ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
あの時の少女、ハヅキが話している相手はハヅキより背が少し高く、見るからにハヅキより歳上だとわかる。
「ルー坊、行かなくていいのカ?」
「アルゴ……今は様子見だ、俺が出たところでどうにかなるもんじゃなさそうだし」
話をしてる2人は喧嘩をしているようにも見え、今入っていったところで邪魔になるだけ……
「なんでお姉ちゃんはそういうこと言うのさ!」
「……あなたが、心配だか──
「そんなこと……私は信じない」
「…いいわよ、ハヅキがやりたいようにやって。でも、ほんとにハヅキが言う『その人達』が正しいのかは考え直し……
と、『お姉ちゃん』と呼ばれたもう1人の方が喋り終わる前にハヅキはソードスキルを発動させた。
話を聞いていたとはいえかなりの距離があるため、すぐに止めに入ることは無理だった。
「おい!何やってんだ!!」
「「……!?」」
アルゴには影で待機してもらい、俺だけがソードスキルを連続で放とうとするハヅキの前に出た。
「もう……遅い……」
と、呟きハヅキは走り去ろうとした。
それをアルゴが止めようとするが、ソードスキルでアルゴを攻撃しようとしてアルゴが避けた隙にどこかへ行ってしまった。
「……大丈夫ですか!?」
「あなたは……あの子を知ってるんで…すか?」
「………はい」
「……もし、あの子にあった時、あの子が間違えたことをしていた時……伝えてください…『誰もあなたを恨んでいない。今まで気づかなくてごめん』……って。『あなたを嫌いだなんて思ってない』って……『ごめんね』って」
その言葉を最後に、姉の方は光となり消滅した。
「ルー坊………」
(ハヅキ……お前はなんでこんなことをするんだ……)
俺はそう考えながら、フレンドリストのハヅキを選び、プレゼントを送った。
『どう使うかはお前次第だ』と、メッセージを付けて。
「アルゴ、街に帰ろうぜ」
「あ、あぁ……大丈夫なのカ?」
「……大丈夫だよ」
────────
街に戻り、宿を借りて休むことにした、が。
ハヅキがなんであんなことをしたのかを考え込んでしまい、休むどころか逆に疲れる結果に。
と、考えてる俺の元にアルゴと共にピンク髪の女の子が来た。
「ルー坊、やっぱり考え込んでたカ、そんなお前にオレっちが特別に『鍛冶屋』を連れてきたゾ」
「あたしはリズベット、なんで落ち込んでるかは聞かなかったけどせめて剣の状態を整えるぐらいはして欲しいってこの情報屋に言われてね。ってことだから剣貸して!」
「見て驚くなよ」
俺は最近手に入れた1本と最初からずっと使っていた剣、そしてアニールブレードの3本をリズベットに渡した。
「なにこれ!?熟練度がMAXなだけでなく、耐久度1のまま耐えてるし、それもそれなのに攻撃力が高いじゃない!?……アニールブレードは普通以下みたいだけど」
「ま、アニールブレードは少ししか使わなかったからな」
俺がアニールブレードを持ったのは2層に入ってすぐ、それからは表では双星剣を使わず、レベリングのためにたまに使っていただけなので、アニールブレード自体の強化も熟練度もほとんど初期のまま。
「この剣重くない?持つだけですっごく疲れるんだけど」
「そうか?」
「ルー坊はずっとその剣を使ってたからナ、そこらのプレイヤーとは違うんダ、オレっちが言うことでも無いけど」
「とりあえず、耐久度はMAXに戻して、返すわね。それまで『考え事』以外でなにかしてなさいよ」
「あぁ、わかった」
「ルー坊、今夜も一緒に止まらせてもらうゾ」
「………は?」
その後、武器を打ち直してもらい、ちょっとした話をした後、『管理者』としての話も教えたらなにかに納得しつつ、リズベットは『自分の店』に帰って行った。
「……んで、また脱いでるのか、1層以来か」
「だから変な誤解を生むだロ!!……フードあると寝にくいだけダ!」
「…はいはい」
……ありがとな、アルゴ。それにリズベット。
でも、あいつが何をしてるかを判明させるまでは考えるしかないんだ。
────────
翌日、俺とアルゴはキリトに呼ばれた。
話を聞くと『解放軍』とやらを作るために会議をするらしい。
終わり方。
アルゴとの添い寝イベントをまたまたやりつつ
廃墟にいたのは第1層のBチームを蹴散らした少女『ハヅキ』と『姉』。
ソードスキルによりボコボコにされた姉から伝言を伝えられたルシハ。
彼女は一体何をしているのか。
そしてリズベットが登場。
気を紛らわせようとしたがルシハは諦めきれない様子
翌日、キリトに呼ばれたルシハとアルゴ。
会議をするらしいが……?