ガールズ&パンツァー~地を駆ける歩兵達~ 作:UNIMITES
かなり間が空いてしまって申し訳ありません。
しばらく忙しくて執筆する暇がありませんでした。
これからまた投稿していきます。
敵戦車を誘い込み、市街戦に持ち込んだ大洗連合。しかし、黒森峰の用意していた超重戦車マウスによる反撃を受けることとなった。
「……っ!」
凛祢は目に前に現れたマウスとその攻撃に言葉が出なかった。
マウスの砲撃は一撃でⅢ突のひっくり返し、ルノーを横転させるほどだった。シラサギさんチームもすでに敵歩兵によって戦死せられてしまった。
「我らの」
「歴史に」
「今、幕が」
「降りた」
エルヴィンに続いてカバさんチームの乗員が言葉を続ける。
「離してくれ!カバさんチームがやられてしまったのにこのまま黙っていられないよ!」
「落ち着けってアーサー!」
「そうだよ。ここで突っ走ったところで撃沈することは目に見えているだろう?」
暴れるアーサーを必死に止める姿を横目に凛祢もその表情を歪ませる。
「何よ!何がマウスよ!あんな図体して!」
「いたたた……僕たちもやられちゃいましたー」
「残念ですー」「無念ですー」
カモさんチームと青葉の声も通信機越しに耳に届く。
「冷泉さん、東藤くん!後は頼んだわよ!約束は守るから!」
「おー!」「当たり前だ!……そうでなきゃ進級が危ういんだからよ」
戦況は大洗連合には苦しい状況になりつつあった。
歩兵隊はシラサギさん分隊と日向アインの4人が戦闘不能。戦車もⅢ突とルノーが走行不能となった。
「2輌撃破しました!」
「あと7輌……」
「やはり、戦力差は歴然だな」
聖羅は思わず呟く。
「案外、マウス1輌で勝負が決まっちまうかもな」
「まだわからない……と言ってもⅢ突を撃破できたなら攻撃力は相当低下しただろうね」
「でも、フラッグ戦なら何が起こるかわかりません」
すでに勝ったと思い込んでいるビスマルクに龍司と聖菜が進言する。
「こちらは16輌か……悠希、龍司!いけるか!?」
「いつでもいける……」
「いけるよ!」
「よし!一気に攻めるぞ!」
聖羅は声を上げると、黒森峰連合は一気に移動速度を上げた。
試合が動き出した状況にオレンジペコは表情を曇らせる。
「さすがはマウス、大洗連合はここが正念場ですね」
「正念場を乗り切るのは勇猛さではないわ。冷静な計算の上に立った、捨て身の精神よ」
「それなら問題ないだろ。アルフレッドも、あの葛城とか言う男だってここまで勝ち上がってきてんだ!」
「そうですね、モルドレッドくん」
そう言うとオレンジペコは再び試合へと視線を向ける。
後退し、市街地内の建物に身を隠しつつ砲撃するがマウスの装甲を貫通することはできずにいた。
「くっ……!」
マウスは砲撃を受けた後にゆっくりと砲を調整する。
「身を隠せ!」
建物を盾にするがマウスの一撃は簡単に建物を木っ端みじんにしてしまう。
「あー!もう、あんなの反則だろ!」
「ルールは破ってないんですよ」
「葛城何とかしろー!」
雄二が後退しながら声を上げていた。
あの戦車は確かに強力だ。
だが、ルールで縛られていない以上、撃破する手段はあるはずなんだ。
それに去年のプラウダも半分の戦力を費やしたとはいえあのマウスを撃破している。
「戦術的退却!」
「おい、何か方法ないのかよ!?」
「とにかく、今はこうするしか……」
再び市街地を移動し、身を隠す大洗連合の戦車たち。
マウスもその後をゆっくりと追って行く。
「何してるんだ!叩き潰せ!相手は図体だけがでかい薄ノロだぞ」
「そんなこと言われても、あんなのどうやって撃破するのよ!?」
「華蓮、とにかく撃って!風香も装填急いで!」
「アイアイサー」
