ハイスクール・フリート マーメイドと海の男達 作:SNAKE金城
読者の皆さんありがとうございます。
今後とも自分の作品をよろしくお願いします!
それではどうぞ!
武蔵は、着々と浦賀水道に向け進んでいく。
フィリピン方面にいたブルーマーメイド主力部隊は全力で戻って来てはいるものの、どう考えても主力部隊が到着している頃には横須賀、横浜、東京などの主要都市は、武蔵の主砲によって火の海になっている。
ブルーマーメイドは、予備戦力として日本近海に配置し、武蔵に最も近い平賀部隊を向かわせた。
平賀部隊は全力で武蔵を攻撃するが、その攻撃は大和型戦艦が誇る強固な水中防御構造によって殆どが防がれた。
武蔵の副砲を2基破壊するも、武蔵の反撃により四隻の平賀部隊は、みくら一隻となり壊滅状態となった。
その様を見ていた秋津は、こうなることを予想していたのか、自分が立てた作戦を実行する許可を横須賀女子校長の真雪に要請し、作戦実行の許可を得る。
また、この作戦に晴風も参加している。
ブルーマーメイドが最後の砦としている播磨と「洋上の狂気」と呼ばれている男が、とうとう動き出した。
何故、秋津の立てた作戦に晴風が参加する事になったのか、話は遡ること平賀部隊が武蔵の反撃を受け壊滅状態になった時である。
明乃は、武蔵の攻撃が始まった途端に塞ぎ混んでしまい、それを見たましろは明乃を自分の部屋に連れていった。
ましろは明乃にどうかしたのかと聞かれると、明乃は今自分が思っている事をましろに打ち明けた。
どうしたらいいのか分からない、ブルーマーメイドと武蔵を助けたい、けれど自分のせいで晴風の皆を失うと思うと凄く怖い、と言う思いをさらけ出した。
それを聞いていたクラスメイト達は、明乃を励ます。
「艦長・・・本艦の行動方針は・・・け、けつ・・けつ・・・」
「けつけつ、いってんじゃねぇーー!!」
明乃とましろの話を廊下で聞いていた麻侖は、しびれをきらしたのかましろの部屋のドアを豪快に蹴り開け、入ってきた。
麻侖は、数分前からましろの部屋のドアの前に居た。
艦長である明乃の異変に気づいたのか、明乃が居るましろの部屋に急ぎ駆けつけて来たのだ。
突然。機関室を抜け出したのは、これが理由だった。
「違う!決断をと言いたいんだ・・・」
「決断なんて・・・出来ないよ!!だって、今まで助かってきたのだって、たまたまだし!秋津教官と播磨のお陰で!私のお陰じゃないよ!皆は私の大切な家族だから・・・皆を失ったらって思うと・・・怖いの・・・」
(岬さん・・・そりゃ怖いよな・・・仲間を失うのは・・・)
艦橋で明乃の話を聞いていた内田は、明乃に同情する。
内田自身も前の世界で多くの仲間を戦場で失った経験をしているからだ。
「そこまででぇい!!艦長艦橋に連れて行け」
「あ、はい」
麻侖は、二人の話を止め若狭に明乃を艦橋へ連れていくように言い、麻侖は今の話を聞いて動揺しているましろを機関室に連れて行った。
「これで艦橋には聞こえねぇよ」
麻侖は、さっきの明乃の話を聞いて動揺している、ましろと話をするため艦橋や他の場所に話を聞かれないよう、伝声管に布を詰めた。
「こんな時に何を・・・」
「まぁ飲め!」
と言って麻侖はましろにお茶を差し出す。
麻侖は一瞬黙ると、いきなり何処かの江戸っ子風に「カツオの刺身にマヨネーズは、うまい食い方」と訳の分からないことを言い出す。
麻侖が言いたいことを黒木が説明する。
麻侖と黒木は性格、趣味などは全然違えど、それが合わさってこそ独特な感じがでる・・・まさに、みんな違ってみんないい、とはこの事。
「艦長を助けられるのは、貴女しかいない」と黒木に言われたましろは、何かが吹っ切れたかの様にお礼を言うと慌てて機関室を出て行く。
「あっ、一件らくちゃ~く!」
「機関長殿、それがやりたかっただけですよね?」
