ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第116話 溢れ出る気持ち【添い寝:シズク】

「どうしたんだよ、怖いって、変な夢でも見たか?」

 

「うん……そんな感じかな」

 

今までのような明るい声で話すシズクとは違って、今のシズクは何かに怯えるように声が震えていた。

部屋に入ってきた時に少し見せた笑顔も俺から見れば、いや、多分ライムとかに見せても同じように見えるはず。

 

「シズク…辛いなら全部話してくれよ」

 

「あはは、ルシハにはバレちゃってたのかな?」

 

「まぁな、ここに帰ってきてから今ここに入ってくるまでシズクが辛そうな顔をしてるのは分かってたよ」

 

「……そう、だよね…」

 

「とりあえず話してくれよ、何か少しでも力になれると思うし」

 

シズクは俺の布団に入ってきてそのまま俺の方を向いて話し出した。

 

「私さ、現実世界でいじめられてたんだ、ゴウたちに聞いたと思うけど……」

 

「確かに聞いたよ」

 

「それでさ、自分に自信がなくなって、『自分』ってなんなのかって、いる意味なんてあるのかなって、よく分からないけど人を殺したって言われてる私が生きる意味なんてあるのかなって……ずっと、悩んでた」

 

シズクは泣くのを堪えながら色々と話を進めた。

自分は人殺し、ということをずっと抱えて生きてることを……

 

「それから私は友達と言えるものを作らなかった……作れなかった。怖くて……でも、そんな時にゴウとライムが私の事情を受け入れてくれて仲良くしてくて、ずっと一緒にいるような仲になったんだ」

 

確かライムもそんなこと言ってた気がするけど……なんか食い違いがある気が……ま、いっか

 

「このゲームが発売されるって聞いて、私達は全員でβテストまで遊ぶようになったんだけど、私はまだ昔のことを忘れられなくて………誰かを失うんじゃないかって、殺してしまうんじゃないかって、私のせいで誰か──

 

「辛いならそれ以上は話さなくていいよ、お前の気持ちはよくわかった、よくわかるよ、俺も」

 

今にも泣きそうなシズクを近くに抱き寄せた。

こんな時にどんな声をかければいいのかもわからないしどうすればいいのか分からないけど、シズクの辛さ、気持ちは俺もわかる。

 

「ルシハ……暖かい……」

 

「シズク、お前は俺が守る……俺が生きてる間はパーティメンバーを殺させはしない、死なせる訳には行かないんだ、もう二度と、な……」

 

「……うん」

 

その後、シズクは俺に抱きついたまま安心したように寝た。

 

(誰かを守る……か……)

 

 

 

 

そして次の日

 

ゴウ、ライム、ユミに留守番と買い物を任せて俺とシズクはシズクの提案により第1層の草原で特訓気分でクエストをこなしていた。

 

「やあぁぁ!!」

 

シズク:片手剣SS:バーチカル

 

「よし、これであとは……()()()()()()()()()()()()()()……大丈夫かよこれ…」

 

「大丈夫でしょ、一応第1層のクエストだし!」

 

(戦闘に関してはシズクに任せつつあるけどスライム相手に大丈夫か……?)

 

「いやぁー!!?ルシハー!助けてー!?」

 

「どうしたシズク!って遠!?」

 

少し考え事をしているといつの間にか遠くの方に行っていたシズクが俺に助けを求めてきた。

その理由は遠くからでもわかったけど……

 

「なにこれネバネバして動けない……って装備が!?ルシハ!見ないで助けて!」

 

「んな無茶言うなよ……とりあえず体制低くしてろ!」

 

「無理無理無理!これ以上体制低くしたらもっと装備とかされる!というかもう溶かされてる!?とりあえず早──ひゃあ!?」

 

嫌な予感はしてたもののまさか見事に的中するとは思わなかった、開発時にバカップルっぽい上司が作り出した《装備を溶かしてくるモンスター》がこんな所に実装されてるとは……

 

 

「シズク!今助ける!」

 

 

結局、スライム達は俺が近づいたことでシズクからターゲットを変えて俺に襲いかかってくるようになった、ことをチャンスと見てそのままスライムを蹴散らした。

 

 

 

「うぅ……」

 

「ごめんな、俺がもっと早く気がついてたら…」

 

スライムを倒したことでクエストがクリアになったことを確認した帰り道、さすがにそのままのカッコで帰る訳には行かない、ということで俺が予備で持っていた装備をシズクに装備させた。

 

「……裸見たよね」

 

「見てない見てない!」

 

「絶対見たよね…?」

 

「見てない!絶壁なんて見てない!」

 

「やっぱり見たんだね!?」

 

「そこは反応しちゃいけないだろ……とりあえず街に戻るぞ」

 

「……バカ」

 

この後、シズクが俺と出かけた先であったことをライム達に伝えて俺が冷たい目をされたり、買い物で手に入れた色々なものを確認したりとお互いの話を終えて俺達は宿で眠りにつくことに。

 

 

(シズク、元気出てくれてよかったな…長く続くかはわからないけど……)

 

「ルシハ、入るぞー?」

 

考え事をしつつ寝ようと思っていたその時、俺の部屋のドアを開けて寝間着姿のライムが入ってきた。




なんとも言えない

そしてまさかのスライム事件発生
シズクの服が溶かされた。あら大変

そして1度の添い寝で終わらないハーレム主人公ルシハ

次の添い寝はライム!
さて、どれぐらい添い寝が続くかね。

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