「みなさーん、着きましたよ」
ヴィーヴィルがドライフに着くとカルディナの軍勢がドライフと戦闘をしていた
「それじゃあ皆さん頑張ってきてくださいねー」
アルストがそう言いと【魔将軍】を始めヴィーヴィルに乗り込んでいた〈マスター〉達も戦闘場所から少し離れギリギリまで降下したヴィーヴィルから降りて戦闘のある場所へ向かう
『マスター、これからは?』
「アルターの時と一緒だ、味方を巻き込まずにカルディナの軍勢を削っていく」
ヘスティアはそれを聞くと一定まで高度を上げカルディナの軍隊がいる所に飛んでいく
「よしヘスティア、味方に当たらないように注意しろ」
ヘスティアはアルストの指示どうり狙いを定めヴィーヴィルを操作していく。カルディナの軍がヴィーヴィルに気付き攻撃するが全てヴィーヴィルを包む結界によって攻撃が届かない、その間もヴィーヴィルは口を開き炎を吐く準備をしてカルディナの軍に浴びせようとするが、それをする前に上から歌声のような音が聞こえてきた
「攻撃中止!結界にMPを注げるだけ注げ!」
そのアルストの声にヘスティアは躊躇いなく実行する、ヴィーヴィルの口にあった光が消え、ヴィーヴィルは口を閉じた、するとヴィーヴィルの頭の部分に無数の砲弾が当たる
『えー、堅くない?』
砲弾は結界に防がれヴィーヴィルは無傷である
「・・・おやおや、久しぶりですねぇーAR・I・CA」
「・・・誰?」
「・・・アルスト・コジャーソですよ」
「え!?キャラ違うくない?」
「前にクランメンバーに『ヴィーヴィル作って名前にコジャーソって入れてるならオラシオ・コジャーソみたいに喋ってみたらどうですか?』って言われたんですが」
『あ~』
前に一回コジャーソのロールプレイをしてみたのだが長くは続かなかった
「ヴィーヴィルも作ったし折角だからもう一回やってみようと思ったのですが」
『まあ、いいんじゃない?アルストが楽しいなら』
「そうですよね、すいません、こんな時に」
『いいよこれぐらい、元クランメンバーの仲じゃん!』
そういってAR・I・CAは自分が今乗っている〈マジンギア〉の【オペラ】の右手でサムズアップするそれに対してヴィーヴィルも自然に頭を下げる
「いえいえ、本当に、ありがとうございまし、た!」
そういうとヴィーヴィルは勢いよく頭を上げると【オペラ】に炎を浴びせようとする
『よっと、危ないなー』
しかし【オペラ】は慌てる事無く炎を避ける
「チッ!やっぱり駄目ですか」
そういうと【オペラ】はヴィーヴィルの周りを飛びながら砲撃を始める
『さて、じゃあそろそろ本気でやろっかな』
「面倒な・・・そう言えば、何で飛んでるんですか?特典武具?」
『そう、前にカルディナで倒したの』
そういいAR・I・CAはヴィーヴィルの周りを超音速で本来ありえない軌道で飛ぶ
「人型で空を飛ぶ、嫌な相手ですねえ」
『うん?・・・ああ成程』
アルストの発言にAR・I・CAはあるアニメを思いだした
『前に見たことあるけど確かになんか似てるね!じゃああのアニメみたいにアルストのその戦艦、私の【オペラ】で落としてあげるよ!』
「・・・・・・は?」
アルストはAR・I・CAの言葉に先ほどまでのように軽く返すのではなく怒りを含めて言った
「・・・私の前でそれを言うなんていい度胸ですねぇ」
『あの、マスター?』
「ヘスティア、竜血炉を起動」
『ッ!!・・・イエス』
ヘスティアはアルストの指示通りにヴィーヴィルの中にある一つの変換機関にMPを注ぐ、すると変換機関は目をさまし大声を上げた
◇
竜血炉は【ブルー・オペラ】正確には【ブルー・オペラ】の魔力変換機関とは兄弟の様な物だった。
二つはアルストとフランクリンが共同で開発した魔力変換機関で二つともに欠点があった【ブルー・オペラ】の変換機関は〈マジンギア〉用の変換機関としてはルイを見ない程に秀でた変換効率でサイズもバイクに搭載するエンジン程度という最高の変換機関だが唯一、機関音が大きいと言う欠点があった。それと同じように竜血炉にも欠点があった、まず【ブルー・オペラ】の機関同様に機関音が大きかった、【ブルー・オペラ】の機関の様に常時では無く急な動きをしたりすると竜が吠えるような音がするのだ。
そして【ブルー・オペラ】の機関とは反対に大きかった、車2台以上の大きさが竜血炉にはあった。
さらに食いしん坊でもあった、ある一定以上のMPでなければ動かず最低でも毎秒千はMPと取る。
しかし竜血炉の変換率は【ブルー・オペラ】の機関にも負けていない。
しかしサイズが車2台分と言うだけで失敗作、誰も使えない変換機関にフランクリンは落胆するが逆にアルストは喜んだ
「これこそが私が求めていた変換機関ですよ!」
