「ただいま戻りました」
「ああ、元帥は兵器を止めにいった。早速で悪いが二人とも直ぐに【ヴィーヴィル】を動かす準備を」
『「了解」』
□
「ただの戦車型かと思ったら戦車と戦艦二つで一つの兵器か」
アルストは木に登り出現した決戦兵器をみてそう呟く
「あれもフラグマンの作品みたいだしぜひ戦ってみたいが相性が悪いみたいだな」
アルストはバルバロスからあの兵器の特性を教えてもらい何らかの理由であれには攻撃が効いていないことが分かった
「戦艦は自己修復と謎のスキル持ちで戦車は攻撃が聞かないと」
『マスター、準備出来ました』
「分かった、すぐ行く」
そういってガレージの中に入り【ヴィーヴィル】のコックピットへ向かう途中、凄まじい音と衝撃がアルストを襲う
「イテテ、ヘスティア何が起こった」
『どうやら戦艦の方の攻撃のようです、金属の塊であるヒレを落とした衝撃がここまで届いた模様』
「早くしないとこの辺更地になるな。ヴィーラ、あいつの攻略法分かるか?」
「あの決戦兵器相手に遠距離攻撃は難しいです、相手に突っ込んで直接攻撃した方が良いかと」
「分かった、全速浮上!攻撃と移動に防御用MP以外全部注げ!」
『了解』
◇
□【煌騎兵】レイ・スターリング
地上の兜蟹をアズライトに任せ、空中の鯨を倒すためにシルバーに乗り鯨へと駆けていく
「Gyaaaaaaaaa!」
突然後ろからモンスターの遠吠えが聞こえて慌てて後ろを振り向く、しかしそこに居たのはモンスターではなく
「【飛竜戦艦 ヴィーヴィル】・・・ッ!」
かつてフランクリンと共に王国に侵入しフランクリンと共に指名手配を受けた皇国の〈マスター〉だった
ヴィーヴィルはレイを気にも留めずクジラに突撃する。クジラから放たれる無数のビームもヴィーヴィルを守る結界には効いていないようでクジラからの攻撃を気にせずどんどん進んでいきクジラの近くまで行くと二本の足でクジラを殴り始めた
『す、すごいのう』
「ああ、だけど効いていない」
正確にはダメージは届いているが直ぐに修復されている
クジラの硬さに諦めたのかヴィーヴィルは頭の向きを変えるとクジラから離れて行く
「逃げる気か」
『いや違う!マスター急いで離れろ!!』
ヴィーヴィルはレイたちの方向へ向けて猛スピードで飛んでくる。予想外の行動に驚くレイだがネメシスを構え近づいてくるヴィーヴィルを睨む。しかしヴィーヴィルはレイたちの前まで来ると静止しヴィーヴィルからアルストの声が聞こえてくる
『おい、お前あいつを倒せるか』
いきなりの質問だがレイは迷わずに答えた
「ああ!」
「分かった、あのビームは出来る限り俺が何とかするからお前は本体をどうにかしろ」
そういうとヴィーヴィルはクジラの元へ向かって言った
『どういうつもりかの』
「分からない、分からないけどあのクジラを倒すのに協力してくれるなら今は味方だ。シルバー、あのクジラの上へ!」
◇
□【設計王】アルスト・コジャーソ
「こいつ直ぐ修復するな」
何とかヴィーヴィルの攻撃範囲内まで近づいたアルストだったが目の前のクジラの形をした決戦兵器の修復能力を前にめんどくさそうに呟く
『アルスト・コジャーソ』
「元帥閣下、生きていましたか!今どこに」
「そんなことはどうでもいい、ヴィーヴィルで破壊は可能か?」
「厳しいですね、相手の攻撃から身を守るためにMPを注いでいるため攻撃の手段が減り爪による打撃も効果が薄いです」
「ならば〝不屈″を援護しろ」
「え?ちょっと将軍!?・・・切れた」
『どうしますか?』
「はぁ、レイ・スターリングは?」
『後方に』
