アルストがレジェンダリアに着いて五日目、アルストはエレナに頼んだ杖が完成するまでレジェンダリアでヘスティアと自分が作った【マーシャルⅡ】のテストをしていた
「調子はどうだ、ヘスティア」
『絶好調です、今までの機体よりも素早く動けます』
「その機体、【ソードマン】は今まで俺が作った中では上位の機体だ。しかし俺達はレジェンダリアに来て日が浅い、油断はするなよ」
『了解』
ヘスティアはアルストを乗せたまま慎重に森の奥に入っていく
「・・・そろそろ戻るぞ、自然魔力が濃くなってきた」
アルストは此処に来る前にエレナに言われたことを思いだす。光の霞を見たらすぐに離れろ、アクシデントサークルが起きるかもしれないと
「攻撃魔法が発動して【ソードマン】を壊したくないからな」
『了解・・・!』
ヘスティアが来た道を戻ろうと機体を動かした瞬間、光の霞が別色を発し始め、アルストは意識を失った。
◇
『マスター!マスター!』
「・・・何だ、ヘスティア」
『マスター、起きましたか。良かった』
「俺は確か・・・!」
【アルスト】はソードマンのカメラが映す映像を見て気付く、外は先ほどまで自分たちが居た場所ではないと。アルストがマップを開くと
「精霊の森、か」
精霊の森とはエレメンタルモンスターが多いレジェンダリアの中でも一番エレメンタルモンスターが多い場所で〈アムニール〉から離れていることもあって人がほとんどいない場所である
「レジェンダリアから離れなかっただけ良かったか。ヘスティア、機体の損傷は?」
『はい、損傷は確認できません』
「分かった、日が暮れないうちに〈アムニール〉に戻るぞ」
『はい』
ヘスティアが〈アムニール〉に向けて歩き出そうとすると
『!』
後ろから矢が飛んで来て【ソードマン】の装甲にあたり弾き飛ばされた
『誰だ!』
ヘスティアが武器を構え、矢が飛んできた方向に構えると木の影から一人の男が出てきた
「マスターか」
アルストは男の左手には〈マスター〉であると示す紋章があった。男は手に持っていた弓を地面に置くと
「ごめんなさい!」
『「・・・え?」』
◇
最近この森にまたあいつらがやって来た
如何しよう
決まっている
安全のために
これからも生き延びるために
この力で
この能力で
倒す!!
◇
「俺はロビン、さっきはゴメン!モンスターと思って攻撃しちゃって」
『ああ』
「・・・なに納得してんだよ、ヘスティア」
『ですがマスター、初めて見た方はモンスターと勘違いしても仕方ないかと』
「・・・」
アルストは自分が作ったソードマンをよく見てみる。全身に剣を装備したマジンギア。
「あ、俺も突然遭遇したら敵だと思うわ」
「でしょ?そもそも何でそんなに剣付けたの?」
「・・・趣味?」
「どんな趣味だよ」
「ちょっとね。それよりもその蛇」
「ああ、こいつは」
ロビンが自分の腕に巻き付いていた蛇を紹介しようとすると蛇は一人の少女に変わり
「ヒュドラと申しますお見知りおきを」
「俺はアルスト・コジャーソ。アルストでいいぜ」
『私はヘスティアと申します』
「宜しく、そういえば何でアルスト達はこんな所に?」
「ああ、アクシデントサークルに巻き込まれてな」
「成程、転移系の魔法が発動して。でも良かったじゃないか、転移先が近くで。火山の中に転移したって人もいたらしいからね」
「ああ、運が良かったのかもな」
アクシデントサークルに巻き込まれた時点で運が良いという事は無いが
「何でロビンはこんな所に?」
「俺はギルドの依頼でな、この森の近くにある村からの依頼で最近この森がおかしいってんで調査に来たんだ」
「なにかおかしい所は?」
「全然、後は森の一番奥を調査すれば終わりだよ。じゃあそろそろ最後の調査をするかな。じゃあな、また何処かで」
「ああ、また何処かで・・・ッ!」
二人が別れようとした瞬間、突然森の奥から炎が出てきて二人を襲った
「何だ!?」
「大丈夫かアルスト!」
「ああ!そっちは」
「こっちも大丈夫だ。それより」
二人の視線の先、そこにいたのは
「まじか」
「なあロビン、お前倒す自信あるか?」
「ねえよ、お前は?」
「前に一体倒したことがあるけど、どうだろう」
「・・・はあ、何でこんな森に〈UBM〉が居るんだよ」
二体の古代伝説級〈UBM〉
【三砲精霊 インレイト】【滅界精霊 エステンク】が居た