ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第104話 最前線の死闘【第6層part3】

「ルシハ!スイッチ!」

 

「わかった!」

 

ソードスキル:ホリゾンタル・スクエア

 

突然湧き出した大量の青スライム達を少しずつ減らしながら俺達はそれぞれの戦い方をしっかりと確認し、《スイッチ》を確実にできるようになり、さらにスライムを蹴散らすことに成功した。

と、喜んでいる暇なんて与えないと言わんばかりにスライム達がさらに湧き出して俺たちの元へと近づいてきた。

 

「これじゃあキリがないよ!どうしよう、ルシハ」

 

「ここまで大量に湧き出してるんだ、多分だけどこいつらを生み出してる何かがあるはずだ、それを探し出すまでは出来る限り倒して先に進む」

 

(って言ったがここまで数が多いとさすがに4人で進むのは難しいよな……)

 

俺は3人よりも先にスライムの元に突っ込み、スライムを倒しつつ()()()3()()にメッセージを送った。

 

「ゴウは2人をできるだけ守ってくれ、ライムとシズクも無理をしないでスライムを倒してくれ」

 

「わかった、だけどルシハだけに任せるわけにはいかないだろ、俺も、シズクもゴウもほかのプレイヤーには適わないけど前線で戦えるだけの戦力はある」

 

「………無理だけはしないでくれよ、ライム」

 

「もちろん、でもそれはこっちからも言えることだ」

 

────

それから数分後……

 

「ルシハ!」

 

3人より少し先を進んでいた俺は倒し損ねたスライムに気づかず、3人がスライムの集団に囲まれて身動きが取れない状況になってしまった。

それだけなら俺がソードスキルで倒せばいいものの、後ろに戻ろうとしたところで俺と3人の間にさらにスライムが現れ、3人の元へ行くことが出来なくなってしまった。

もし、ここが普通の地上エリアならともかくここは浮島、スライム達を避けて3人を助けようとして、もし弾き飛ばされたりでもしたらそのまま浮島から飛び出して落下、そして死亡……なんてこともあり得る。

それを考えれば無理して突っ込みたくはない……が、身動きが出来ない3人を早く助けないと3人が危ない……

 

(こうなったら使うしかないか……)

 

「ルー坊!それとそこの3人!助けに来たゾ!」

 

あのスキルを使おうか迷っていると俺達が進んできた方向からものすごい速度で走って来て俺の名前を呼んだ今までどこにいたのか全くわからなかったあいつ……《情報屋》アルゴが3人を囲むスライムを蹴散らした。

 

3人の無事が確認できたところで俺は自分の近くにいたスライム達を倒して3人とアルゴの元に移動した。

 

────

体力が黄色ゲージまで減った3人は回復をしながらアルゴの自己紹介を聞いたり自分たちが自己紹介したりした。

 

「それにしてもアルゴ、今までどこいってたんだ?第5層入って直ぐにどっか行ってそのまま全く姿も見なかったけど」

 

「ルー坊達、攻略を急ぐプレイヤー達とは違って情報を売ったりしててナ、メール来てたことには気がついてたガ、中々都合が合わなくて、今になって合流、ってことダナ、ちなみに、オレっちだけがここに来たわけじゃナイ、もう少ししたら追いかけてくると思うゾ、それまでオレっち達はこの異常発生の原因を倒しに行く」

 

「原因が分かってるのか?」

 

「オネーサンは情報屋だゾ?甘く見られたら困るナ、《夕立の霧雨》なんてギルドはまだ聞いてなかったけど……とりあえず原因がいるであろう場所まで移動するゾ」

 

今までいなかった分、アルゴが何かしらの情報を持ってきたと信じて俺たち4人はアルゴについて行った、その間にライムが質問を……

 

「ルシハとアルゴさんはどんな関係なんだ?情報屋とプレイヤーが一緒に行動してるってなかなか聞かない話だけど……」

 

「まぁ、確かに情報屋とプレイヤーがパーティ組むって聞かない話だよな、俺とアルゴの場合はちょっとした条件付きでパーティを組んでるんだ、ほとんどソロ行動だけどな」

 

アルゴと俺の関係に関して色々と話しているとアルゴが立ち止まり、とあるものを指さした。

 

