。

 

「菅野!海鳥の発艦の準備をしろ!」

 

「おう!飛ばすのか!?」

 

「艦長の命令だ」

 

「わかった、直ぐに発艦準備する!」

 

菅野は直ぐに海鳥に乗り、エンジンを掛ける。

武藤は二人の隊員を選抜し、海鳥のドアガンにあるブローニングM2を外し、68式自動擲弾銃に交換、設置する。

 

68式自動擲弾銃は、日本国軍の兵器局が、豊和(とよかず)工業と共同開発した。自動擲弾発射器である。

アメリカ軍のMk.19自動擲弾銃をモデルにして、開発。

ベルト給弾方式でMk.19と同じ40ミリのグレネード弾を使用している。

性能は、Mk.19よりも命中精度が良いと言われており、1年後の1969年に量産が開始され、主に陸軍に支給されている。

播磨には、海鳥を搭載すると言う事で、2丁支給された。

 

格納庫のエレベーターが上がり、海鳥はいつでも発艦できるよう、発艦態勢を取る。

 

その頃、艦橋では・・・

 

「みくらより通信。艦橋に流します」

 

みくらからの通信が播磨艦橋に流れる。

 

「こちらが武蔵を引き付けます!その間に播磨と晴風は退避を、繰り返す・・・」

 

秋津は、再び艦内電話の受話器を取る。

 

「こちら、播磨艦長の秋津です」

 

「秋津さん?平賀です。播磨と晴風は退避を・・・」

 

「平賀さん、みくらは今すぐ退避してくれ」

 

「秋津さん、何を言って・・・」

 

「今から、俺が立てた作戦を実行する」

 

「えっ・・・?」

 

秋津は自分が立てた作戦の内容を平賀に説明した。

 

「そんな!危険です!!」

 

「平賀さん・・・もう、武蔵を止められるのは・・播磨しかいない・・・」

 

「ダメです!私の部隊でも止められなかったんですよ!」

 

平賀は必死に秋津を引き留めようとする。だが、秋津の意志は変わらなかった。

 

「平賀さん、後は俺達に任せてくれないか?」

 

「・・・秋津さん、もし貴方に何かあったら・・・」

 

平賀が必死に引き留めようとするのは、理由があった。

いくら武蔵より大きい超戦艦の播磨でも、武蔵を必ず止められると言う保証はない。

もし止められず播磨に被害が出たら、秋津を失うかもしれない・・・今度こそ失うかもしれないと言う思いが強いからである。

秋津がとんでもない無茶をする事は、恋人である平賀も分かっている。

だからこそ、必死に秋津を引き留めるのだ。

 

「平賀さん・・・俺は、必ず帰ってくる・・・!」

 

「・・・秋津さん・・・絶対ですよ、約束ですよ!」

 

「ああ・・・」

 

そう言って秋津はゆっくりと受話器を戻した。

 

「艦長、総員。覚悟は出来ています!」

 

砲雷長は、威勢良く乗員全員、覚悟は出来ていると伝える。

 

「艦長・・・皆、指示を待ってますよ」

 

「おやっさん・・・・よーし!これより武蔵を全力で止める!!」

 

『おう!!』

 

「ただし、これだけは忘れるな・・・!日本国海軍の時から言われている・・・必ず生きて帰ってこいと言う事を!!」

 

『はっ!!』

 

「総員、対水上戦闘用意!」

 

「総員!対水上戦闘よーい!!」

 

金城が秋津の指示を復唱する。

 

「晴風はどうだ?」

 

「ちゃんと、播磨にくっついて来ています」

 

「晴風には、砲弾一発も当てさせんぞ・・・!」

 

「ええ」

 

こうして、播磨と晴風による武蔵足止め及び救出作戦が始まった。

播磨と晴風は、武蔵に向けて航行して行く。

 

 

今ここに、大艦巨砲と超大艦巨砲との戦いが・・・始まろうとしていた!

 

 

 





誤字、脱字や変な所がありますが、ご容赦ください。

感想お待ちしています。

次回もお楽しみに!
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