アルストは直ぐに竜血炉をヴィーヴィルに組み込んだ、車の何十倍も大きいヴィーヴィルには竜血炉の大きさは関係なかったのだ
◇
『竜血炉起動、最大化戦闘形態、発動』
その声と共にヴィーヴィルの動きは変わった、動きは今まで以上に、結界は堅く、攻撃はより厳しくなった
『よっ、はっ』
しかし超音速で飛ぶAR・I・CAには攻撃が当たらない
「チッ、相変わらず厄介な〈エンブリオ〉だ。以前よりも動きが早い、〈超級〉にでもなりましたか?」
『あ、分かる?最近〈超級〉になったんだ!』
アルストはヴィーヴィルに乗っているのでAR・I・CAには見えないが露骨に嫌な顔をする。前にAR・I・CAの〈エンブリオ〉はAR・I・ACの危険を把握する〈エンブリオ〉だと聞いたことがある、それが〈超級エンブリオ〉になっているなど攻撃を当てられるのとは思えなかった
(必殺スキルも気になる、まず俺一人では無理だろうな。それに・・・)
アルストは【ヴィーヴィル】の周りを飛ぶ【ブルー・オペラ】を見ながら冷静に考える
「ヘスティア、あいつは無視して下のカルディナの軍を攻撃しろ」
アルストがそういうとヘスティアの操作を受けヴィーヴィルは直ぐに体の【アンキュローサ】と頭を下に向けて攻撃の構えをする
『どこ見てるのかな?こっちだよ』
するとAR・I・CAは先ほどよりも激しく攻撃をするそれを見てアルストは確信した
(俺にカルディナ軍を攻撃させない気だな、先ほどの挑発も自分に俺の注意を引き付けるため)
ヴィーヴィルは広域殲滅型。ドライフには〝物理最強″である【獣王】を始め大勢の敵に対しても簡単に対処できる者たちが数人いる、さらにそこに上空からの広域殲滅型など対処できないのだろう
「ヘスティア、カルディナ軍への攻撃を中止、あいつの相手だ、時間を稼ぐだけでいい相手もそのつもりみたいだしな」
アルストはAR・I・CAに聞かれないように拡声装置を切りヘスティアに言う
『そうなのですか?』
「ああ、カルディナはドライフがアルター王国を併合するのを阻止するためにドライフに進行したんだろう、本気なら〈超級〉がもう少しいるはずだ」
今の所下に〈超級〉らしき〈マスター〉は見当たらない、もしかしたらカルディナ側の〈超級〉はAR・I・CAだけという可能性もある
「それに、一人で俺の相手をしているのもその為だろう」
そもそも砲弾で【ヴィーヴィル】の結界を壊せない時点でAR・I・CAには分が悪い戦いなのだ。いくら〈エンブリオ〉で危険を把握して避けても乗っているのが〈マジンギア〉である以上乗っているだけでMPを消費して動いている、それは【ヴィーヴィル】も同じだが【ヴィーヴィル】は【機構炉心 ヘスティア】の生成するMPで動いているため【ヘスティア】がある限りMP切れを起こすことはない。なのでこのまま戦い続けたらAR・I・CAの負けは確定なのだ
「他の攻撃手段や他の特典武具を持っている可能性は高いが、使わないと言う事はこちらを倒すつもりが無いみたいだしな」
『この結界堅過ぎ!ぜったい特典武具でしょ』
「そうですよ。そろそろ撤退したらどうですか、もう目的は達成できたでしょう?」
『あれ、目的ばれちゃった?』
今、この戦場には〈超級〉である【獣王】と【魔将軍】を始め攻め落とし領土の駐留軍以外は戻ってきている、目的は達成しているだろう
『う~ん、まあ目的も達成したし頃合いかな』
そういうとAR・I・CAは空に向かって信号弾を打ち上げた、それを見たカルディナの軍は次々に撤退していく
「貴方は逃げないんですか?」
『う~ん、そうしたいんだけどアルストを此処で足止めしないといけないからさ』
「追撃なんてしませんよ」
下を見ると【獣王】が追撃をしていない、逆に撤退する軍を追おうとする【魔将軍】を止めている
「【獣王】が追撃しないと言う事はそれはラインハルト様の指示、私がそれを無視したら【魔将軍】みたいに止められるでしょう。まあ、止めるというよりはヴィーヴィルを破壊されそうですが」
『そう、じゃあさっさと逃げようかな。フーちゃんによろしくね!』
そういってAR・I・CAは超音速でカルディナの方角へ飛んで行った
「フーちゃん?・・・・ああオーナーですか。・・・オーナー、AR・I・CAが居なくなったとき寂しそうにしてたんですよねぇ」
『あんなフランクリン様は見たことがありませんでした』
「ああ、オーナーらしくないミスを連発したりな。あの時はクラン内でどうやったらオーナーが元気になるか皆で話合いがあったりしたな」
新型兵器を見せたり、自分たちで作ったアニメを見せたり、オーナーとAR・I・CAの本を見せたりしたが結果は二次創作部がモンスターに食われただけだった
「さて、とりあえず帰りますかね」
『はい』
そして王国との戦争はカルディナの介入により中途半端な形で終わったのだった