砲撃を続けるが状況が変わることはない。
「砲身を狙ってください!」
みほも必死に指示を出す。
「くっそー!歩兵の武器じゃあんなん倒せねーぞ、おい!」
「雄二先輩、ヤマケン!グレネードをマウスの後方まで飛ばせるか?」
「可能ですよー」
「撃ってくれ!」
「了解!」
「どうなっても知らんぞ!」
ヤマケンと雄二はダネル‐MGLの銃口を斜め45度で空へ向けると引き金を連続で引いた。
撃ちだされた榴弾は次々に弧を描き空を舞う。
「ほらほら、貴様らにマウスの装甲が抜けるか!はっはっはっはっはっはっは!」
「ふっふっふ、大洗ではこちらまで届く武器はあるまい!」
パンター車内にいた黒森峰の生徒が声を上げる。
その時、2人の放った榴弾がマウスの上空を越えてパンターと黒森峰の歩兵部隊に降り注ぐ。
「なにー!?」
「くそー!」
次々に榴弾が誘爆し、歩兵隊を次々に戦死させる。
パンターも不意打ちを受け、右に車体を逸らした。
マウスを盾にしていたパンターの車体が射線上に入る。
その瞬間を狙っていたかのようにⅣ号が砲撃するとパンターに命中し白旗が上がった。
すぐに大洗連合が移動を開始する。
「よし、あとはマウスと敵歩兵が6人か……」
「市街戦で決着付けるには、やっぱりマウスと戦うしかない……ぐずぐずしてると主力が追いついちゃう」
「でも、どうするの西住さん?」
そんな中、英子が通信機越しに問い掛ける。
不知火もやれやれと首を振る。
「そもそもマウスとか言う前も後ろも装甲抜けない戦車を、俺たちみたいな新人集団相手に使うって時点で本気なんだろうな」
「まあ、勝つためならしょうがないでしょうね」
「宗司も不知火も納得すんな!」
雄二がイラ立った声を上げる。
「いくら何でもデカすぎ!これじゃあ、戦車が乗っかりそうな戦車だよ!」
「「……!」」
データノートとにらめっこしていた沙織の言葉で凛祢とみほは気が付いたように顔を上げた。
「ありがとう沙織さん!」
「少々危険だが、やるか……!」
「カメさん、アヒルさん。少し危ないですが指示通りに行動してください」
すぐにみほが指示を出す。
「了解しました!」
「何でもするよ!」
「少々負担が大きくなるかもしれません」
「今更なんだ!早く言え!」
凛祢も通信機に手を当て、羽織っていた防弾加工外套を八尋に渡す。
通話を終えると、ブローニングハイパワーを引き抜く。
数分後、マウスが十字路に到着した。
数十メートル先には大洗連合の姿がある。
「どっちにしても敵歩兵だって減らす必要があるんだ。やるしかないだろ」
英治と翼は道路で狙撃銃を構える。
するとヘッツァーが全速力でマウスへと突撃していく。
「まさか、こんな作戦とは」
「やるしかないよ。桃ちゃん」
弱気な桃に対して柚子は覚悟決め、アクセルを踏む。
マウスが1発放つが、大洗連合は何とか砲撃を回避した。
「燃えるねぇ」
杏はいつもと同様に笑みを浮かべ、この状況を楽しんでいるようだった。
宗司と雄二が援護の為に、ヘッツァーの後を追う。
お互いにスピードを緩めることなく、前進したことでヘッツァーとマウスが正面衝突した。
「な!」
「うお!」
観客席に驚きの声が走った。
ヘッツァーは斜面が多く、背の低い戦車であるため、マウスの履帯の下へと車体が入り込むことに成功していた。
「よっしゃ!」
瞬時に敵歩兵がヘッツァーを潰そうとするが、英治の狙撃と近づいていた雄二の放った榴弾に阻まれていた。
続けてポルシェティーガーとM3、キャバリエが横に回り込み砲撃する。
しかし、まるでマウスには効いていない。
すると砲塔をそちらに向けるマウス。
「よし、予測通り!」
大洗連合にとってその動きは予想通りの行動だった。
