第52話
□【設計王】アルスト・コジャーソ
「王国に新しく〈超級〉が加入したか」
〈叡智の三角〉所属のアルスト・コジャーソ。彼は設計部門のトップとして与えられた一室で自分がカルディナに行っている間に何が起きていたのか確認を行っていた。そんな時、扉からコンコンと音がして扉が開き一人の女の〈マスター〉が入ってくる
「失礼します。ヴィーラさんから例の指揮官機の調整が終わったので来てほしいと。それと例の物ですが制作部門から目標数まであと数日はかかると」
「ありがとうございます。それではヴィーラの所へ「お待ちください」・・・何です?」
「先にやる事がありますよね?」
「・・・ん~?」
「とぼけても駄目ですよ。さっさとここにある依頼を全て完了させてください」
そう言った彼女が示す先にはアニメなどで見る仕事が忙しい人の机の様に大量の紙が詰まれて作業スペースがほぼ見え無いアルスト専用の作業机だった
「・・・」
「ちなみに、逃げても無駄ですよ。部屋の外に何人か待機しているので出ればすぐに捕まります。仮に彼らから逃げてもこの依頼は皇王様からの指示でもあるので直ぐに【獣王】に殺されます」
「・・・設計部門の誰かに「頼めないのは貴方が一番分かってますよね?」はい・・・」
これだけの数の依頼がアルストに集中するのは既に作成されている設計図を【設計王】の奥義によって事前に製作可能な物なのかどうかの確認。そして【設計王】作の設計図通りに作成すると発生する制作物の性能アップが目的だ。会議の内容によっては即戦争開始となるため現在〈叡智の三角〉ではマーシャルⅡ等の兵器の開発・量産が行われていたりと皆大忙し
「俺、こんな書類仕事みたいなことするためにデンドロ始めたんだっけ・・・」
◇
「やっと終わった・・・」
アルストが部屋に軟禁状態にされて二日後、部屋からは疲れた様子のアルストが出てきた
「最終的に俺が全部設計図を確認しないといけないとはいえ量が多すぎるだろ」
「実はあれでも減った方なんですよ」
「ヴィーラか、あれで減った方?」
アルストが愚痴を言いながら歩いているとヴィーラが何処からともなく表れた
「はい、依頼の内容が多かったため事前に私や他の設計部門の方がチェックを行ったのですが、思いついたことを取り合えず書きなぐったような設計図や趣味に走りすぎて戦闘に全く関係ない物などが多くあれでも3~4割削った量なんですよ」
「うちのクランメンバーってなんでそういう後先考えない部分が有るんだろう」
「まあそういう人ほど凄い物を作ったりしますし。そういえばあの指揮官機はどうしますか?調整もすべて終わってご主人様の指示でヴィーヴィルに搭載可能です。ですが私としては一度起動実験を行いたいですが」
「勿論行う、正常に稼働する事が確認できれば次はポーンと接続してのテストを。後ヴィーヴィル搭載予定の武装も確認する」
「指揮官機はともかくポーンと武装もですか?会議が近いとはいえやる事は話し合いですよ?そんなに兵装を使う事態になるでしょうか」
「無いならそれに越したことは無い。だけど話し合ってはい終わり、ともならない気がするんだよな。まあ特典武具と【魔装王】だけでも戦力としては十分だと思うからポーンと武装に関しては可能ならってことで」
「承知いたしました」
二人はそのまま指揮官機と呼ばれる物がある場所へと歩いていく。そこにはアルター王国に遺跡にて発見された煌玉兵の指揮官機が置かれていた
「調整済みって聞いたけど何をしたんだ?」
「〈マスター〉とバグでティアンを敵と認識していたのでその辺りを変更してご主人様をマスターとして認識する様にプログラムを修正いたしました。あとやはり煌玉人と比べると突発的な状況への柔軟性が欠けるので知能面のアップグレードを行っている途中です」
「途中なのか?」
「はい。しかし起動して簡単な命令を実行させる分には問題ございません」
「それなら良い。じゃあ現時点でどのレベルなのか見ておきたいからそろそろ起動してくれ」
「承知いたしました」
ヴィーラはアルストの命令を受け指揮官機から伸びるケーブルの先、コンソールを操作して指揮官機に起動するよう命令を送る
『・・・』
命令を受け取った指揮官機は起動音と共に目覚め目の前にいるアルストを認識すると膝を付き頭を下げる
『ご命令を』
指揮官機に興味があり周りから見てた者達からおぉと声が上がる
「何か違和感は無いか」
『動きに問題はございません。しかし前と比べて体の動きが遅く前ほどの戦闘は行えそうにありません』
「それに関しては問題はない。後でいくつかテストをさせてもらうからな」
『了解』
□
その後指揮官機は全てのテストをクリアして無事ヴィーヴィルに取り付けられることになった
「近いうちに戦闘が起きる可能性がある、お前はそれまで今の姿での戦い方に慣れておいてくれ」
『了解』
「そう言えばお前って名前あるの?有るなら呼ぶときに便利なんだけど」
『機体登録名:
「じゃあこれからはそう呼ぶな。これからよろしく、ジルコン」
『了解』
ジルコンは遺跡に居た時ほどのスペックは無いです。チェシャにボロボロにされた体は修理したけど技術力がフラグマン程無いので。
あとジョブリストについて何も言わないようヴィーラがロックを掛けてます、何かの拍子で【兎神】なんてジョブが無いとか言い出したら大変なことになるし。