いやー、安易に無限とか書いたら駄目ですね、どうすれば破綻しないか悩みました。
もう少し早く投稿できるように頑張ります。
そう言えば半年の間にデンドロが無い世界に転生してデンドロを作るみたいな話面白いかなと思いました。何で話の続きは簡単には出ないのにこういうの新しい話は出てくるんでしょうかね。
□国境地帯・上空
【聖剣姫】と【衝神】の超級職同士が激突する場所から少し離れた場所、【魔装王】アルスト・コジャーソを倒すべく先ほどまで攻撃を行っていた【堕天騎士】ジュリエットと【大海賊】チェルシー、そして【傾国】のテイムモンスターのルビエラだったが。現在ジュリエットは自身のエンブリオによって空を飛びルビエラはドラゴンの姿で背にチェルシーをのせ【魔装王】が乗る特大〈マジンギア〉【飛竜戦艦 ヴィーヴィル】の攻撃を必死にかわしていた
「このままではやられるのも時間の問題です!」
(相手の事を甘く見ていた!〈エンブリオ〉の情報から〈超級〉になったとしても攻撃能力は〈マジンギア〉だより。追加パーツとして特典武具数個を計算に入れても私の必殺スキルで落とせば勝機はつかめると思ったのに・・・ッ!)
チェルシーはルビエラの上で自分の考えの甘さに顔を歪める。勿論あいて(アルスト)を下に見ていたわけではない。しかし自分の必殺スキルを決めることが出来ればあの人造竜は地に落ち地上にいる〈マスター〉達の力も合わせれば簡単とはいかずとも倒せると考えていた。
「今は攻撃を避けることに集中して!本当に無限にMPを生成できるとしてもそんな必殺スキルが長時間発動できるはずがない。今は時間まで粘るしか」
しかし結果は相手が必殺スキルにより先ほどまでよりも激しい攻撃を始めこちらは逃げるしか現状出来ることが無かった
(私とルビエラの攻撃は、情報に合った《魔装》と結界を張る特典武具で通じない。ジュリエットの闇属性魔法も《魔装》で威力を下げられる上に〈マジンギア〉のどこにいるのか分からない【魔装王】に当てるのは難しい)
チェルシーは次の手を考えながら気休め程度ではあるがジェムを使いヴィーヴィルを攻撃する。ルビエラとジュリエットもヴィーヴィルの攻撃を避け隙を見つけては攻撃していく。すべての攻撃は結界によって防がれているがずっと周りを飛び回られるのにイラついたのかそれともほかの理由かヴィーヴィルに変化があった
「あれは・・・ッ!」
ルビエラがヴィーヴィルの変化に気づき大きく距離を取る。ヴィーヴィルは《雷霆防幕》を発動しながら推進器に大量のMPを注ぎ放電しながらチェルシーたちへと突っ込んでいった
「何て力業・・・このバカ浪費〈超級〉!いくら魔力が有り余っているからって使い方ってもんがあるでしょうが!!」
『量を気にせず使える物を使わずに大事に温存して負けるような愚かなゲーマーにはなりたくないので』
チェルシーの言葉にアルストが反応しながらもヴィーヴィルはチェルシーたちへと突っ込んでいく。放電している範囲は広くチェルシーたちはいよいよ回避に専念するしかなくなっていた
□管理AI作業空間
「・・・」
ラビットは自身の〈マスター〉の願いの為、自身を縛ることになる〈戦争結界〉の発動回避のため皇国の〈マスター〉クロノ・クラウンとして王国と皇国の国際問題に干渉。それに管理AIとして過ぎた行いだと同じく管理AI十三号のチェシャがラビットを止める為に戦った。結局チェシャは負けたが色々ありラビットは王国の〈マスター〉にキルされ管理AI達が作業を行う空間へと戻ってきた。
(〈戦争結界〉が発動するのはほぼ確定、キルされる最後に良い物が見れたとはいえやっぱりなぁ・・・)
ラビットは心の中でため息を吐くと気持ちを切り替えある場所へと向かった
「・・・やっぱり来たわね、ラビット」
「やっぱり?僕がここに来るのが分かったのかい、ハンプティ」
その場所は〈マスター〉に移植される前の第零形態の<エンブリオ>を保管している場所で管理AI2号のハンプティダンプティはこの空間の管理を行っている