隙をついて、八九式がマウスの車体に滑り込み乗っかった。
砲塔が回らないように車体を使って固定する。
「なんとか踏みとどまってください」
みほが声を掛け、Ⅳ号は前進する。
「ぎゃー!」
「車内ってカーボンコーティングで守られてるんじゃないの?」
「マウスは例外なのかもね」
カメさんチームのそんな声を聞いて
「おいおいヘッツァーは大丈夫なのか!?」
「雄二!危ないから頭下げて!」
雄二と宗司の声が声を上げる。
「西住!早くしろヘッツァー持たないぞ!」
英治も思わず通信機越しに急かす。
「……撃て!」
みほの命令で、Ⅳ号が発砲する。
轟音の後、黒煙の中から現れたマウスからは白旗が上がっていた。
すぐに観客席で歓声が上がる。
「マウスを仕留めました!」
「私たちも今度やろうかしら!」
オレンジペコとダージリンは驚きを隠せなかった。
あんな倒し方を見たのは初めてだったからだ。
「あんなやり方があるなんてな」
「やっぱ面白いな、大洗連合!」
ケンスロットとガノスタンも感心したように頷く。
「よっしゃ!」
「やりましたね!」
雄二と宗司のキューベルワーゲンも旋回してⅣ号の元に向かおうとした時だった。
「ぐっ!このままで終われるか……」
かろうじて生存していた敵歩兵がパンツァーファウストを構える。
「あれは!」
いち早くその存在に気づいた凜祢は英治に通信を送る。
「ちっ!」
英治がすぐに引き金を引いた。
銃弾は命中し敵歩兵は戦死するが、そのロケット弾は宗司と雄二の搭乗するキューベルワーゲンに直撃し、誘爆する。
「なっ!」
「先輩!」
不知火と凜祢が声を上げ、キューベルワーゲンに駆け寄る。
しかし、二人はすでに戦死判定を受けていた。
「うう、やられてしまいました」
「くそが……」
二人もなんとか声を絞り出す。
英治も少し遅れて駆け寄る。
「すまない、俺がもっと早く気づいていれば……!」
「会長のせいじゃないですよ。葛城、後は任せる」
「お願いします。葛城君、英治、不知火」
宗司と雄二はそう言い残した。
「凜祢、敵が近づいてきてるぞ!あと3分で到着だってよ!」
敵はマウスを撃破されたことに気づいているだろう。
3分と言っても、すぐに追いついてくるはずだ。
「次の行動に移ってください!」
「はい!」「ほーい」
みほの指示で続々と動き出す大洗連合。
「凜祢さん……あの」
「分かってる。もう油断しない、最後の瞬間まで」
凛祢は再び、戦う覚悟を決める。
「英治、行くぞ」
「わかった……」
不知火と共に英治はキャバリエに掴まる。
そして大洗連合が再び走行し始めると、ヘッツァーの様子がおかしかった。
数メートル進み、停止した後黒煙を上げたのだ。
すぐに白旗が上がる。
どうやら無理な戦術が堪えた様だ。
「あ!」
「あっちも限界か」
凛祢は俯いて呟いた。
「西住隊長、葛城隊長。あとは任せたぞ!」
「はい!」
「やり遂げて見せます」
二人はそう答えると、道の先を見つめていた。
「こっちは5輌です。相手はまだ14輌。ですがフラッグ車はどちらも1輌です!」
「敵の狙いは俺とみほ達あんこうチームだ。みんなはできる限り敵の戦力を分散するんだ」
みほと大河が通信を送る。
「みんな、敵を挑発するよ!」
「最後の瞬間まで敵を足止めするぞ!」
「はい!」
アヒルさん、オオワシ分隊が続く。
「あんこうは敵フラッグとの一対一の機会をうかがいます。レオポンチームの協力が不可欠です!」
「心得た」
「そういうの燃えるよね!」
ナカジマとヤガミが笑みを浮かべて返答する。
「後続はウサギさんチームの任せます!」
「はい。任せてください!」
「結局相手はヤークトティーガーとかかよ、でも強ければ強いほど燃える!」