広田は、歌舞伎風に言う麻侖にそれがやりたかっただけと言う。
確かに広田の言う通り、やりたかっただけかもしれない・・・
機関室を出たましろは、必死の表情で通路を走り抜け、艦橋に着く。
「艦長!」
「宗谷さん、やっと戻ってきたか」
ましろは全力で走っていた為か、息をきらしながら明乃の元へ歩み寄る。
「私は・・・貴女の・・・マヨネーズになる!!」
「・・・え?(戻って来たと思ったら、急に何を・・・)」
ましろの言葉に内田は、少々唖然とする。
ましろの言葉を聞いた麻侖は「よく言ったと」ガッツポーズ。黒木は麻侖が言った言葉をそのまま、言ってしまったことに苦笑いをしながら頭を抱える。
「マヨネーズ?・・・あのー、副長は何と言いたいので?」
「艦長の支えになりたい!艦長は今まで通り。決断して、行動して、運を引き寄せて、そのかわり他の事は私が・・・いや・・晴風の皆が何とかする!そう思っているのは、私だけじゃない!!」
「・・・ハハハ、そう言うことか」
内田は、ましろが何を伝えたかったのか理解した。
それを聞いた晴風の皆はより一層士気が高まり、同時に武蔵を救いたいと言う思いが強くなる。
内田は明乃の肩に手を置くと、優しく声をかける。
「岬さん、やろうじゃないか」
「内田さん・・・」
「艦には岬さん、君ひとりだけじゃない。皆が居るじゃないか、確かに皆を失うことは凄く怖い事かもしれない。だけど艦長を任せられている以上、そう言う事がいつか起きる」
「・・・」
「また、今までの災難だって確かにうちの播磨の助けもあったかもしれない。だけど晴風の力もあったからこそ乗り越えられた事もあったじゃないか?・・・岬さん、助けたいんだろう?武蔵を・・・知名さんを」
「内田さん・・・皆・・・」
すると五十六が艦長帽を被って明乃の元に来た。
「五十六・・・ありがとう・・・これより、播磨と共同で武蔵の救出に向かう!」
明乃は、五十六が被っていた艦長帽を取り、決意の表情で被る。
こうして、晴風皆の後押しと内田の助言もあり明乃は武蔵を救出することを決意し、晴風も秋津が立てた救出作戦に参加することとなった。
「うん?・・・っ!?武蔵より発光信号!艦橋から発信しています!!」
播磨の防空指揮所にいた見張りから武蔵からの発光信号を受信と報告が艦橋に来る。
「発光信号?感染していない生徒がいるのか?」
「信号読み上げます・・・貴艦ハ、ソ、ノ、マ、マ。本艦、ト、ノ、距離、ヲ、ア、ケ、ラ、レ、タ、シ・・・
接近、ハ、危険。主砲弾、イ、マ、ダ、豊富。武蔵艦長、チ、ナ、モ、エ、カ」
信号の内容を聞いた艦橋に居る全員に衝撃が走った。
今まで、救出した学生艦の多くは生徒全員ウィルスに感染していたが、武蔵は艦長以下数名が無事である。
それを聞いた秋津は少し笑みを浮かべた。
「知名もえか?武蔵艦長は無事なのか!?」
「だったら、なおさら救出しに行かないと。なぁ、おやっさん」
「ええ、海鳥の発艦準備は?」
「いつでも、いいそうです!」
その頃、播磨後部甲板では海鳥がいつでも飛べる態勢で待機していた。
「発艦命令はまだか?」
「まだ来ていません」
すると艦橋から海鳥に通信が入る。
〈海鳥、発艦準備は?〉
「発艦準備完了!いつでも飛べますよ」
〈よし、海鳥、発艦始め!〉
「海鳥発艦します!」
発艦命令が出され、菅野は海鳥のエンジンを全開にして勢いよく上昇し、武蔵に向かった。
「オートジャイロに乗るなんて、久しぶりだ」
「なんだ武藤?ビビってるのか?」
「んなわけあるか、むしろ血が騒ぐ」
「そう言えばお前は、戦闘になると血が騒ぐタイプだったな」
「お前はいつもだろ」
そんな会話をしている間に海鳥は武蔵の後方付近上空に到達した。
海鳥は武蔵の後方付近に到達すると、武蔵と一定の距離を保ちつつ低空飛行を始める。
