ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
第121話 大切な人【兄妹】
東京都内:如月家付近
葉月を連れて俺が来たのは俺の家の近くにある少し小さな墓地だ。
「こんな所になんで来たの?」
「ちょっと早いかもだけど墓参りぐらいはしないとだからな…っと、先客か」
この墓地に来た理由は墓参りだが、その目的の墓の前に既に1人、黒髪の1部に青が混ざった髪色の女子が立っていた。
「誰かと思ったら……久しぶりだな、
「久しぶりって言っても2週間ぐらい前にVRの中で会ったでしょ…まぁ、こっちだと久しぶりになるのかな」
「あの……2人はどういう関係なの?」
「ごめんごめん、私は
「え………?」
葉月が驚いた理由は2つあると思う、1つは千秋が俺の妹(俺に妹がいた)ということ、そしてもうひとつは………
「やっぱり驚くよね……私、右目が失明しててね」
葉月に顔が見えない角度で立ってた千秋が葉月の方に向いた時に葉月が確認したこと……千秋の右目に眼帯がついてることだ。
「昔、まだお兄ちゃんと一緒に住んでた時にちょっとした事件に巻き込まれちゃって、その時に……ね」
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10年とちょっと前
両親と一緒に郵便局に郵便物を頼みに行こうとした時にそれは起こった。
時刻は昼間、ちょうど昼時を過ぎた頃、俺たち家族が順番待ちをしていると黒ずくめの男が入ってきて受付の人間に銃を突きつけた。
「今すぐに金目のものを全て出せ!さもなくば死人が出るぞ」
俗に言う強盗に郵便局が襲われた、が、無駄に勇敢に立ち上がった両親は郵便局の人たちを庇ってそれが犯人の怒りを買って犯人は両親を射殺。
「お母さん………?」
「お父さん……?」
「んあ?ガキ連れだったのかぁ…まぁ、いい、ついでに殺しとくか」
そのまま犯人は銃を俺に向けて発砲した、その時、俺はショックと恐怖でその場を動けずそのまま撃ち殺される覚悟をしていた、が、発砲が郵便局内に響き、俺はいつの間にか横に倒されていた、そして、俺の立ってた所には千秋がうつ伏せで倒れていた。
声をかけようと思ったその時、倒れてる千秋から血が流れ出してきた。
「千秋!千秋……!?」
千秋の返事はなく、血が流れ続けている。
郵便局の人間は警察に電話したりしていたり、他のお客さんの避難をさせたりしていた。
恐る恐る千秋の体を仰向けにした……そして、俺はその時に千秋が撃たれた場所を確認した。
千秋は完全に右目を撃ち抜かれていた。
「ちくしょう……周りの人間は逃げてんのに……まぁ、いい、もう1人のガキをここでし───
「ふざけるな………!!」
この時、俺が何をしたのかはしばらくわからなかった、が、後で聞いた話によると俺は犯人に突っ込んで銃を奪い犯人を撃ち殺したらしい。
その後、俺と千秋は駆けつけた救急車で運ばれて千秋は入院、俺は郵便局の人と一緒に警察に事情を聞かれた。
その後、人を殺した、殺されたということで精神的に病んだ俺は中学に入るまで病院の一角、精神科で『入院』という形になった。
その間、千秋は入院生活を続け、中学後半にてやっと学校に行けるようになったものの、千秋の要望で東京、恵比寿辺りに住んでいる祖父母の家の近くの中学へと入学(形は転校)
俺は元々住んでいた家(今の家)に祖父母の知り合いという人と一緒に高校生になるまで住むことになった。
────
「なるほど………」
「あ、そろそろ私行かなきゃ…お兄ちゃん、今日の夜、GGOにログインしてきて!」
話してる途中にも関わらず、千秋は近くに停めてあった自転車に乗って帰って行った。
(GGOに……か)
「そう言えば、千秋さんって、SJの『アキ』ってプレイヤーだよね?」
「あぁ、それより両親に挨拶しとかねぇとな」
葉月も一緒に墓参りを終わらせて帰ろうとしたところでいつの間に追加していたかわからない千秋のメアドから一通のメールが届いた。
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お兄ちゃん
SAO、お疲れ様
おかえり
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口で言えばいいのに、と思いつつそのメールを閉じて俺達も帰ろう、そう思ったその時。
千秋からまたまたメールが……
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お兄ちゃん!
近くの公園で待ってる人いるよ
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葉月もつれて言われた通り、近くの公園に行くと、そこには俺らと同じ制服を着た
郵便局の人たち何やっとんねん
新キャラ(前もいた)
如月千秋
登場!
なんと千秋、右目に眼帯を付けていた……(厨二病じゃねぇよ殴るぞ)
色々とあった春揮の過去、深く触れられなかったけど
そしてメールに送られてきた《SAOお疲れ様》という意味深な文字、そして公園に行くと……!?
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如月春揮
20歳(今現在の話からあと数週間で21)
髪色:実は少し赤色が混ざっている
高校中退
アーガス社員(クエスト、システム管理担当)
SAO帰還者学校生徒
現実、仮想世界両方で人を殺したことを心のどこかで悔やんでいる
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如月千秋
19歳
誕生日:9/22
髪色:黒髪に青色が少し混ざった不思議な髪色
目の色は普通に黒
高卒
今現在は一人暮らしをしている
どこから来たのかわからない金で暮らしている(春揮は気がついてる)
SJ2 4位
過去にあった事件にて右目が失明、病院生活を長くしていたため実は葉月より人見知りらしい
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桜花 葉月
19歳
まさかの中卒
バイトで稼いだ金でSAOを購入
SAO帰還者学校生徒
歳の割には低い身長とない胸を気にしている
蒼い目を気にしている