ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第112話 弱い自分【リーダーの素質】

ルシハとライムがスカルリーダーを倒す少し前……

シズク目線

 

ユミちゃんがモンスターを蹴散らして戻ってきた直後、いきなりユミちゃんが戻ってきた方向から石型のモンスター……ゴーレムが私たちの方に向かってきた。

 

「動きはゆっくりみたいだけど、どうするシズク?」

 

「ルシハもライムもいないけど……結局倒さないと周りを探索するのも不便だし、私たちでやろう!……って、ユミちゃんは!?」

 

遠くから近づいてきてるゴーレムを倒すと決めて意気込もうとしたら戻ってきて近くにいたはずのユミちゃんが既にゴーレムの方に走っていた。

 

「ゴウ!ユミちゃんを追いかけるよ!」

 

「分かった!」

 

────

ユミちゃんを追いかけてゴーレムの近くに接近した私達は圧倒的な大きさのゴーレムを目の当たりにした。

遠くから見ただけだから大きさは気にしてなかったけど、近づいて分かったのは見ただけでも私の5倍ぐらいはある……ということ。

 

(こんな相手に勝てるのかな……でも、ユミちゃんが既に戦ってるしゴウもユミちゃんと一緒に………迷ってる暇はない……私が戦うって言っちゃったんだしやるしかない……!!)

 

────

そして現在……

 

3人ともゴーレムの攻撃で体力が半分減らされ、回復のために戻って回復を完了したらいつの間にか私達はゴーレムに追い詰められていた。

 

(ゴウは武器持ってるって言ってもソードスキル使えないしユミちゃんはソードスキルの使い方わかってない……こうなったら私がやるしか…)

 

と、思って剣を構えたその時……

 

ゴーレムはいきなり立ち止まり、どうしたのかと思ったら自分の体の岩を周りに飛ばし始めて私たちが隠れていた木が無くなって身を隠す術が無くなった。

 

「気づかれちゃった……って、ユミちゃん!一人で行かないで!?」

 

「シズク!俺達も行こう!」

 

体を分散させたから少し小さくなったゴーレムに向かってユミちゃんが()()()()()()()()()槍で攻撃をしている。

 

(なんで二人共怖くないのさ……?)

 

「シズク!早く攻撃してくれ!」

 

「……わかった」

 

私は剣を構えてゴーレムに攻撃を仕掛けようとした、けど……

まるで見切ったかのようにゴーレムは私の方に向いて腕を振ってきて私はその攻撃をもろに受けて後ろに吹き飛ばされてたまたま残った1本の木にぶつかった。

 

「シズク!」

 

「……っ!」

 

2人が私の心配をしてくれたその瞬間に隙を着いたようにゴーレムは2人に目掛けて腕を振り、2人もそのまま吹き飛ばされた。

 

(2人が………私のせいだ……)

 

ユミちゃんは寸前で槍で防いだみたいで体力はそこまで減ってないけどゴウは防ぐのが間に合わないまま体力がレッドまで減った……

ゴーレムが私たちを見逃す訳もなく狙ったかのようにゴウの方にゴーレムは歩き始めた。

 

(まずい………また……私のせいでゴウが……誰かが傷つく……の?)

 

──お前のせいで

 

──お前がいなければ

 

(違う………違うよ………)

 

ずっと苦しい思いをしてきた私を助けてくれた今現在の《夕立の霧雨》のライムとゴウは私をギルドリーダーにしてくれた…けど、こんな私にギルドのリーダーになる資格なんてない………

 

(だけど…………)

 

「だからこそ私はゴウ達を助けたい……!!」

 

気力を振り絞って立ち上がり片手剣を構えてゴーレムに向けて走り出してソードスキルを放とうとした、けど…

既にゴーレムは倒れてるゴウの前に立って腕を上げて攻撃をしようとしているところだった。

 

「やめて………間に合っ──

 

ゴーレムが腕を振り下ろしたその瞬間、ゴウに当たる寸前のところでゴーレムの動きが止まり、そのまま消滅した。

 

「……全く、怖いなら無理するなよ」

 

「なんとか間に合った……ルシハ早すぎるよ……」

 

「ライムも俺に追いつくってすごいと思うぞ?」

 

ゴーレムの動きが止まったのはどこに行ったのかわからなかったライムとルシハのソードスキルを受けたからだった。

 

「ごめん………」

 

2人の姿を確認したところで私は気を失った。

 

────

ルシハ目線

 

「……なるほど」

 

「って言うかいつの間にライムはルシハにカミングアウトしたんだ?」

 

「ゴウ達が連れ去られてる時」

 

「あ、あの時か」

 

場所を変えて俺とライムが飛ばされたエリアに移動した俺達はシズクが起きるのをユミに任せてゴウとライムにシズクに何があったかを聞いていた(ルール違反)

 

簡単に説明するとシズクのリアルはSAOが始まる数年前に仲良く遊んでいた友達がいきなり自殺をした事で『お前のせいで』などといった言葉をぶつけられたりその他にも悪口を言われるようになって精神的にダメージを受けた。

それから色々あって今の3人のグループが出来てSAOを始めた。

その時に3人の中でリーダーの素質とやらがあるということでシズクが《夕立の霧雨》のリーダーとして選ばれた。

 

『大切な友達を死なせた』という思い出(後に原因は別だとわかる)があるせいでもし、自分の判断で死なせることになったら……という思いがずっとあったらしくて今になってその思いが強くなってしまった……

 

と、ちょっと俺なりの解釈付きになるがまとめるとこんな感じか……

 

 

「それでさっき『ごめん』って言ってたのか……」

 

(守る守られる云々の前にここから出ないとまともに話も出来ないかもな……早く出口を探したいけどここの4人を置いてくのは流石に……いや、逆か……)

 

「ライム、ゴウ、お前ら、モンスターがここには湧かないからしばらくここで待っててくれないか?」

 

「どこか行くのか?」

 

「どこかにアインクラッドに戻る方法があると思うんだ、それを探しに行く、そこでユミと俺の2人で周りを探す」

 

「む、無理するなよルシハ?」

 

「無理しないと攻略なんて参加してねぇよ、シズクに説明は任せた……ユミ!」

 

「は、はい?」

 

ユミに色々と説明したあと剣をストレージから出して出発の準備を整えた。

 

「ライム、シズクはこんな状態だしゴウは防御面に回るしかない、だからお前が2人を守ってくれよ」

 

「……わかった、けどそれは女子に任せるもんじゃないでしょ?」

 

「まぁな……それじゃ、出口が見つかったら戻ってくる」

 

周りの安全を確認したあと俺とユミはそのまま周りの捜索へと出発し、ライムたち《夕立の霧雨》3人はその場に待機することにした。

 

────

移動中

 

「記憶喪失なんだよな、お前」

 

「あ、はい……」

 

(ユミがいきなりこの世界…というかアインクラッドに現れた理由は謎だけど多分考えられることはひとつ……ユミは……)

 

───《多重アバター》だ。




長いな雑いな、あ、それが俺か

色々とありましたがあとがき長いとなんか違和感あるから簡潔に話す

夕立の霧雨はある意味の問題児の集まりかな

次回、ユミの正体が明らかに……なる?

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