ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第114話 第1の試練【竜の巣窟】

「スイッチ!」

 

「はあぁぁ!!」

 

洞窟に入ってすぐ、ユミがまるで別人になったかのように周りを警戒し始めた、それに続き俺も索敵スキルを使ってみると入口から少し先に大量のドラゴン型のモンスターがうろついていた。

気付かれずに先に進む訳には行かないため、俺とユミ(コウキの人格)で協力してドラゴン型のモンスターを片っ端から倒すことに。

 

(荒っぽい性格かと思ったけど戦い方自体はしっかりしてるな……ユミは自覚ないだろうけど)

 

戦闘時、というか敵の気配を察した時にいきなり兄の荒い人格が表に出て槍を振り回す、良く考えれば危ないことではあるが、俺だけじゃどうにも出来ないからもう少しだけ様子を見ようと思う……

 

「ルシハ、あれ」

 

「ん……?」

 

ユミなのかコウキなのかわからない声のトーンと落ち着いた様子で指さした先には俺達が蹴散らしたドラゴンの親玉と思われるそこそこでかい竜が俺らの方を見ていた。

 

「それと、ここに看板が」

 

「なになに……?『竜に成敗を与え、希望の光を取り戻せ』?」

 

(どういうことだ……?)

 

「そう言えばさっき、この洞窟の上に()()()()()()()()()()みたいなものがありましたけど……」

 

「つまり、あの竜を倒してその機械とやらの光を復活させて何かをするってことなのか…長くなりそうだな」

 

(これがここからの脱出の手がかりになってればいいが……)

 

「ルシハ、来るよ!」

 

「まだ気づかれる範囲じゃな──そういうことか……!!」

 

ドラゴンはいきなり叫び出した、何も起きないと油断していると入口の方、そしてボスであろうデカブツの方から小型ドラゴン達が湧き出した。

 

「手っ取り早く蹴散らすしかないのか……行くぞ!」

 

俺とユミは武器を構えてドラゴンとの戦闘を開始した。

 

────

アブソリュート・α(未完系)

 

Lv.40

タイプ:竜

攻撃方法:爪、炎、風

 

────

取り巻き

スモルドラゴン

Lv.30

────

(ボスにしてはレベルが低めな気がする……いや、油断したら危ないな、それにαってのも気になるけど……一気に決めさせてもら───

 

俺は双星剣を使い、一気にダメージをボスに与えようと思った、が、何故か《ナイトメアレイン》と《インフェルノレイド》系列の上位ソードスキルが使えない。

使えるのは《ダブルサーキュラー》《エンドリボルバー》の2つと俺が未開放の1部のソードスキルだ。

 

(こうなったら片手剣で戦うしかないか……)

 

俺はしょうがなく《ゼデュースホーリーソード》を右手に持った。

双星剣スキルとは違い、俺が取得したソードスキルに関しては全て使えるようになっている。

なんで使えないのかはわからないけど今はそれを考えてる暇なんてない……

 

「ユミ!スイッチ!」

 

「あ、うん!」

 

ユミに相手の隙を作ってもらい相手にソードスキルを放った。

 

片手剣SS:ホリゾンタル・スクエア

 

4連撃をドラゴンに与えたが、ドラゴンの体力は4分の1しか減らず、そのまま俺はドラゴンの連続の爪攻撃に押されてしまった。

 

(こいつ…レベルが高いってのもあるだろうけどアインクラッドにいたモンスターとは確実に強さが違う………)

 

「ユミ!しばらく敵を引き付けてくれ!」

 

「わ、分かった!」

 

(成功するかはわからない、だけど成功させないといけない……)

 

それから数分、ユミがドラゴンの攻撃を防ぎながら体力を減らしてくれている間に俺はとあるスキルを使った。

 

「ユミ!しゃがめ!」

 

「え……ひゃ!ひゃぁ!?」

 

俺は思いっきり剣(デビルライトハンド)をドラゴンにめがけて投げた。

ユミの頭をスレスレで通り過ぎて俺の剣はドラゴンの心臓部辺りに直撃し、ドラゴンは即死扱いとともに消滅した。

俺が使ったのは《投剣スキル》だ。

 

 

(倒したのはいいけどなんでスキルが使えなかったんだ……?)

 

「ルシハ!」

 

「そーいやさっきはゴメンな、それでどうしたんだ?」

 

「あれはびっくりした……じゃなくて!今回ルシハと戦った時の記憶が残ってる」

 

「最初の方は兄の方が出てきてた気もするけどもしかしたらお前の持ってる《無限の幻影茨》とかいうよくわかんないスキルが関係してるかもな……わからないけど」

 

(だとしてもなんで発動しなかったのかだよな……)

 

「とりあえず外行こうよ、ルシハ!」

 

「お前なんか元気になった?」

 

「………さぁ?」

 

(まぁ、いっか……それよりこのエリアに入ってから色々とわからないことが起きてるな……)

 

双星剣の1部スキルの使用制限、ユミの多重アバター、1部ステータスとアイテムの文字化けなどなど……

 

「とりあえず外に出てほかの場所も見に行くか」

 

「うん、そうだ──

 

と、俺らが外に出ようとしたその時、出口に落石が発生し出口が塞がれていきなり地面が揺れだして洞窟が崩れ始めた。

 

『グギュルリュル!!』

 

どこからか何かの鳴き声がした気がしたが今はそれどころじゃない………!

 

「ユミ!」

 

洞窟はそのまま崩壊した。




ほらそこ不謹慎とか言わない図星だけど


何故かソードスキルが発動しなかったり
ユミが兄の性格を出さなかったりと色々起きつつドラゴンを剣を投げて倒した。
そして外に出ようと思ったその時、謎の揺れとともに洞窟は崩壊……

ルシハたちの運命はいかに…!?

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