ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:立花祐也
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第100話 拍手【SJpartLAST】

都内某所、ビル近くの駐車場

 

春揮目線

 

香蓮が指定された場所には黒い高級そうな車が1台、そしてその中に傍から見れば怪しげな男が乗って、俺たちの方を見ている。

俺はその男の横、助手席に乗り、女子3人は俺の後ろに香蓮、男の後ろに美優、その間に葉月が乗った。

 

「あなた方とは初めましてですね、僕は《阿僧祇豪志(あそうぎごうし)》、PM4のMです」

 

「俺は春揮、あんたとは大会の開始寸前に少しだけ顔合わせしただけだな、あのゲーム内ではラギだ、それで、女子二人の間にいるちっこいのが葉月、プレイヤーネームも同じハヅキだ」

 

「それで私があんたにガムテで捕まったフカ次郎、もとい篠原美優、よろしくねぇ、お兄さん」

 

香蓮以外は初対面、ということでそれぞれ(葉月は俺が)自己紹介をして()()()へ出発。

 

その道中、ちょうど高速道路に入り始めた頃、豪志さんがピトフーイの中の人との出会い(ストーカーとドM的反応の話)を語り始めたところで俺はとある質問をした。

 

「どんな出会いなのかはわかった、ところで1つ聞きたいんだが、ピトフーイの中の人間はなんでGGOに、VRに入ろうと思ったんだ?」

 

「香蓮さんから聞いてないんですか、彼女は4年ほど前、2022年、11月6日……」

 

「「まさか……!?」」

 

豪志さんから出た日にち、それを聞いた俺と葉月は同時に驚きの声を上げた。

その日にちは俺と葉月、全《SAO生還者》にとっては忘れることの出来ない日………

 

「……SAO正式サービス開始日、か、それでその日にピトフーイのリアルは何があったんだ?」

 

 

 

詳しく聞いたところ、ピトフーイのリアルはSAOのβテストに参加した、が、どうしても外せない事情が正式サービス開始日と重なり、SAOへの参加が出来なかった。

 

「ピトは死ぬことの憧れを昔から持っていて、SAOがデスゲームへと化したあの日、怒り狂い、暴れに暴れまくった後、僕も巻き込まれつつ、色々なVRゲームを遊びまくりました。そしてあの日から2年、SAO帰還者と呼ばれる人達が口に出した《プレイヤーキラー》をするギルドの存在を知り、そして彼女は『自分も同じように人を殺せた』『正義の名の元に人を殺すことが出来た』と悔やみ始めました、それと同時に『ゲームで死ぬことが出来──

 

「待てよ、豪志さん、それ以上は言わなくていい………」

 

「そうですか、分かりました……それより、春揮さん、ですか、僕の話を聞いてもかなり冷静ですね」

 

冷静……そう言われれば間違いだ、豪志さんが話した《PKギルド》の1つに長期間参加していた人間がこの空間にいる、それだけじゃなく《SAO》という存在を『人殺し』と『自殺』のために使おうとしている人間の存在を聞いた、後ろを見た限り葉月は俺の方を見て少し慌ててるし……

 

「……豪志さん、香蓮、美優、お前らに話すことがある」

 

さすがの葉月も俺が何を言うのかわかったみたいで止めようとしてくれているけど……

 

「…豪志さんが言った《PKをするギルド》、その中に葉月がしばらくの間、参加してた」

 

「春揮……!!」

 

「……それともうひとつ、俺はSAOの開発会社《アーガス》の仮社員、そして俺と葉月は《SAO帰還者》だ」

 

 

 

数分の沈黙が車の中に走った後、1番最初に口を開いたのは香蓮だった。

 

「話が入ってこないんだけど…葉月がその……」

 

「でも、仲良くしてるってことは何かしらの事情があったんやないん?じゃなけりゃここにはおらんやろう?」

 

「……………」

 

「誤解を生む前に言っとくけど葉月は望んでギルドに入ったわけじゃない、これ以上は言えないけどな」

 

