「ヘスティア!」
『はい!』
二体の〈UBM〉が出てくると、ヘスティアは自分の体に付いている一本の剣をUBMに投げる。しかし剣はUBMの前に見える結界によって弾かれた
「!!」
「厄介だな」
「おい、あれどうなってんだ」
「何が、攻撃を弾いたところか?」
「違う、何であいつ等二匹とも結界の中にいるんだ」
ロビンの言うとおりインレイトとエステンクは二体とも結界の中にいてこちらを攻撃してくる
「協力、してるんだろうな」
「〈UBM〉が、でも〈UBM〉同士って」
「ああ、〈UBM〉同士も本来敵同士、だけど見て見ろ、攻撃してくるのは一体だけ」
「つまり、片方が攻撃特化、もう片方は防御特化でうまく協力関係が出来たと」
「そういう事だろうな」
二人が話している間も攻撃を担当しているインレイトは此方に攻撃を仕掛けてくる
「どうする!このままじゃやられるぞ」
「分かっている、ヘスティア!」
『はい!』
ヘスティアの動かす【ソードマン】はインレイトが攻撃した瞬間、【ソードマン】が出せる全速力で結界の前まで行き結界を攻撃する
『!堅い』
「ヘスティア!」
ヘスティアはまた炎が来ると思い自分の中にいるアルストを守る様に防御するが
『何!?』
「ガハッ・・・!?」
『マスター、ッ!』
ヘスティアがアルストに気を取られた瞬間、今度は雷撃が放たれた
「一旦下がれヘスティア」
『はい!』
「これは・・・毒」
アルストは自分のステータス画面を見ると【猛毒】と一つの状態異常が表示されていた
「おい大丈夫か!」
「ああ、毒と雷撃を食らってHPが二割切ったけど」
「大丈夫じゃねえだろ!?回復アイテム要るか?」
「いや持ってる」
アルストは回復薬を飲むとUBMを映しているカメラの映像、ではなく違う画面を見た
「ヘスティア」
『はい、申し訳ございません』
「?急に何二人で話してんだよ、それよりこの後どうする」
「撤退」
「・・・はい?」
「一回逃げるぞ」
「え!?ちょ待てよ!」
後ろを向いて勢いよく走り始める【ソードマン】の後に続くようにロビンもUBMを警戒しながら付いてくる
◇
あいつら逃げていくよ
でも安心できない、大勢で来るかも
どうする?あいつら左手にマークがあったよ
ああ、あいつらは殺しても戻ってくる、でも死んだらしばらくは来ない、あいつ等を殺した後安心して違う場所に移動しよう
そうだね、じゃあ
ああ
◇
「おいアルスト、何で逃げるんだ」
「攻撃手段が無いからに決まってるだろ、あいつら早くは動けないみたいだな、追ってこない。それに見て見ろ」
「これは」
「さっき結界を攻撃した時に使った剣だ」
「・・・刃先が無い」
ロビンが見た剣は刃先の部分が無くなって不自然な形をしていた
「ああ、あの結界ただの防御するだけの結界じゃなかったみたいだな」
「物を溶かす効果まであるのかよ」
「いや、多分違う」
「なに?」
「この剣、溶けたと言うよりこの部分だけ無くなったみたいになっている。それにあの〈UBM〉の名前を思いだしてみろ」
「えーと、攻撃してたのが【三砲精霊 インレイト】だから防御は滅界精霊・・・まさか!」
「そう、多分あの結界の能力は攻撃の防御と結界に触った物を消滅させる能力」
「そんなの結界の中に入られたら攻撃の使用がねえじゃん」
「いや、攻撃の手ごたえはあった、だから休まずに複数の武器を持って戦えば」
「・・・つまり」
「ああ、俺なら勝てる可能性がある」
「でも結界に近づく前に攻撃されるんじゃあ・・・」
「そこは気付いた事がある。それよりヘスティア、被害は?」
『・・・はい、先ほどの雷撃により右腕が動かなくなりました』
「!!」
「なあ、ここらへんに機械を修理できるようなところは無いか?無かったら俺はもう何もできないんだけど」
「できないのかよ!・・・こっちだ付いて来い」
◇
「ここは・・・」
「この前たまたま見つけたんだ」
アルストがロビンに案内された場所は遺跡だった
「どうだ、使えそうか?」
「うん、材料とかも俺が持ってるから。ロビンはモンスターが中に入らないように上で見張りを頼む!」
「ああ、急いでくれよ」
ロビンが上に行くとアルストは一枚の設計図とガレージ、そしてジョブクリスタルを取り出す
『マスター、この機体を直すのではないですか?』
「ああ、あいつに対して【ソードマン】だとちょっと心もとない、だからこの機体を完成させる」
『ですがマスター、時間が』
「大丈夫だ、あとは仕上げだけだ」
アルストはガレージからその機体を取り出し、ジョブを変更すると機体の仕上げにかかる
◇
やっと見つけた
周りも暗くなった、気づかれないうちに攻撃しよう
うん、
◇
「お待たせ」
ロビンが外の見張りをしているとアルストと一体の〈マジンギア〉が中から出てくる
