第10話
「これでよし」
「アルストさん、何処かに行くんですか?」
アルストが外でガイストの整備をし終えるとマーシャルⅡのテストをしようと外に出てきたクランメンバーが訪ねる
「あ、丁度いいところに、俺レジェンダリアに行くので暫くは帰ってこれないと思います」
「レジェンダリア?分かりました、お土産宜しくお願いします」
「分かりました。行くぞヘスティア」
『了解』
アルストはガイストと融合したヘスティアにそういうとレジェンダリアに向けて出発した。
□■
なぜ突然アルストがレジェンダリアに行こうとしたのか、それはもちろん【ヴィーヴィル】を作る為である
『マスター』
「ん、如何した?」
『なぜ急にレジェンダリアに行くと言いだしたのですか?』
「ああ、言ってなかったな。レジェンダリアで作ってほしい物があってな」
◇
それは昨日の事
「いらっしゃいませ。アルスト様、ご注文の品が届いております」
「ありがとう、早速見せてもらえる?」
「はい」
魔王骨董品店の店主はそういうとアイテムボックスから一つの水晶の様な物を取り出し、アルストに見せる
「これが」
「はい、魔法水晶です。ご要望通りクリムゾン・スフィア並みの威力を出す魔法弾と周りに雷を発生させる二つの魔法が付与されております」
魔法水晶とはジェムとは違い、MPを自分で注いで発動しなければならないがMPを流せば何回でも水晶に付与された魔法が発動できると言う物だ
「魔法が二つ付与されていると言うが一つの魔法だけを発動すると言う事は出来るのか?」
「はい、ですがそれにはまず魔法水晶を加工しなければなりません」
「加工?」
「はい、このアイテムを使っていた人は杖などに加工して使っていた様です」
「加工か」
「はい、これだけの品の加工となるとレジェンダリアや黄河帝国などの魔法技術が発達した国に行って加工してもらった方が良いと思います」
「分かった、行ってみるよ。それで値段は」
「値段は二つの魔法が付与されている魔法水晶を四十九個なので四十九億リルです」
「・・・高くない?」
「これでも十分安くなっているんですよ。それに、お客さんなら普通に払えるくらいですよ」
「・・・払います」
そう言ってアルストは四十九億リルを店主に払った。しかし設計図を描き続けてできたお金はまだ残っている、【設計王】様様である
「あとこれを、魔法水晶の説明が書かれています、加工するときに相手に渡してください」
「ありがとう。加工か、やっぱりここから近いレジェンダリアかな?」
アルストは魔法水晶とメモを受け取り店を出るとレジェンダリアに出発するための準備を始めた
◇
「・・・という訳」
『成程、分かりました。目的はそれだけですか?』
「いや、もう一つあるが。これはあっちに行ってみなくては分からないからな。第一目標は〈マジンギア〉でも持てる杖を作ってもらう事だ」
◇
「・・・ここも駄目か」
数日後、無事にレジェンダリアに着いたアルストとヘスティア(今は鳥型の機械に入りアルストの肩に座っている)は杖を作ってくれる人物を探していた
『また駄目でしたね』
「ああ、流石に杖四十九本は無茶かな」
しかも〈マジンギア〉に持たせる杖なので一般の杖の何倍もする大きさの物を四十八本となると引き受けてくれる人物を探すのは難しかった
『マスター、あそこにはまだ行っていないのでは?』
「そうだね、入ってみよう」
アルストが十中八九断られると思いながら店に入ると
「大丈夫ですよ」
『「本当ですか!?」』
「普通の杖の数倍の大きさでも」
「大丈夫です」
「・・・やっと、見つけた」
『良かったですね、マスター』
「ああ、ここに断られていたら黄河まで行かなきゃいけなかったかもんな!」
「あの~」
アルストがヘスティアと喜んでいると
「すみません、オーダーメイドの詳しい話を聞いても良いですか?」
「はい、お願いします」
「私、【高位杖職人】のエレナと申します」
「【設計王】アルスト・コジャーソです」
「あなたが。では、普通の数倍の大きさと言う事でしたが巨人族の方様に?」
「いえ、〈マジンギア〉用に作ってもらいたいんですけど。これを使って」
そう言ってアルストはエレナに一つの魔法水晶と店主から貰ったメモを渡す
「・・・成程、分かりました。しかし、マジンギア用ですか」
「はい、僕のエンブリオはMP関係の能力を持っていまして」
「分かりました。では杖の大きさや太さなどを決めるために杖を装備するマジンギアを見たいのですけど」
「分かりました、何処で出せば良いでしょうか?」
「店の裏庭に開いているスペースがあるので付いてきてください」
アルストはエレナと店の奥に入って行き、庭に出ると一つのガレージを取り出す」
「じゃあ出しますね」
アルストが操作をするとガレージが開き上半身だけの奇妙な〈マジンギア〉が出てきた
「これは・・・腕がありませんけど?」
エレナの言うとおりこの奇妙なマジンギア、【アンキュローサ】は下半身だけではなく肘から先が無く、肩から腕が生えている
「はい、このマジンギア、【アンキュローサ】は例えば戦艦などに取り付けて魔法攻撃だけをするためのマジンギアで手で杖を持つのではなく杖を腕にして二本、そして肩のもう二本の腕を使って一体で四本の杖が使えるようにしたいんですけど」
その言葉にエレナは一瞬、アルストが何を言っているのか分からなくなった。マジンギアに魔法攻撃をさせるという事だけでも異常だというのにさらにマジンギアを砲台として使うと言う
「・・・分かりました、ではそれぞれ持つ杖の大きさを決めるために測っていきますね」
エレナは測定しながら思った、これを取り付けた物はまともな形はしていないだろうと。