「彼はあなたが原因で<エンブリオ>を第七形態へと進化させた、それもあって必殺スキルの件が気になって私に聞きに来るんじゃないかと思ったわ」
「・・・その通りだよ。超級エンブリオの出力で無限のMPを生成する。そんなことが可能なのかい?」
これをチェシャと戦っている時聞いたラビット(とチェシャ)はかなり混乱した。皇国でアルストが〈超級〉になったと知った時はヘスティアの能力からMP生成に関する必殺スキルだとは予測していたが無限のMPを生成できると言うのは予想外だった。なので<エンブリオ>担当であるハンプティダンプティに詳しい事を聞きに来たのだ
「不可能に決まってるじゃない。あなたも知っているでしょう?そこまでの出力は<無限エンブリオ>に進化しないと無理だって」
しかしハンプティから帰ってきた回答は管理AI全員が持つ常識だった
「それは分かってる、じゃあ彼が言った事は相手を怯ませるためのただの嘘だったのか?」
「嘘、とは一概に言えないわね」
「?」
ラビットが頭に?を浮かべるとハンプティは【機構炉神 ヘスティア】の必殺スキルの説明を始める
「彼のエンブリオの必殺スキルの効果は簡単に言えば自身が必要とする量のMPを作る能力なの。無限ではなく必要量だけ、必要量が膨大な量でもあのエンブリオはその量を用意する、そういう必殺スキルだしね。だからまあ無限にMPを生成していると言っても良いかもしれないわね、どちらにしろ好きな量のMPが使えるのだから」
「なるほど、必要な量だけ・・・でも上限はあるのだろう?」
「もちろん、〈超級エンブリオ〉の身ではたとえどのような代償を払おうと上限は存在する。ただ第七形態に進化した時のリソースをほぼ使ってるし必殺スキル使用時に外部コストやスキル使用後の代償もかなり抱えているからよほど無茶な量を要求しなければ上限なんて行かないと思うけど、もし上限を越えたらどうなるのかしらね」
◇
始めて必殺スキルを試した時、アルストは見学していたクランメンバーと共に納得した
『必殺スキルに代償があるのは珍しい事ではない』
『必殺スキルの効果を考えれば納得のデメリットだ』
しかし・・・
(可笑しい、不釣り合いだ)
ただ一人、クラン〈叡智の三角〉オーナーにしてアルストと同じく〈超級エンブリオ〉【魔獣工場 パンデモニウム】を持つMr.フランクリンだけはヘスティアの必殺スキルに違和感を覚えた
(無限のMPを生成、まあ無限と明記されているわけではないが効果としてはほぼ同じ。そんな〈超級〉でも破格の能力が事前リソースの消費と発動時間に比例した全スキルの機能停止、そして必殺スキル使用中の〈エンブリオ〉自体の機能制限。この三つでつり合いが取れていると?)
フランクリンは頭の中で考えてみるがやはりあの三つの代償だけでは無限のMP生成とは釣り合わないと考える
(考えられるのはヘスティアがMP生成特化型だから。アルスト君にも聞いた感じ進化時に得たリソースはほぼ必殺スキルに使用したとみて間違いない。スキルも一部無くなっているらしいからそれも使ってギリギリ足りたのか・・・それとも)
まだ代償があるのか
(・・・さすがにそれは無いか。スキルの説明も確認しているしヘスティア自身が詳しく把握しているだろうしねぇ。コミュニケーションが取れる〈エンブリオ〉は
自分の考えすぎかとフランクリンはこの話を終わらせた。
結論は代償三つが必要な必殺スキルだという判断に終わった。システムウィンドウに記載された説明文も確認し必殺スキルを使用する本人であるヘスティアにも確認を取ったので間違いはない。
システムが、ヘスティアの話が正しければ、の話ではあるが
前回何で、堂々と無限のMP生成を行う必殺スキルだと言ったアルストの発現が《真偽判定》に反応しなかったのか。チェルシーたちが《真偽判定》を持っていなかったのではなく単純に必要量=無限のMP生成じゃね?と思った結果です。嘘と思って喋ってないから反応しなかったのです。
下手したら馬鹿な奴が何も考えずに詐欺系統の超級職とか取れちゃうかもね。