□【翠玉之改造者】ヴィーラ
(特に何もありませんね)
ヴィーラは〈遺跡〉に潜り込んだ後、探索を続けたが兵器らしきものは発見できなかった
(まだ見てない道はあと一本。しかしあの奥から外では見なかった煌玉兵が道を守り背中には生物を取り込まずとも動けるようにケーブル。恐らくこの〈遺跡〉の指揮官機でもいるのでしょう)
『ヴィーラ、聞こえるか?』
「どうかしましたか?マスター」
『大勢の王国の〈マスター〉達が〈遺跡〉内へ入っていったこの〈遺跡〉を攻略するつもりだろう。しばらくしたら接触するだろうから注意してくれ』
「了解」
(いくら壊れても良いとはいえこのまま何の収穫も得ずに壊されるのは嫌ですね。とりあえず今の私の体では奥の指揮官機は壊せませんし彼らに倒してもらってから考えましょう)
ヴィーラは近くの破壊された煌玉兵の残骸を目立たない所に集めその中へ身を隠す、そして数分後には王国の〈マスター〉達が煌玉兵を破壊しながら奥の道へと進んでいった
(〈マスター〉達が奥に進んで数分。そろそろですかね)
ヴィーラは残骸の山から出ると音を立てないよう注意しながら奥の道を進んでいく
付いた先には〈マスター〉の姿は無くあるのは煌玉兵の残骸、そして
煌玉兵達の討伐目標『獣の化身』であった
「あれ、見られちゃったか」
「会うのは初めてですね獣の化身」
「そうだね、煌玉人0号機。今はヴィーラだったか。まさか僕たちの知らない煌玉人がいたなんて驚いたよ。さて困ったぞ、僕たちは〈マスター〉やティアンの人たちに存在を知られるわけにはいかなくてね、君が一人だけなら壊して終わりなんだけど。今の君を壊しても意味が無いみたいだし〈マスター〉に所有されている君を壊すわけにも行けない。頼むから僕の存在やジョブリストの事は他人に話さないでね」
「もし話したら?」
「不自然すぎるけど話そうとしたら君を壊すよ。まあ、ジョブリストの方は既に何人か知っている人もいるし【猫神】とか存在しないはずのジョブの事を誰にも言わなければ良いよ。でもそれは色々な人物が欲しがるだろうからあんまり広めないでね、君のためにも」
「・・・分かりました」
「助かるよ、僕も〈マスター〉である彼に影響を与えるようなことはしたくないからね」
「では・・・その指揮官機、貰っても良いですか?」
「良いよ、僕はいらな・・・」
獣の化身と話していると、〈遺跡〉内に轟音と激しい揺れが起こった
「地震?」
「・・・まずいな~」
「え?」
「君も早く戻った方が良いよ、じゃあね」
そう言うと獣の化身は〈マスター〉トム・キャットの姿になると何処かへ走り去ってしまった
『ヴィーラ、聞こえるか!?』
「はい、どうしましたか?先ほどから凄い揺れが起きているのですが」
『決戦兵器が動き出した音だ!何か収穫はあったか』
「はい、【ヴィーヴィル】の強化にも使えるかと」
『分かった、俺たちが居た場所まで戻ってきてくれ、バルバロス殿はあれを破壊することにしたらしい。俺たちもあいつが外に出た時の準備をする!』
「了解!」
ヴィーラは近くにあった指揮官機【風信子之統率者】を含む煌玉兵をアイテムボックスに回収すると〈遺跡〉から脱出をする