「これは………転移石か?」

 

「そう、ルー坊なら気が付いてると思うケド、第6層は浮島エリアになっていて初期位置からだと迷宮区塔が目指できナイ、これから先に進むにはこの転移石を使うらしいんだヨ」

 

転移石、と言っても各層をつなぐやつとは違う種類で、簡単に説明するならワープ装置だ。

 

「それよりアルゴ、メッセージ送ってからすぐに来たよな」

 

「ルー坊の頼みだからな、それより夕立の霧雨の3人は先に進むカ?」

 

「もちろん、ルシハだけを行かせるわけにはいかない」

 

「私も賛成!」

 

「防御役は1人ぐらい必要だろ?」

 

「いい意気込みダ、ルー坊はいい仲間を持ったナ」

 

「まぁな、それよりみんな、一応戦闘態勢は整えてくれ、この先はまだ未知数だ、行こう」

 

全員の準備が整ったところで俺たち5人は転移石に触れた。

 

────

第6層《空中庭園:遺跡エリア》

 

眩い光とともに転移させられた先に広がっていたのは狭い通路が何本も伸びた空中に浮かぶ遺跡。

その道中には転移前と同じように青スライムが大量に湧いていた。

 

「ルー坊、あれが大量発生の元凶だヨ」

 

アルゴが指さした先、少し遠くにある遺跡の中心に次の層へ行くための転移石が見えた。

そしてそれを守るように転移石の前に今までのとは比べ物にならないデカさのスライムが青スライムを生み出していた。

 

「転移石の前に居るってことは、あれは階層ボスなのか?」

 

「で、でも、各層には塔があって、その中に階層ボスがいるんじゃないっけ?」

 

ライムの言う通り、次の層への移動手段である転移石の前にあのスライムがいる、つまりはあいつがこの層のボス、ということになるはずだが……

シズクの言った通り各層は迷宮区塔が存在して、それを登って行った先でボス部屋へと到着する、そしてその中にボスがいるはずだ。

 

「ルー坊もわかってナイってことは、やっぱりβテストとは違うんだナ、この層は迷宮区塔は存在しない、その代わりにこの遺跡が迷宮区なんダヨ」

 

「……つまり、俺たち夕立の霧雨とアルゴだけでこの迷宮区を突破するのか」

 

「「それは違う(わ)」」

 

「やっと来たのカ、結構遅かったナ、キー坊にアーちゃん」

 

後ろから声をかけられて全員が振り向くとそこには1層に戻ってあと、さっき俺がメッセージを送った2人……キリトとアスナが立っていた。

 

「ここは迷宮区なんだろ、話は聞いた、ここで提案なんだがルシハとそこの小ギルド、俺とアスナとアルゴの2手に別れてボスの元まで行こうぜ、その方がそっちのギルドメンバーはいいだろ」

 

「その前に自己紹介でしょ」

 

夕立の霧雨のメンバーとキリアスがそれぞれ自己紹介を終えた後、キリトの提案を3人が呑んだことでこのエリアを2手に別れて攻略することに。

 

「ルシハは仲良しな人が多いね」

 

「ライム?急にどうしたんだ?」

 

「……いや、なんでもないよ、それより早く行こう」

 

ライムがまた気になることを口にした気がしたけどそのままのノリでライムに押し切られてしまい先に進むことに。

 

────

そしてそれから数分後。

 

「一通り確認は終了したな、そっちも終わったみたいだし……どうする」

 

「俺達はボスに挑もうと思う、無理に突っ込むわけじゃないけど」

 

「夕立の霧雨のメンバーもみんな了承してくれたんダロ、オレっち達もそのまま挑む気ダ」

 

ボスは青スライムの親玉、こいつを倒せば次の層、7層まで行ける。

 

「よし、みんな、このまま挑もう、そして………絶対に勝とう!」

 

こうして俺達は7人で第6層ボス攻略を開始した。




アルゴキタ━(゜∀゜)━!
キリアスキタ━(゜∀゜)━!

ホロフラ進めたらわかったけどホリゾンタルスクエアって熟練度かなり上ないとダメなんだね、ま、ルシハは6層で使ってるけど

次回、第6層ボス戦!

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