海鳥が武蔵の後方付近で低空飛行を始めた所を播磨艦橋の見張りが確認し、秋津に報告する。
「海鳥の低空飛行を確認!」
「よし!副砲一番、二番。一番は電探、二番は測距儀を狙え!!」
秋津の立てた作戦はこうである。
まず、海鳥を先に発進させ武蔵の後方付近に到達したら一定の距離を保ちつつ低空飛行。その間に播磨の兵装の中でも比較的威力が低い副砲で武蔵の電探と測距儀を破壊。
この二つを破壊したら、次に海鳥の武装にある4つのロケット弾ポッドの内の2つのポッドのロケット弾で、まず高角砲と機銃を破壊。高角砲と機銃は無人の為、遠慮なく破壊できる。
破壊しきれなかった高角砲と機銃は、ドアガンの擲弾銃で破壊し、全ての高角砲、機銃を破壊したら海鳥の残り2ポッドのロケット弾を武蔵の煙突に全て撃ち込み破壊する。
煙突を破壊すれば、開口部がある程度塞がれ排煙が逆流し、機関室にも到達する筈。
そうすれば、さすがの感染者でも身の危険を感じ機関室にとどまる事はない。
そうなれば武蔵の足を鈍らせる事は出来る。
武蔵の煙突と高角砲、機銃の破壊は横須賀女子校長、真雪の許可を得ている為、遠慮なく破壊できるのだ。
「武蔵に電探、測距儀を破壊することを伝えろ!」
「了解!」
秋津の指示で武蔵に向け発光信号で電探と測距儀を破壊することを伝えた。
「艦長、播磨から発光信号です」
「播磨は、何と?」
「・・・今から、電探と測距儀を・・・破壊する!?」
「は、破壊!?」
「艦橋に居る乗員は衝撃に備えよ。とのことです!!」
「っ!?総員、衝撃に備えて!!」
もえかの指示で角田、小林、吉田は掴まえられる所に掴まり、床に伏せる。
「副砲一番、二番!目標を捕捉!自動捕捉よし!」
播磨の射撃指揮所から目標を捕捉したと報告が艦橋に入る。
「全副砲、一斉射!撃ち方始め!!」
「撃ぇー!!」
播磨の副砲一番、二番から武蔵の電探と測距儀に向け砲弾が放たれる。
放たれ砲弾は見事に武蔵の電探と測距儀を破壊した。
武蔵の艦橋内では衝撃と轟音が鳴り響く。
「本当に電探と測距儀だけを破壊するなんて」
もえかと三名は、予告通りに電探と測距儀だけを破壊した事に驚愕し、何よりそれを正確に当てた事に驚愕した。
これにより武蔵の射撃性能と命中精度が大幅に落ち、正確に播磨と晴風に攻撃することが出来なくなった。
播磨は、武蔵の電探、測距儀の破壊を確認すると急ぎ武蔵の射程外まで晴風と共に退避した。
電探と測距儀の破壊を確認した海鳥は低空飛行をやめて、武蔵の右舷に移動した。
「ロケット弾、発射用意!」
「ロケット弾、発射準備よろし!!」
「撃ぇー!」
海鳥の2つのロケット弾ポッドからロケット弾数十発が武蔵の高角砲と機銃に向け放たれる。
数十発のロケット弾は武蔵の高角砲と機銃をどんどん破壊する。
「何、あの空を飛んでいる物体?人が乗っているの!?」
武蔵の艦橋に居るもえか達は、始めてみるヘリコプターに驚く。
「残りは、武藤任せたぞ!」
「おう!!」
ロケット弾で破壊しきれなかった高角砲、機銃をドアガンに固定してある擲弾銃で武藤と特警隊員が破壊していく。
「よし、全て破壊したぞ菅野!残りのロケット弾を煙突に全てぶちこんでやれ!!」
「言われなくても分かってるよ!」
高角砲、機銃を全て破壊した為、機銃弾などを浴びずに余裕を持って煙突を破壊できる。
「ロケット弾、撃ぇー!!」
残りのロケット弾全てが武蔵の煙突めがけて放たれる。
ロケット弾は見事に全て武蔵の煙突に命中し、煙突はロケット弾の爆煙に包まれる。
「どうだ?やったか!?」
「大和型特有の煙突の蜂の巣装甲、ロケット弾の威力で破壊できましたかね?」
「爆煙が晴れるまで何ともいえねぇぞ、バカヤロウ」
副操縦士が破壊できたかどうか心配する。何故なら大和型の煙突には蜂の巣装甲と言われる頑丈な作りの装甲が施されている。
