そしてとうとう王国との戦争へ
第16話
□皇都郊外・〈叡智の三角〉本拠地
〈叡智の三角〉は皇国最先端技術が集う場であり自由に望むものを創造するクラン
このクランには様々な物を作る人たちが居りその中でも多いのがロボット、〈マジンギア〉関連の人たちだ
〈マジンギア〉を組み立てるにはスペースが要る、なので〈マジンギア〉を作る為の作業場が〈叡智の三角〉には多数ある
その中の一番大きい作業場でアルスト・コジャーソはいままで以上に真剣に作業をしていた
「アルストさんここ終わりました!」
「ありがとうございます、ドララガンさん達の手伝いをお願いします!」
「分かりました」
アルストだけではない、周りには多数の〈叡智の三角〉のメンバーが皆真剣に、何処か楽しそうに一つの物を作ろうとしていた
『マスター、私は何をすれば』
「ヘスティア、お前は出来上がったパーツの中に入って何かミスが無いか確認してくれ」
『はい!』
そう言うとヘスティアはもう完成している竜の顔を模したパーツ、【ヴィーヴィル】の頭のパーツに入り何かミスが無いか確認していく
◇
数日前
「近いうちに王国へ宣戦布告します」
「・・・ついに、ですか」
「【ヴィーヴィル】の製造は?」
「明日からでも開始できます」
「分かりました、何か必要な物があれば言ってください、私もお手伝いします」
「ありがとうございます」
「礼など不要です、私はあなたの夢を利用しようとしているのですから」
◇
アルストはラインハルトに【ヴィーヴィル】の製造を開始しろと言われ、〈叡智の三角〉の最初のころから居た信頼できる人たちに【ヴィーヴィル】の製造の手伝いを頼んだ
皆がカンストした生産職の〈マスター〉であり、日を追うごとに【ヴィーヴィル】が形になってきた、しかし
「・・・予定よりも作業が遅い」
作業に参加している〈マスター〉は十数名、いくら全員が熟練した生産職の〈マスター〉でもいつも居られるわけでは無い、リアルの用事で数日来れない人もいるのだ。ヴィーヴィルが大きいので〈マジンギア〉に乗っての作業が必要というのも作業が遅れる原因だろう
「どこに〈DIN〉がいるか分からないから大々的に人を集められないからな」
戦艦を作ると言う〈叡智の三角〉所属ならだれでも参加したがりそうな事に信頼できる人たちだけにしか声を掛けなかったのは〈DIN〉にこのことが知られ戦争前に王国に【ヴィーヴィル】の情報を渡さない為である
『知られても問題ないと思いますけどね』
「ラインハルト様の指示だ、従うしかない。それに大々的に集めても変な奴が来ても困るしな」
アルストは【ヴィーヴィル】を作る為にラインハルトに様々な援助をしてもらっている、その条件としてアルストは戦争時にラインハルトの命令道りに【ヴィーヴィル】を動かすなど様々な条件を【契約書】で書かされた
「しかし、このままだと戦争に間に合うかギリギリだな」
とうとう皇国は王国に対して宣戦布告をした、皇国が侵攻を開始するまでこちらの時間で十日後、今【ヴィーヴィル】は約八割が完成したと言う所である
「間に合いそうですか?」
「!」
アルストが後ろを向くとそこにはラインハルトと【獣王】が居た
「はい、ギリギリですけど」
「分かりました、これを持っていてください」
「これは」
ラインハルトがアルストに渡したのは一つのジュエルであった
「中には【ブロードキャストアイ】が入っています、当日私はここには来られませんのでこれで指示を出します」
「分かりました」
◇
十日後
ジュエルから出していた【ブロードキャストアイ】が空中に何かを映し出す
『完成しましたか?』
空中に映った人物、ラインハルトはアルストに対してそう聞く
「ええ、ええ!ついに完成しましたよ!」
アルストの周りでは〈マスター〉達が眠そうに、しかし興奮したように自分たちの目の前にある〈マジンギア〉を見上げる
『では直ぐに旧ルニングス領に向かってください、もうすぐで戦争が始まります』
「分かりました、ヘスティア!」
アルストは先ほどからヴィーヴィルと融合しMPを生成していた自分の〈エンブリオ〉に声を掛ける
『飛ぶ分には問題ありません、しかし攻撃分もとなると』
「行く途中までに間に合うのなら良い」
『分かりました』
アルストがヴィーヴィルの中に入るのを確認すると、【ヴィーヴィル】の頭を吊るしていた鎖が外れる、しかし【ヴィーヴィル】は自分の力で頭を持ち上げ体が少しだが浮き始めた
「屋根を開けろ!!」
『皆さんありがとうございました!お礼は後で!!』
ぶーらんたんが大声で言うと屋根が少しずつ開いて【ヴィーヴィル】が出られるようになるとアルストはそう言い残すともう戦争が始まっているであろう旧ルニングス領へ向かった