「おい、見ろよ!マーシャルⅡに使えそうな武装の設計図だ!!」
「こっちには明らかにもう手に入らない超レア素材があったぞ!!」
あれから数日後、アルストは前にデイランを討伐した遺跡にて他の<マスター>達と一緒に発掘作業を行っていた。中にはほぼ100%煌玉馬が有るので周りの<マスター>は全員裏切り煌玉馬を盗み逃げる可能性が低い、機械に詳しいと言う理由で<叡智の三角>の古参メンバー達だ
(まあ【獣王】が居る前でそんな事する阿呆は居ないと思うけど)
ラインハルトは他の用事があるらしくこの場所に居ない(皇王なので当たり前であるが)代わりにアルスト達の護衛兼見張りとして【獣王】が居る
「おい、そっちはまだ何があるか確認してないから危ないぞ」
「平気平気、ここを守ってたやつらも動いてなかったし」
長い年月でこの遺跡を守っていたと思われる機械は殆どが壊れたかMP切れで動けず只の鉄の塊だった
「デイランが最後の一体だったみたいだな。煌玉馬を保管している場所にしては手薄だが。長い年月侵入者と戦う内にデイランだけ残ったか」
アルスト達は奥へと進んでいき一番奥の部屋で煌玉馬を見つけた
「おお!」
「これが煌玉馬か、初めて見た」
「名前は【翡翠之大嵐】か、大昔に作られたのに汚れ一つない」
「アルストさん、これ奥義で設計図作って量産「無理ですね」はや!」
「奥義でも何も見えません。超級職の奥義を妨害する何かが有るみたいですね。まったく、これといいフラグマンってどんな化け物ですか」
これとはこの遺跡にあった資料の一つ。これによればフラグマンは煌玉竜という神話級<UBM>と同等以上の力を持つ兵器を<エンブリオ>も無しに作ったらしい
(これはその煌玉竜の一体【瑠璃之蹂躙】の墜落予想地点のデータ。見る限り海の中みたいだしもしかしたらまだ海の中にあるかもしれない。これはオーナーに相談だな。ヴィーヴィルでサルベージは出来るかもしれないけど目立つし)
現在〈叡智の三角〉では水陸両用の〈マーシャルⅡ〉を作る計画を立てているが、実用化は当分先だろう、となるとオーナーが深海用のモンスターを作る方が断然早い
「この部屋で最後ですか?」
「はい、ジョブと〈エンブリオ〉で調べましたが隠し部屋のようなものは見つかりませんでした」
「では帰りますか。これから忙しくなりますよ」
アルスト達が皇都に戻ると【獣王】は煌玉馬をラインハルトに届けに分かれアルスト達はホームに戻りフランクリンに遺跡で手に入れた資料を渡す
「オーナー、それ役に立ちそうですか?
「ああ、まさかこんなとんでもない物が眠っていたとは。陛下に頼みごとができたかもしれないねぇ」
「もし手に入れられたら私にも少し見せてくださいね。ヴィーヴィルの格闘用竜脚や装甲の強化に使えるかもしれません」
「もちろん、名前の通り形は竜だろうからヴィーヴィル強化の参考になる部分は多いだろうね。おや、これは・・・」
「煌玉竜とは関係ありませんが遺跡から出てきた別の遺跡の資料です。ただ場所が・・・」
「カルディナか・・・もしかしたら手遅れかもしれないね」
「はい。しかも何の為の遺跡かも分からず遺跡内がどの様になっているのかが不明です」
「不明・・・何もないかもしれないし煌玉竜のような化け物兵器が有るかもしれない。陛下に報告して調査を行う必要があるね」
□
その後アルストはフランクリンと共にラインハルトに会いに行き遺跡にあった資料の事を報告する
「分かりました、煌玉竜はグランバロアに気づかれないように見かけだけの海軍を作りますのでその間にサルベージを行ってください。遺跡は・・・難しいですね、距離が有りますしカルディナに気づかれたら厄介ですから大勢は送り込めません」
「最悪私一人で大丈夫です!」
「・・・そうですね、皇国の主戦力は顔も名前も知られていますが貴方は着ぐるみを着ていたので知っている人物も少ないでしょうし貴方に任せます」
「はい!・・・あのう、それでお願いがあるんですが」
「何ですか?」
「【ヴィーヴィル】を持っていくのは駄目・・・ですかね?」
【ヴィーヴィル】はアルストの持ち物だがその製造に協力した皇国にアルストは言う事を聞かなければならない、ラインハルトが持ち出し禁止と言えばアルストはヴィーヴィルを持っていくことができないのだが
「かまいません」
「本当ですか!?」
「あれを動かせる者は数えるほどしかいませんし、扱えるであろう【地神】は使う可能性は低い。そもそもあれは貴方の特典武具が無いとそこまで脅威ではありませんので」
「ありがとうございます!」
「しかし直ぐには行けません。カルディナも戦争が起こったばかりでこちらの監視をしているでしょう。近々やってもらいたいことも有るので」
「分かりました、それまでは【ヴィーヴィル】の改良に努めます」