「・・・たまにはこうやってダラ~っとしてるのもいいねえ」
皇都に戻ってきたアルストはラインハルトに報告を終えた後ベルドルベルをフランクリンに紹介し〈マジンギア〉の整備を終え忙しく動き回るクランメンバー達を無視して横になりゴロゴロしている。もちろん他の人物がやると整備道具や〈マーシャルⅡ〉が突っ込んでくるのだがアルストは自分のエンブリオを貸しているのでそんなことは起きない、MPを気にせずにテストできる〈エンブリオ〉に嫌われたくないからだ
「・・・あなたがアルスト・コジャーソさんですね?」
「うん?」
声のしたほうを向くと一人の青年と全身白の服を着た女の子と二人とも見たことがない人物だった。
「君たちは?どこかで会ったかな?」
「彼は私の知り合いでね、まだ<Infinite Dendrogram>を始めたばかりだから初対面だよ」
「オーナー」
「他の皆さんとは挨拶できたのですがアルストさんは留守だったので帰ってきたと聞き挨拶に伺いました。私はユーゴー・レセップス、こっちが」
「TYPE:メイデンwithチャリオッツのコキュートス、よろしく」
「俺は【設計王】アルスト・コジャーソ、〈エンブリオ〉は・・・ヘスティア!」
『はい』
アルストが呼ぶとヘスティアは〈マーシャルⅡ〉と融合したままこちらに来る
「こいつが俺の〈エンブリオ〉だ」
「普通の〈マジンギア〉に見えますが?」
「ああ違う違う、ちょっと出てきてくれ」
アルストが言うと〈マーシャルⅡ〉からバスケットボールくらいの大きさの金属の球体が出てくる
「俺の相棒TYPE:アドバンス・ガーディアンの【機構炉心ヘスティア】だ、この姿だと喋れないんだ、よろしく。しかしメイデンか、メイデンの〈マスター〉何人か知っているけどチャリオッツのメイデンは初めて聞いたかも。やっぱり戦車とかそういう感じ?」
「いえ、コキュートスはそうですね・・・この〈マジンギア〉を借りても?」
「ああ良いけど・・・おお!」
アルストが許可を出すとコキュートスは自分を粒子へ変え【マーシャルⅡ】に集まると氷の装甲となった
「おおお!」
「これがコキュートスの能力です、聞いていたTYPE:チャリオッツとは全然違うので少し不思議ですが」
「いや、そんなことないぞ」
おそらくユーゴーは管理AIに教えてもらったことを言っているのだろうとアルストは自分が始めたときを少し思い出しユーゴーに答えを教える
「ユーゴー、ヘスティアのTYPEを覚えているか?」
「えっと、アドバンス・ガーディアンですよね?」
「そのとおり、二つともハイエンドカテゴリーだが前はチャリオッツだった、もちろん乗り物では無かった」
「そうなんですか?」
「ああ、コキュートスが乗り物型でも無いのにチャリオッツなのはヘスティアと同じく進化したらアドバンスになるんだろう」
「なるほど、ありがとうございます」
「いやいや。それにしても珍しい、〈マジンギア〉の装甲とは、生まれる前から【マーシャルⅡ】持ってたの?」
「はい、オーナーから貰いました」
「なるほど珍しいタイプだな・・・ん?」
「どうかしましたか?」
「いや、少し聞きたいんだがこれは【マーシャルⅡ】以外は無理なのかな?」
「えっと、どうなんだい?」
『かのう、ただしおおきすぎるとむり、たぶんしんかしないと』
(【マーシャルⅡ】以外にも使える、例えばそう・・・ヴィーヴィルにも)
アルストは少し考える、普段の黒竜のような姿にコキュートスを身に着けたヴィーヴィル
「・・・良い」
「はい?」
「ユーゴー君!お願いがあります!!」
「え!?」