ウサギさんとヤマネコもやる気十分と言わんばかりの声を上げている。
「照月さん!オオカミチームは敵翻弄して、各個撃破してください。ただ無理はしないように」
「任せなさい!杏たちの分までやってやるんだから」
「英治、俺たちも頑張ろうぜ」
「うん」
オオカミチームと英治も返答して前に出る。
「「これより最後の作戦ふらふら作戦を決行します」」
二人の指示で再び、作戦が決行される。
路地を抜け、Ⅳ号、ポルシェティーガー、キャバリエ、八九式の後を黒森峰連合は追いかけていた。
黒森峰の後方からM3もその後を追う形で。
「思い切った作戦だな」
「これでいいんだよアーサー」
シャーロックがパイプ煙草を銜えてそう言った。
歩兵たちは戦車の護衛ではなく、市街地での遭遇戦をしていた。
市街地を曲がりながら進む大洗の4輌。後方でうろうろする八九式に阻まれ黒森峰は発砲できずにいた。
するとⅣ号とキャバリエが右に曲がるがポルシェティーガーと八九式がまっすぐ進んだことで、敵戦車が分散し始める。
次々に路地を曲がりながら、敵戦車を分散させていく。
すると路地を利用して後方に回ったいたM3がエレファントの撃破に成功する。
「やった!」
「さきちゃんすごい!」
ウサギさんチームが声を上げる。
「こちらエレファント撃破されました!」
「何やってんのよ!」
エリカも通信に思わず怒鳴っていた。
「悠希と第二分隊動けるか?」
「いつでもいけるよ」
「いけ、悠希!ビスマルク、」
聖羅のその言葉で、悠希の搭乗していたキューベルワーゲンが急に隊を外れて行く。
一方、八九式はティーガーⅡと2両のパンターを相手にしていた。
その小回りのきく機動性でなんとか敵を翻弄する八九式、歩兵隊も市街地で遭遇戦を行っていた。
「おいおい、敵の射撃止まねーぞ」
「だが、敵砲兵はもうほとんどいないみたいだし、射撃戦なら何とかなるかもしれない」
オオワシ分隊も住宅に身を隠しながらなんとか戦闘を行っていた。
ヤマネコ分隊も別地点で戦闘を行っている。
「あ、弾切れた。だれか予備弾倉!」
「はいよ!」
「ぐうう、敵の射撃が止まないな――」
亮がそう言いかけた時だった投げ込まれた手榴弾が地面を転がる。
「みんな避けろ!」
その言葉で全員が爆発範囲外に逃れるために走り出す。
「え?がはっ!」
その時だった。腹部に鈍い痛みが走る。亮は何が起きたのか分からなかった。
しかし、一瞬自分の腹部に金属棒のようなものが叩きつけられていたのを確認する。
次の瞬間には数メートル吹っ飛ばされ、気を失ってしまう。
「亮!なんだよあいつ!?」
「とにかく撃て!」
アキラや礼が発砲するが敵歩兵は手に持っていた金属剣の様な武器を前で構えて銃弾を防ぐ。
「うそーん!」
「化け物かよ!」
「じゃま……」
弾切れを起こした隙をつかれたアキラと礼も、その金属武器を叩きつけられ戦死判定を受けた。
気が付けばヤマネコ分隊は全滅していた。
その時間に、10分と掛からなかった。
「すげーな」
「さすが超兵と呼ばれるだけあるな、星宮悠希」
黒森峰の歩兵がその男の名を口にする。
そう、この6人を瞬く間に戦死させたのは星宮悠希なのである。
「聖羅、一分隊潰したよ」
「よし、次は、T67地点だ」
「了解。いくよ」
彼はその手に持つ近接用金属武器『鋼鉄剣鎚ソードメイス』を肩に担ぐ。
「はい」
悠希を含む第二分隊は再びキューベルワーゲンで移動を開始する。
その頃、Ⅳ号の車内には通信が入っていた。
「すみませんウサギチームやられました!」
「すみません。こちらヤマネコ分隊全滅しました」
時を同じくしてヤークトティーガーと相討ちになったウサギさんチームも通信を送る。
「まじかよ」
「……」
