第1話
2043年7月18日。ある男がベットの上で仰向けに寝転がりヘルメットを装着し、あるゲームのスイッチを入れた。
「ようこそいらっしゃいましたー」
その男は気がつくと自室ではない空間――木造洋館の書斎を思わせる部屋に居た一匹の猫に話しかけられた
「お邪魔します」
「あれ?驚かないんだね、来た人はほとんど僕が話しかけたらびっくりするのに」
「もう先にしている友人が少しだけ教えてくれてね」
「なるほどね。じゃあ知ってるかもしれないけど僕は管理AI十三号のチェシャ。よろしくねー」
「よろしく」
「はーい、じゃあまずは描画選択ねー。サンプル映像が切り替わるからどれが良いか選んでねー」
「現実のままで」
「オッケー。じゃあ次はプレイヤー・ネームを設定してもらうねー。ゲームの中の名前は何にする―?」
「アルスト・コジャーソで」
アルストはあるアニメに出てくるキャラの名前の一部を使った名前にした
「じゃあ次は容姿ね」
そう言うと、マネキンと沢山の画面が現れた
「現実の姿にして貰って良い?」
「いいよー」
アルストは友人に聞いたようにまずはマネキンを自分そっくりにし髪型や目の色等細かい所を変えて終わらせた後エンブリオの説明も聞いた。
エンブリオは大まかに言うと
プレイヤーが装備する武器や防具、道具型のTYPE:アームズ
プレイヤーを護衛するモンスター型のTYPE:ガードナー
プレイヤーが搭乗する乗り物型のTYPE:チャリオッツ
プレイヤーが居住できる建物型のTYPE:キャッスル
プレイヤーが展開する結界型のTYPE:テリトリー
に分かれてこれ以外にもレアカテゴリーや上位カテゴリーがあるらしい。
「じゃあ最後に所属する国を選択してくださいねー」
「ドライフ皇国で」
「オッケー。ちなみに軽いアンケート何だけど選んだ理由はー?」
「作りたい物があって。出来るなら何をしても良いんでしょ?」
それはアルストがこのゲームを聞き、始めたきっかけ。五感の完璧な再現やこのゲームの一番の特徴であるエンブリオにも興味を持ったが、デンドロを始めた一番の理由は何でもできるという所
「そうなんだー。作れると良いね」
「ありがとう」
「じゃあそろそろ・・・・君の左手にある〈エンブリオ〉と同じ。これから始まるのは無限の可能性」
「<Infinite Dendrogram>へようこそ。〝僕ら〟は君の来訪を歓迎する」
チェシャがそう言った直後、アルストはドライフ皇国の空に放り出されドライフの首都へと落ちて行く
「必ず!必ずヴィーヴィルを作ってこの高さまでたどり着いてやるぞー!」
アルストはそんな事を言いながら首都へ落ちて行った