魔王降臨   作:第六天魔王

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注意点
・文字が他の作品より少ない
・駄作の可能性
・不定期更新
・他の作品の影響あり



魔王誕生

西暦は199X年。

ここは、愛知県・某所。

 

この日の天候は最悪だった。

雷が鳴り響き、風は豪雨である。

 

 

 

 

 

他の家とは比べ物にならないほどの

広大な土地と屋敷があった。

屋敷は武家屋敷に近い造りになっている。

そして、屋敷の表札には、織田の文字。

 

外には赤い車が多く駐車しており、

中には赤い服を着た者達が大勢いる。

 

その者達は、一人佇む髭を生やした威厳ある男の機嫌を伺っている。

その男の名は織田信虎という。

 

時間は過ぎていく。

一人は汗をあき、一人は祈るようにして、ただ待っている。

 

そこに、大きな泣き声が聞こえる。

赤子の泣き喚く声だ。

 

周りがざわつく。

しかし、信虎は、静かに立ち上がり

少し離れた部屋に赴く。

 

 

 

 

 

そこには、医師が数人と一人の女がおり、

女の方は赤ん坊を抱えていた。

赤子は既に泣き止んでいた。

そして、女は間違いなく、赤ん坊の母だろう。

 

しかし、様子がおかしい。

出産の直後といえども、だ。

赤ん坊を見て喜びながらも、その女は辛そうに泣いていた。

 

信虎は

女に対し尋ねる。

 

「紅貴よ、調子はどうだ。」

 

「申し訳ありません…」

 

紅貴と呼ばれた女は泣くのを止めた。

口数は2人とも少ない。

 

「そうか…、ご苦労だった…」

「こちらこそ。」

 

信虎は言う。

 

「何か言い残すことはないか…」

 

「何もありません…

 しかし、お願いがあります。」

 

目を伏せながら、

 

「何だ、言ってみろ。」

 

紅貴は苦しそうに、願う

 

「この子には、闇の世界を、知られたくありません。」

 

「………」

 

「この子には、闇の世界で、暮らさせたくありません。」

 

「………」

 

「どうか、普通の生活を、おくらさせては、いただけませんか…」

 

それらの言葉は偽りのない本心であろう。

信虎もそのことは分かる。

彼も同じ願いを持っている。

 

だが、現状では到底無理な話だ。

 

「無理だ、この子には吾が後を継いでもらう。」

 

紅貴は、先ほどよりも顔色悪くして

 

「そうですか…無理を言って申し訳ありません。ではせめて、

 この子の名前を決めさせてはいただけませんか?」

 

「無論だ。なんという名前が良いか」

 

「この子は闇の世界に行かなくてはなりません…、

 それに合う、ふさわしい名を授けなければなりません。」

 

一息空ける。

 

「例えば、そう、魔王。」

 

雷と雨が強くなってきた。

 

信虎は首をかしげる。

 

「魔王か?変でないか?」

 

「ええ…ですから、魔王の名を持つ男の名をいただきます。」

 

雨は風と混じり、豪雨となる。

 

紅貴は力が抜けていうのを感じながら

 

「私達の先祖の中で、類無き最大の繁栄を

 築き上げた男の名を使います。」

 

「そうか…では、この子の名前は…」

 

紅貴は、1つの間をおき、

 

「はい、『織田信長』です。」

 

信虎は小さくつぶやく。

 

「史上最強・最凶の武人であり、乱世を纏め上げた権力者か……!!!!」

 

大きく高笑いをする。

 

紅貴は震える手を赤子の頭に当て、撫でる。

抱えている赤ん坊に対し、笑って言う。

 

「貴方の名は信長ですよ。」

 

赤子は泣き出してしまった。

 

嬉しいのか、ないのか、は分からない。

赤子が泣く理由など、親だけしか分からない。

 

「貴方は、強くなりなさい。」

 

それでも、紅貴には分かることは不可能だ。

薄情な女だからではない。

理由は簡単だ。

 

もう耳は聞こえず、目もほとんど見えなくなっていた。

そして、赤子と同じく泣いていた。

 

しかし、言葉の意思は強い。

 

「行末は、この日本の裏世界を統べる者となるのです!!」

 

雷が鳴り響く。

窓の外が明るくなり、音が鳴り響く。

光と音の時間差はほとんどない。

 

よりいっそう信長は、鳴き声を大きくする。

言葉は止めない。

 

「そして、表の世界では救うことのできぬ人を助けなさい!!!!」

 

信虎は何も言うことができない。

その願いがどれだけ無謀だと知っていても…

愛する者の最後の言葉を否定などしたくないのだ。

 

どこかで消防車のサイレンの音がする。

雷が落ちたのだろう。

 

紅貴は、優しい言い方にしつつも、続ける。

 

「どんなにがんばっても無駄ということはありえないのだから……」

 

そして、ゆっくりと信虎に顔を向け、

 

「信虎様、後のことは……信長のことは、

 よろしくお願いします…………」

 

「ああ……紅貴よ、わかったとも。」

 

信虎は小さく言う。

紅貴は目を細め、再び涙を流しながら言う。

 

「貴方の友達を、貴方のお嫁さんも………」

 

嵐は最大の勢い。

 

「何よりも、貴方が成長していく姿、見たかった…………」

 

彼女の最後の願いだろう。

 

「ごめんね……ごめん…ね…」

 

謝っていた。唯々、謝るのみ。

 

そして、信長を撫でていた手は、

ゆっくりと力なく落ち、目は閉じられた。

 

赤子は、泣き疲れたのだろうか。

泣くのを止め、寝てしまっていた。

 

信虎は、窓を見た。

嵐は止み、晴れ間が見れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、後に日本の、

 

否、世界の裏社会・闇世界に

 

覇をなす魔王『信長』の誕生である。

 

少年の道は、栄華繁栄に続く『覇道』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この『覇道』、極めて嶮しき『修羅の道』

 

 




完成
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