「終わったか、如何する?周りはもう暗くなっちまったけど」
「探そう、もしかしたら逃げられるかも」
アルストがそう言った瞬間、アルスト目掛けて炎の玉が飛んできた
『マスター!』
しかし炎の球はヘスティアによってガードされた
「おいアルスト」
「ああ、まさかあっちから来るとはね」
炎の球が飛んできた方向にはインレイトとエステンク、そして・・・
「・・・おい、一体増えてるぞ」
逸話級〈UBM〉【木指揮樹 コーウッド】と複数のモンスターがいた
「まさかもう一体いるとは、〈UBM〉三体を同時に相手何てできないぞ」
「・・・なあ、あの二体だけなら一人で勝てるか?」
「勝てる」
「分かった、コーウッドと他のモンスターは任せろ、ただしなるべくここから離れて戦ってくれ」
「分かった」
それを言うとアルストはマジンギアの中に入り、短剣を数本インレイトとエステンクに向かって投げて自分に注意を引き付けるとロビンから離れて森の奥に走っていく。二体は直ぐに動きだしアルストを追って森の奥に入っていく
「・・・ちゃんとお前が残ったか、反対になったら如何しようってちょっと心配だったけど」
ロビンはそう言いながら弓に矢をつがえ、モンスター達もそれに合わせるように唸り声を上げながらすぐに動けるように構える
「さっさと始めようか」
その言葉と放たれた矢を合図に戦いが始まった
◇
「ちゃんと追ってきているな」
『マスター、この後はどうしますか?』
「何処か開けた場所に出てくれ、木が多い場所では動きにくくて此方が不利だ」
ヘスティアはアルストの指示通りに後ろからの攻撃を避けつつ開けた場所に出る
『マスター、ここなら』
「ああ、ここで戦うぞ」
◇
ある森に群れで暮らしているエレメンタル達がいた、エレメンタル達は相手の攻撃を防ぐ結界を作る能力を持っており複数体で結界を作ればその森の中でエレメンタル達を傷つけられる者はいなかった
しかしその森に一人の超級職のティアンが現れた。そのティアンはエレメンタル達を簡単に殺していった、その森でどのモンスターも傷つけられなかった結界を簡単に壊しエレメンタル達を殺し何処かに行ってしまった。しかし茂みに隠れており生き残ったエレメンタルがいた
そのエレメンタルは何が起こったのか分からなかった、いままで自分たちの結界を壊せるものなどいないと思っていたのに一人のティアンに簡単に壊され、仲間を殺された
そのエレメンタルは仲間を殺された怒りよりも先に恐怖を覚えた、自分の結界を壊せるものはあのティアン以外にもいるだろう、そもそも一人だけではこの森のモンスターの攻撃にも耐えられない
力がほしいと思った
何者にも破壊されず何者にも自分を傷つけられない結界を作り出せる能力を
その時、自分の前に何かがあるのに気付いた、エレメンタルはそれが何か分からなかった。確信は無かった、しかしエレメンタルは強く思った、これがあれば自分は誰にも殺されないと
エレメンタルはそれに触れてみる、するとそれは抵抗なくエレメンタルに吸収された、すると
【デザイン適合】
【存在干渉】
【エネルギー供与】
【設計変更】
【固有スキル《滅防結界》付与】
【スキル《結界強化》付与】
【スキル《MP自動回復》付与】
【死後特典化機能付与】
【魂魄維持】
【〈逸話級UBM〉認定】
【命名【滅界精霊 エステンク】】
そしてエレメンタルは高さ二メテル程の大きさの結晶の形をした【滅界精霊 エステンク】となった
何が起きたのかは分からなかった、しかし考える前にこの森で一番強い熊の姿をしたモンスターが自分を殺そうと飛び出してきた
自分一人ではこのモンスターの攻撃は防げない、しかし本能で自分の周りに結界を張る。簡単に壊されると思っていたがそうはならなかった、熊は自分の結界を壊す事は出来なかった、そして数回攻撃をすると熊は何かに怯え自分の腕を庇いながら結界から離れる。なぜ離れたのか分からなかったがエステンクはそれをチャンスと思いそのまま前に走り熊を木と自分の結界で挟む。なぜそうしたのか自分でも分からなかったが答えはすぐに分かった。木と結界に挟まれた熊の体がどんどん細くなっていった、押しつぶされて細くなっているのでは無い、結界に触れた所から少しずつ無くなっていった。熊はそこから急いで離れようと狂ったように暴れ出すが普通のモンスターが〈UBM〉の力に勝てる訳が無く、そのまま熊は体の半分以上を消され息絶えた
熊を殺した後エステンクは興奮した、自分一人だけでこの森で一番強い熊を倒したと言うのもあるが一番はこの力があれば自分は誰にも殺されない、安全に暮らせると喜び平和に生きるためにこちらを遠くから見ていた周りのモンスターを殺していった