あれから数日、俺はラチスであの〈UBM〉がもどってこないか心配、と言う名目でクルスや街の子供達と遊んだりベルドルベルさんの演奏を聴いたりと楽しく過ごしていた
・・・昨日までは
『・・・何か言う事は?』
「すみませんでした!!!」
俺が土下座している相手はこの国の皇王、ラインハルト。勿論通信機での対話のみだ。しかし通信機を持ってきた相手が悪かった
『あなたに依頼をして数日、ヴィーヴィルの目撃情報が全然ないのであなたが私を裏切ったのかと思いましたよ?』
「はは、まさか、ありえませんよ」
『そうですか。まあ良いでしょう。しかし少し厄介な事になりましたね』
「どういう事ですか?」
『最近、新しい伝説級〈UBM〉の目撃情報があります、名は【食竜王 ドラグイーター】』
「!!」
『先ほどの報告に会った〈UBM〉で間違いありませんね?』
「はい」
『この〈UBM〉は近くにある物を片っ端から食べつくしています、モンスター、ティアン、〈マスター〉等関係なく』
『このままでは国でさらに餓死者が出てしまいます、早急にドラグイータ―の討伐をお願いします』
「私ではなく【獣王】に頼んだ方が早いのでは?」
『【獣王】には他の危険な〈UBM〉等の攻撃に対処してもらいます』
「・・・分かりました」
『頼みましたよ』
そう言うとラインハルトは通信を切り、【獣王】も直ぐに帰って行った
「ヘスティア」
『何でしょう?』
「一度ヴィーヴィルでこの辺りを見る」
『分かりました』
◇
「・・・ひどいな」
ヴィーヴィルに乗り約1時間、様々な所を見に行ったが至る所でドラグイータ―が暴れ回った跡、地面がえぐれている様な場所複数個所見つかった
『マスター、この向きは』
「まずいな」
アルストは地図を広げドラグイーターが暴れた所に印を付けていくと
「ラチスに向かってる」
どんどん近づいてきており計算では後数日でラチスに来るところまで来ていた
◇
「そうですか、あの〈UBM〉が」
アルストはドラグイータ―の事をライトとベルドルベルに話し協力してくれないかお願いする
「もちろんです、あの〈UBM〉をほうっては置けません」
「私もだ、大事な観客を〈UBM〉に食べられては堪ったものではない」
「ありがとうございます」
「しかしどうするのだ?相手は〈UBM〉、一筋縄ではいかんぞ?」
「次現れる場所は予測できます、問題は倒せるかどうかです」
「すいません、レフトとの戦いで私の〈エンブリオ〉の手札は使い切ってしまいました」
「私も攻撃を当てるには近づかねばならん、しかしそれを奴は見逃さないだろう」
「・・・一つだけ考えがあります、ただ少し時間がかかります。次ドラグイータ―が出てくるまでには終わらせますので心配なく。それとベルドルベルさんには街の守りを任せたいのですが、またモンスターが襲ってこないとも限りませんから」
「分かった、ならば私はティアンの人々にこの事を伝えておく」
「私は出来る限りの準備をしておきます」
「お願いします」
二人と別れるとアルストは通信機のスイッチを入れる
『どうしました?』
「お願いと言うか許してほしい事がありまして」
『何です?』
「ドラグイータ―との戦いの際ヴィーヴィルを壊してしまう可能性が高いのです、それでその・・・」
『分かりました、壊れても構いません、〈UBM〉の討伐を最優先にお願いします』
「ありがとうございます、必ずや討伐して見せます」
アルストはライトと合流するとドラグイータ―が出る可能性が高い場所でドラグイータ―を討伐するための作戦を開始した