突然の土下座に驚くユーゴーだがアルストは周りの目も気にせず土下座を続ける
「ぜひ君の〈エンブリオ〉を俺のヴィーヴィルに使わせてくれないか!!すぐに終わる、この〈マーシャルⅡ〉の用になったヴィーヴィルを見てみたいんだ!もちろんできる限りのお礼はさせてもらう!!なので・・・」
「「「お願いします!!!」」」
「何で増えてるんですか!?」
もともとそういうのが好きな人が多いクランなのだ、もちろん見たいと思う人は多い
ちなみに見たいと思った人たちは当然日本人以外もいたし女の人もいたが全員が綺麗な土下座をしていた
◇
あの後ヴィーヴィルを見てもらったがコキュートスが今は無理と言ったので進化したらお願いすることにして確認をしていなかった特典武具を取り出す
「・・・あのーアルストさん?」
「はいはいドララガンさん?」
「あなたの超級職は?」
「設計王」
「それ以外は?」
「ないよ?」
「その手に持っているのは?」
「【捕食弾倉 ドラグイーター】」
「・・・特典武具?」
「特典武具」
「「「なんでだー!!」」」
「なんでこの人戦闘系超級職でもないのにホームを離れるたびに特典武具持って帰ってくんの!?」
「アルストさん今特典武具何個目?」
「4個目」
「羨ましい!!」
「アルストさん次にどっか行くとき俺も連れてって!!」
「出来たらね」
「てかそれどんな能力なの?只の弾倉ってわけじゃないでしょ?」
ドラグイーターはレンジ位の大きさの四角い箱の形をして一面に食竜王の時のドラグイータの頭がついていた
「まず弾薬を内部に貯めて置ける」
「普通だな」
「アイテムボックスと同じですね」
「《弾丸製造》アイテムを食べさせると普通に作るよりも材料が少なく、大量に作れる」
「これも特典武具って割には」
「弱いですねえ」
「あとは《特性弾製造》これにアイテムを食べさせると食べさせたアイテムの特性を備えた弾丸ができるみたい。例えばこいつに毒が有るものを食べさせたら敵に当たると毒を付与する弾丸を作るとか」
「なるほど」
「とりあえず今持っている飲んだら麻痺になる毒を飲ませる」
「何でそんな物持ってるんですか・・・」
「少し待つ。弾丸の強さで作るまでの時間が変わるみたい」
「例えば?」
「この瓶全部の毒を飲ませたら簡単に抵抗できる麻痺弾が10発、抵抗が難しい麻痺弾を1発を選べるけど抵抗が難しいほうが作るのに時間がかかる。1発の時は普通に飲むときより効果が上がる。それと弾を作るときはアイテム一つだけじゃなくていい」
「どういうことですか?」
「複数のアイテムを使ってより強力な弾を作れる、例えば複数の猛毒を使って当たったら即死級の猛毒の弾を作るとか、その分製造時間も何倍にもなるみたいですけど。もう麻痺弾ができてるみたいですね」
アルストはそういうと自分の手をドラグイーターの口の奥へ入れる
「・・・そう取り出すんだ」
「一歩間違ったら自分の腕でできた弾丸が出来るかもしれませんね」
アルストは出来た麻痺弾の1発を持っていた拳銃に入れると
「撃たれたいひと~」
「「「・・・」」」
「いないの?」
「「「当たり前だ!!」」」
「じゃあ仕方ない、今度モンスターで試そう」
こうしてアルストの近くにいたクランメンバー全員に囲まれながらの特典武具の確認が終わった
【食竜王 ドラグイーター】は食べた相手のスキルを一定時間使えるスキルを持っていた、しかし長い封印と封印を破った後の食事はほぼ普通の地竜で使えるスキルが増えずアルスト達はこのスキルに気づかなかった。
実はアルストと戦った時ドラグイーターはドラグロックのスキルを使い防御力が増していたが、内臓までは強化できなかった。