武蔵の煙突を包んでいた爆煙が徐々に晴れ始める。
「どうだ、菅野?」
「・・・破壊・・・できてねぇ!!」
武蔵の煙突の破壊はこの時点で失敗した、破壊出来たのは煙突の上の部分のみだった。
「クソ!蜂の巣装甲は伊達じゃねぇか!」
「しかも蜂の巣装甲には、殆ど傷がついてない。自分らの世界の武蔵よりも装甲が厚いようです」
「そんなことどうでもいい!この世界の武蔵を舐めきっていたな・・・こちら、菅野。煙突破壊は失敗!退却する!!」
武蔵の煙突破壊の失敗の報告が艦橋に伝えられる。
「海鳥の武装でも破壊はダメか・・・海鳥は無事か?」
「既に帰艦して格納庫に」
「艦長、どうしますか?」
金城は、これからどうするのか秋津に尋ねる。
「まだ、手段はあるぞ・・・」
「え?」
「・・・接近接舷して、武蔵に乗り込む」
「艦長、それは・・・」
「分かってるよおやっさん、播磨乗員全員を危険に晒すことになる・・・だが、今はそれしか方法がない・・・このまま武蔵を行かせてしまえば、浦賀水道周辺の地域の人々が多く傷つけられてしまう・・・」
秋津は、一番したくなかった接近接舷をやるしかないと思った。
だが、それは乗員を危険に晒すことになり、死者が出るかもしれない。
秋津は複雑な思いを隠しきれなかった、すると砲雷長が姿勢よく秋津の方を向き威勢良く。
「艦長!我々、播磨乗員全員!覚悟は出来ています!!」
「艦長、こちら武藤!突入隊全員、いつでも行けますよ!」
「艦長!」
播磨の各部署から続々と「覚悟は出来ている」との声が上がる。
「艦長・・・私も覚悟は出来ています」
「おやっさん・・・皆・・・」
秋津は金城の言葉で決心がつき、そして決断する。
「通信長、横須賀女子に繋いでくれ」
「了解!」
その頃、浦賀水道周辺の地域では、ウィルス感染した武蔵が接近している為、緊急避難警報が発令されていた。
「二番艦、三番艦、四番艦、航行不能!一番艦、発揮可能速度6ノット!」
「このままでは、後20分で武蔵が浦賀水道に侵入する・・・!播磨でも止められなかったと言うのに・・・どうしたら・・・!」
作戦指令本部は、焦り出した。
播磨でも止められなかった武蔵をどうやって止めるのかと・・・武蔵が浦賀水道に侵入するまで後20分と迫っていた。
播磨による武蔵足止め失敗の報告は横須賀女子にも入っていた。
「播磨でも止められないとは・・・」
「・・・学校艦に総員退艦命令を」
「承知しました」
真雪は一度やめた学校艦の総員退艦命令を発動するよう秘書に指示する。
「それから、国土保全委員会にホットラインを繋いでください」
その頃、国土保全委員会でも播磨による武蔵足止め失敗の報告が入り、今後の対応に追われていた。
「避難状況は?」
「東京湾内全域に緊急避難警報を発令しました。しかし・・・間に合うかどうか・・・」
「最後の砦としていた播磨でさえも止められないとは・・・」
すると、国土保全委員会に横須賀女子からのホットラインが入る。
「横須賀女子海洋学校からホットラインです」
「何?」
「校長の宗谷真雪です。報告します。海上保安法第12条に基づき、横須賀女子海洋学校に緊急事態を宣言します」
真雪の言葉を聞いた国土保全委員会の幹部達はどよめく。
「なん・・だと・・・」
「私はこれから艦橋に上がりますので失礼します」
横須賀女子とのホットラインが切れる。
真雪は、海上保安法第12条に基づいて、校舎がある人工島を巨大戦艦として動かす事を伝えた。
横須賀女子海洋学校の校舎がある人工島は、推進機関を有するメガフロート建造物である。
非常事態には海上保安法第12条に基づき、校長である真雪の指揮で巨大な戦艦として運用出来るのだ。
そして、今まさに横須賀女子の校舎が巨大戦艦として動き出そうとしている。
