ある男の飛竜戦艦   作:ゴロゴロ鼠

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第54話

□【飛竜戦艦 ヴィーヴィル】艦橋

 

ヴィーヴィルの艦橋には現在三つの人影があった。艦長席に座るのはヴィーヴィルを作った本人、現在の職業は【魔装王】のアルスト・コジャーソ。そして操縦を握るのは煌玉人0号機のヴィーラ、そして専用のコンソールに接続されヴィーラの補佐をしているのが最近発見された〈遺跡〉にて先々期文明の兵器である煌玉兵の指揮官機であった【風信子之統率者(ジルコン・リーダー)】だ

 

「ご主人様、もうすぐ旧ルニングス領です」

 

「分かった、最後まで付近への警戒を行るな」

 

その時、コンコンコンと艦橋の外へと繋がる扉から音がして「失礼いたします」と二人と一匹が艦橋に入ってくる。アルストは席から立つと頭を下げる

 

「クラウディア様。いかがなさいましたか、何か問題が?」

 

「いえ、後どのくらいで到着するのかなと。探検がてら聞きに来たのですわ」

 

「そうでしたか。もうすぐで到着できますよ」

 

「まあ!もうですの?やっぱり空から行くと早いですわね」

 

「そうでしょうか?走った方が速いですよ」

 

「貴方とベヘモットはそうでしょうね」

 

(何か嫌味に聞こえるけど普通にそう思ったから言っただけなんだろうなぁ。レヴィアタンって自分とベヘモット以外を下に見てる感じがして苦手なんだよなあ)

 

話を合わせながら心の中で少しげんなりしているアルストだった

 

□【飛竜戦艦 ヴィーヴィル】貨物ブロック

 

本来は物資を遠くに運ぶための貨物ブロック、そこには現在皇国の〈マスター〉達が乗っており窓からの景色に声を上げていた

 

「うおおお・・・」

 

「おい、さっきから煩いぞ」

 

「だってよぉ、デンドロで空飛べるなんて思ってなかったからよ」

 

「まあそれは分かるが」

 

男が周りを見てみると興奮していた男の様に窓の外を見ながら近くの者と楽しそうに話している者は多い。ここに居るのはそれなりにデンドロを長期間遊んでいる者達だがそんな彼らも空を飛んだ経験がある物はほとんどいない。それだけこの世界の空を飛ぶと言うのは難しいのだ

 

「まさか王国との会議場所までヴィーヴィルで運んでもらえるなんてな。これだけでも今回のクエストを受けてよかったぜ!」

 

 

今回皇国の〈マスター〉達は皇王に指定された場所に集合してその後クエスト参加者全員で旧ルニングス領まで向かうつもりだった。皇王の方で移動手段を用意して置くとの事だったので【ガイスト】でも準備したのかと思い指定された場所に行くと何も、誰も居らず場所を間違えたのかと集まった〈マスター〉達で依頼書を読み直していると

 

『あー、すみません少し遅れました』

 

そんな声が上から聞こえ上を見てみると、そこには皇国に住んでいる者ならだれでも知っているドライフ皇国最大級の〈マジンギア〉【飛竜戦艦 ヴィーヴィル】がゆっくりと降下し、地面すれすれまで船体を降下させると生物でいう胴体に当たる部分からタラップが下りてきて『乗ってください』と言う指示が。まさかあの戦艦に乗れるのか!?と〈マスター〉達は興奮し我先にとヴィーヴィルに乗船していった

 

 

「そう言えば、アルストはヴィーヴィルの操縦をしているのでいないのは分かるんですがローガンやベヘモットの姿が見えませんね」

 

「確かベヘモットはクラウディア姫の護衛をしていたから姫と一緒にアルストの所にでも行ったんじゃねえか?ローガンの方は〈超級〉ってことで特別待遇として個室に通されたって聞いたな」

 

「成程、やっぱり〈超級〉は特別待遇か~良いなぁ」

 

「そう言うな、折角の初めての体験をローガンに嫌味を言われながらなんて嫌だろう?アルストのやつはそう言う所も考えてくれたんじゃねえのか?」

 

それを聞いていた者達は確かに首を振っていた。その後、少しの空の移動を楽しんでいるとスピーカーからのもうすぐで到着と言う連絡に下船の準備を始めた

 

□【飛竜戦艦 ヴィーヴィル】艦橋

 

「は~、疲れた疲れた」

 

アルストは今回の会議に参加する者達を空路で安全に届けた後、連れてきた〈マスター〉達が会議のための場所を作成している間は会議の邪魔にならない様に付近のモンスターを狩るなどをしていたら日が沈みあたりが暗くなっていく。ヴィーラたちに付近の警戒を任せ自分は明日の会議までゆっくりしようと椅子に深く座り込もうとしたとき

 

「ご主人様、姫から通信です。可能なら風呂場を貸してほしいと」

 

「風呂か」

 

ヴィーヴィル内部は全体的に空間拡張が行われており本来かなりの広さを持つ内部は更に広くなり戦艦として必要な施設以外にも来る途中にローガンが居た客室など趣味に走った場所が複数ある。その中の一つが大人数で一緒に入れるほどの大きさを持つ風呂場(男女分かれている)だった

 

「分かった。それじゃあ降下してくれ」

 

「了解」

 

この後、クラウディアとベヘモット、レヴィアタンの三人を風呂場に案内して艦橋へと戻るアルスト。その後寝にくいと〈マスター〉の集団がアルストに相談に来たので貨物ブロックを貸してやったりと色々あったがその日は特に大きな問題はなく、次の日を迎えた。そして

 

「ご主人様、こちらに向かってくる〈マスター〉達を発見いたしました」

 

「来たか」

 

今回の会議の相手、王国のティアンと〈マスター〉が来たことをスピーカーで皆に知らせ艦長席に座る

 

「さて、この会議。最終的にどうなるかな」

 

勿論戦闘など何も起きず終われば良いのだがそうはならないだろうと半ば確信しアルストはヴィーヴィルの武装の最終確認を行う

 




ちなみに皇国の〈マスター〉達が居た貨物ブロック、あれアルストの操作で簡単に切り離せます。勿論全員契約書で縛ってあるのでヴィーヴィル内部で暴れたりは出来ない。


・寝にくい〈マスター〉達
ルニングス内の宿泊施設は一年以上放置されている+もしかしたらこのベットの上でティアンが死んでいたのではと考えてしまい寝る場所が無くなった人たち。野営もモンスターに襲われたくないのでそれならヴィーヴィルの中で寝かせてもらえないかとアルストに相談。無事OKが出て全員で貨物ブロックで寝た。寝る前に合宿みたいな雰囲気になりタイプの人の名前を言い合ったり枕投げをしたりと学生の様になっていた人たち。
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