Ⅳ号の隣でジープを運転していた俊也は何も言わなかったものの八尋と凛祢は表情を曇らせる。
通信機越しに効いていた辰巳も苦痛の表情を浮かべる。
「くそヤマネコがやられたか!銃は弾切れだし」
「よし、なんとかこの地点は確保した!でもあいにく、メインは弾切れだぞ」
迅がそう呟く。
「こっちもですって、なんか来た!」
ロケット弾が接近してきたことに気づく淳。
「避けろ!」
一瞬速く動いた辰巳は何とか生存していたものの、他のオオワシ分隊からはアラームが鳴り響いていた。
そして、辰巳の前に現れるビスマルクの姿があった。
ビスマルクは弾切れのパンツァーシュレックを投げ捨てる。
「残りは、お前だけだな。まあ援軍は向かっているようだがな」
「マジかよ……」
辰巳は目の前に立つビスマルクのその筋肉質な見た目に圧倒されながらも、腰のホルスターからナイフと桑原軽便拳銃を引き抜く。
時を同じくして、オオカミチームのキャバリエもパンターを相手に奮闘していた。
次の瞬間、住宅を抜けてすぐに陣取っていたキャバリエがパンターを撃破する。
「よし、一輌撃破!」
「やったね!」
花蓮と風香がハイタッチをして喜ぶ。
「セレナ!」
英子の声で再び、車体が揺れる。
「もうまたですか?何輌倒せばいいんだよ!?」
「全部倒せばいいんだよ」
「お、ナイスツッコミだね不知火君!」
風香は相変わらずのノリであった。
「あの車両なかなかやりますね。聖菜さん追いつけますか?」
「行けますよ小梅先輩!」
「わかりました、ここでキャバリエを倒します!」
車長である小梅は手を強く握る。
「やっぱりあっちのほうが早いわね」
「ここで対決するわよ」
「「了解」」
キャバリエも市街地をジグザクに走行しながら発砲する。
お互いの砲撃が炸裂する中で不知火に通信が入った。
「不知火殿、今どこですか?」
「塁ちゃんか!?海の近くだよ!」
「そのままM54地点に誘い込んでください。ヒートアックスの罠を仕掛けてあります」
「了解した、つーわけだ照月さん」
「わかったわ」
キャバリエも塁たちのいる地点へと向かう。
数分ほどで、キャバリエが向かってくる。
「よし、このまま」
塁がリモコンを握りしめた時、リモコンが銃弾で撃ち抜かれた。
「え?な、なんで!?」
「どうした塁?」
塁は何が起きたのか分からなかった。
共に行動していた翼が問い掛ける。
「リモコンが!これじゃあ起爆できません!」
地面に転がるリモコンの残骸は破損してボロボロになってしまっていた。
「なんだと!?どうすんだよ!?」
翼も声を上げる。
「龍司、M53地点に歩兵が2人いる。行け」
「了解です」
海沿いのホテルの屋上で狙撃していたグラーフはスコープを覗いて通信を送る。
「塁作戦は失敗だ。はやくこの場所を離れるぞ」
「で、でも!」
「仕方ないだろ、早くしないと――」
翼がそう言った時、2人の前に黒森峰のキューベルワーゲンが現れる。
「くそ!」
二人はとにかく住宅街の方へと駆けていく。
敵は4名。さらに言えば先ほど狙撃してきた相手を考慮すれば5名だ。
数的にも塁たちが不利だった。
「戦いましょう」
「相手は4人だぞ」
「元々僕たちの目的は敵を分断することです!」
「わかった、やるぞ塁!」
翼と塁も戦う覚悟を決める。
「見つけました」
龍司と第三分隊は銃を手に二人の前に立つのだった。
そして、Ⅳ号と凛祢たちはティーガーに追いかけられながらも校舎へと向かっていた。
読んで頂きありがとうございます。
戦車戦、歩兵戦共に激戦が続く黒森峰戦。
凜祢たちは勝利できるのか?
次回で多分黒森峰戦の最終回になると思います(多分)。
しばらく時間が空いてしまいましたが少しずつ上げていきます。