「もう、委ねるしかないのか・・・来島の巴御前に・・・」
国土保全委員会の幹部の一人が呟いた。
「何ですかそれ・・・?」
「15年前、領海内で荒らしまわっていた武装船団を、単艦で殲滅したのが・・・あの校長だ」
「「洋上の狂気」に「来島の巴御前」・・・国家の存亡は二人に委ねるしかない・・・」
真雪は国土保全委員会とのホットラインを終え、直ぐに艦橋へ上がり人工島を戦艦として動かす準備をしていた。
〈繰り返します。全員、直ちに退艦してください〉
総員退艦命令の放送が横須賀女子の校舎中に響く。
「校長、播磨から通信です」
教頭から播磨より通信が入ったと連絡が入る。
また、この通信はブルーマーメイド作戦指令本部とも繋がっている。
「教官艦、播磨艦長の秋津です。武蔵への再度の作戦行動の許可を願います。播磨乗員全員の同意は得ております。まだ、止める術はあります!宗谷校長、やらせてください!!」
「・・・分かりました。武蔵への作戦行動を横須賀女子海洋学校校長、宗谷真雪が許可します」
真雪は、一瞬迷った。だが、今ウィルス感染した武蔵を止められるのは播磨と「洋上の狂気」と前世界で恐れられていた秋津に頼るしかない。
特別とは言え、今の秋津と播磨乗員全員は横須賀女子海洋学校の教員、これ以上危険な目に会わせたくなかったが、前世界で海軍人であり数々の戦闘を経験してきた彼らに、真雪は国家の運命を託し、武蔵への再度の作戦行動を許可したのだ。
「ただし攻撃は一回だけ、地上側でも武蔵への対応は準備しています。反復攻撃の必要はありません。5分・・・いえ、3分時間を稼いでくれればそれで十分です」
「宗谷校長、感謝します」
「待ってください宗谷校長!武蔵は既にブルーマーメイド艦隊の三隻を航行不能にしています。先程の作戦も失敗しています!播磨でも止められなかったんてすよ!!」
真霜は必死に抗議するが・・・
「宗谷監督官、確かに失敗しましたが・・・播磨は健在です。武蔵が浦賀水道に到達するのも時間の問題。今我々だけが武蔵を止められます!」
「だけど・・・」
「それに、武蔵艦長と乗員数名が艦橋に立て籠っています」
「武蔵艦長と連絡がとれるの!?」
真霜は、武蔵に生存者が居ることに驚く。
「無線は通じませんが、発光信号でなら通信は可能です」
「秋津艦長、武蔵への接近及び作戦行動を了承します・・・秋津さん、頼むわね」
「感謝します」
真霜は播磨が健在である事と武蔵艦長他、乗員数名が生存していることを知った上で作戦行動を許可した。
「また・・・晴風の作戦への参加も許可します」
真雪は晴風の作戦行動も許可すると言ってきた。
「・・・いいんですか?」
「彼女達も参加したいと言ってるのでは?」
「ええ・・・分かりました。彼女達に伝えます。晴風の生徒達は責任を持って守ります。では・・・」
秋津は艦内電話の受話器をゆっくりと戻す。
「艦長、指示を!」
「うん、機関最大戦速!全速前進!目標武蔵、30度ヨーソロー!!」
「全速前進!、30度ヨーソロー!!」
航海長が秋津の指示を復唱する。
「全速前進、30度ヨーソロー!!」
播磨操舵手は航海長の伝声管からの指示を復唱し舵を回す。
播磨の機関は、今までにない位うなり、轟音を上げ速力を増していく。
(待ってろよ・・・今、助けに行くからな!)
秋津は心の中で呟き、武蔵を睨むようにジット見つめる。
(もかちゃん、待ってて・・・今助けに行くから!!)
一番の親友を助けにいく明乃も同じく武蔵を見つめていた。
播磨と晴風、そして武蔵・・・
国家の運命を左右する最終決戦が今・・・始まろうとしていた!!
原作アニメとは、少し異なった内容になっています。
誤字、脱字など変な所がありますが、ご容赦ください。
感想お待ちしています!
次回もお楽しみに!!