「じゃあそこまで移動、本当に倒せるか確認する」
アルストはレイの所まで行き返事を聞くと例が戦艦を倒せるようにレイを狙っているビーム兵器を壊していく
『自信があるみたいでしたね』
「ならばさっさと倒してもらおう。レイ・スターリングが防御出来ない角度にあるやつを優先的に破壊」
『了解』
「レイ・スターリング落ちてきます。落下して決戦兵器に近づくようです」
「無茶するなぁ」
これもメイデンの〈マスター〉だからかなのかと最近クランを去った一人の知り合いを思い出し呟く
『アクシデント発生!レイ・スターリングが転移してきたかと思ったら戦艦の下に!』
「戦艦が距離を変化させるスキルを解除、解除の影響で戦艦と衝突すると思われたレイ・スターリングは煌玉馬のスキルにより瞬間移動をした模様」
その後、死角になっていたのでアルスト達は何をしたのか見えなかったがレイ・スターリングが戦艦を巨大なビームで貫いた
『戦艦の重要施設破壊を確認。尾びれに当たる部分が落ちて下の戦車型と衝突、中に蓄えていた修理素材のアイテムボックスが壊れたようです』
「もったいない、後で回収できないかな」
『マスター!』
アルストが下の貴重な素材アイテムを残念そうに見つめているとヘスティアが焦りの声を出す
「どうした」
『戦艦の残った部分の高度が下がり始めました!このままだとカルチェラタンの中心へ突っ込みます!』
「レイ・スターリングが戦艦の前方に、墜落を阻止しようとしているようです」
「止められそうか」
『重すぎてヴィーヴィルの力を合わせても不可能です、このままでは戦艦は爆発。巻き込まれればヴィーヴィルにも酷いダメージが』
「さすがにここでヴィーヴィルに傷を付ける訳には。しかし元帥はこの地を守りたい様であったし・・」
自分はどう動けばよいのか、アルストが悩んでいるとヴィーラが外の異変に気付き報告する
「戦艦再浮上。推進器にかかる負荷による自壊を気にしていない・・・どうやら被害を抑えるため上空へ向かおうとしている模様」
「ならばヘスティア、竜脚で戦艦の補助を」
『了解』
ヴィーヴィルが戦艦の一部を掴み移動の補助を行うがもうすでに限界なのか特に抵抗をすることなく戦艦は空に昇っていく
「そろそろ限界の様です、避難を」
「分かった、ヘスティア。急いで戦艦から離れてくれ」
『了解です』
ヴィーヴィルが離れて数十秒後、戦艦は空の上で爆発して木っ端みじんになり、小さな欠片と粉の様な物を地上に降らせた
「戦艦の一部でも持って帰りたかったが・・・これでは無理だな」
『この粉の様なアイテムも集めるのは困難ですね。王国の〈マスター〉にも見られましたしバルバロス様と撤退いたしましょう』
ヘスティアがヴィーヴィルを操作して降下していくか、ヴィーラは戦艦が爆発した場所を見上げ黙祷を行う
(化身よりも人々を選んだ優しき弟・・・長い間お疲れさまでした。)
『ヴィーラ、どうかしましたか?』
「いえ、なんでもございません。それよりも戦車型にもあの粉状のアイテムは搭載しているはずなのでしたの戦車からなら簡単に回収出来ると思います」
「本当か。元帥の方はマルチネス大佐がどさくさに紛れて回収して今皇国に帰っていると連絡が来たし王国側がこちらに何かを起こそうとする前にさっさと回収して帰るぞ」
『了解』
ヘスティアはヴィーヴィルと操縦して戦車型の近くまで行くと竜脚で戦車の一部を破壊してそのまま竜脚で持ったままドライフへの帰路につく
『それにしても、少し前にギデオンを襲った敵国の人間の一人に大きな声でお礼言いますかね普通』
「まあそこが彼の良い所なんだろう」