「葉月さん……ごめんなさい」

 

この後、葉月は自分でSAO時代、俺はアーガスで何をしてきたのかを話し、そのまま現在まで(SAO帰還後数ヶ月の話)を話したところで目的地である都内にある少し大きめなライブハウスに到着した。

 

「葉月、さっきはごめんな」

 

「いつか話さないといけないから、大丈夫……それよりここって…」

 

ピトフーイのリアルがいる場所、ライブハウスの前の看板には『神崎エルザLIVE』と書かれた看板が置かれていた。

 

(神崎エルザ……やっぱりか……)

 

「どうしたの春揮?早く入ろうよ」

 

「あ、あぁ……」

 

あんな話をしたあとなのに妙にテンションが高い気がする葉月に引っ張られて俺はライブハウスに入った。

そこでは既に神崎エルザのライブが行われていて横にいる女子二人は目を輝かせながら何かを話し、葉月は静かに聞いている。

 

 

その10分ほど後、豪志さんについて行った先、神崎エルザの楽屋へ招待され、入った。

中にはテンションの高いおばさんと神崎エルザの二人がいた。

 

()()()()だな、神崎エルザさん」

 

「……君は確か…アーガスにいた……」

 

「如月春揮、それが俺の名前だ、神崎エルザ……いや、ピトフーイ」

 

「やっぱり君も気がついてたんだね、そういえばそっちのおチビちゃんもアーガスにいたね……まさかSJに参加してくるとは……で、香蓮ちゃんはなんで拍手してるの?」

 

香蓮はピトフーイのリアルが神崎エルザということを知ってたのか知らなかったのかはわからないけど、いきなり拍手をしだして神崎エルザへ称賛の声を上げた。

その後、香蓮と神崎エルザが色々と話した後、神崎エルザは再び俺の近くにやってきた。

 

「何か言いたげな顔だけど、どうしたのかな?」

 

「よく気がついたな……最後に一つだけ聞かせてくれ、なんで《VR》で死を求めるんだ」

 

俺が放ったこの一言で楽屋の中に居る全員が俺と神崎エルザの方に顔を向けた。

 

「死を求める……かぁ…どうしてだろ───

 

「……ひとつだけ言う、 VRは死ぬために作られたもんじゃない、あの世界は人を殺すために生まれたものじゃない」

 

「春揮……」

 

「……それだけだ、じゃあな」

 

 

この後、ライブハウスを後にし、俺たちは豪志さんに送ってもらい、それぞれ帰ることに。

 

 

────

如月家

 

「春揮……アーガスからメール」

 

「……『企業秘密としてしばらくの間出勤しなくていいよ!多分6月の初めぐらいまでかな?ダスヴィダーニャ〜!』って、アーガスと言うより七色さんだよなこれ……」

 

ダスヴィダーニャ、確かロシアだかイタリアだかの言葉で『さよなら』とかそういう意味だったはず。

というか企業秘密ってなんだ?

 

「しばらくの間暇だな……葉月はどうする?」

 

「そろそろ学校行こうと思うけど……」

 

「そういや、ここ数週間行ってなかったな……行くか」

 

次の日、俺たちは学校へ行くことにした。

 

────

その日の夜。

俺はまた、同じ夢にうなされていた。

 

「………またこの夢か…」

 

それは俺がSAO時代、しばらくの間入っていた、弱小ギルドで起こった事の記憶だ。

 

 

 

 

彼女たちとの出会いは《第6層》に入ってすぐの頃だった。




SJ編完結。


話がまとまらなくてすごい雑になった気がするのは気のせいじゃないよ。
葉月の立ち直りが早かったりその他色々とあったり、こっそり登場した神崎エルザさんとの会話が短かったり色々とあるけど完結!

そしてついに100話!!

次回から数話、過去回、オリジナルストーリーとなります。

更新が少し止まります、ごめんなさい。

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