ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
リズベットに剣を直してもらった翌日。
俺とアルゴはキリトに指定された転移門広場へと到着した。ここは1層では無いけど。
『
と、一言メールで終わらせたキリトのせいで、解放軍が何のために作られるのかの説明は全くされなかった。
「キー坊が来たみたいだ」
と、数日前にあったキリトとまた再会した。
「いきなり呼び出してすまないな。俺についてきてくれ」
「キー坊、解放軍ってのは何なんだ?」
「それはまだ話せない。周りに聞かれると少しまずいんだ」
「アルゴ、気になると思うけどノートに書くなよ」
「ルー坊……」
何気ない話をしながら俺達が到着したのは大きな建物だった。
《血盟騎士団ギルド本拠地》
と書かれた看板が立っている。
「それじゃ、入ろうぜ」
「キリトも来たことないのか?」
「……俺も『副団長様』に呼ばれたんだ」
副団長が誰なのか考えつつ、俺たちはギルドの中に入っていった。
そしてギルドの中にいた人に指示され、入った部屋は大きなテーブルがある、『会議室』のようなものだった。
「いらっしゃい、キリト君、それにルシハ君とアルゴさん」
「アスナ?」
「キー坊、もしかして副団長って…」
「そう!我らがアスナ様である!」
「ふざけないで、適当な場所に座っていいから」
と、キリトが思いっきり空気を崩したところでアスナに指示され、俺たち3人は席に着いた。
「ようこそ、血盟騎士団のギルドへ」
テーブルの向かい側には全身ほぼ真っ赤の服を着た男が座っていた。
アスナはその横に座り、俺たち3人を順番に見た。
「いきなり呼び出してすまなかったね。アスナ君にお願いして『1番強そうな攻略組のメンバー』を呼んでもらったんだ。おっと、私はこのギルドの団長、《ヒースクリフ/Heathcliff》だ」
「アスナ、攻略組の中で俺たちを選んだのか?」
「そりゃあ、キリト君もルシハ君もアルゴさんも実力は周りと桁違いじゃない」
「そうだけど……」
「ま、オレっちはアーちゃんがオレっちのことを強いって見てくれて嬉しいけどナ」
「……それで、団長様は、なんで俺たち3人を呼んで、『解放軍』を作るんだ?」
「解放軍のメンバーは我ら血盟騎士団の兵士たちとアスナ君に任せる。君たちはそれに手を貸してほしいのだ」
「あんたは?」
「……私は忙しくてね」
ま、そりゃ、ギルドの団長様は、忙しいよな。
で、問題は何を解放するのか、なんだが。
「《ラフィンコフィン》を壊滅させ、メンバーを改心させようと思ってるのよ、私たち血盟騎士団、そして団長は」
「それなら俺たちはいらなくないか?」
「アーちゃん以外はあまり戦力にならないカラ、だロ」
と、アルゴが鋭いことを。
もちろんその考えは図星だったようだが、理由はあるらしい。
攻略組と解放軍を分けて行動させるらしく、『忙しい』って言うのはそれを意味してたらしい。
アスナと俺たちが抜ける分をどうにかして補うためには血盟騎士団のメンバーの主戦力を攻略組に回すらしい、今回は『74層』の偵察部隊なだけらしいけど。
「ま、解放軍に参加するのはわかった。それでラフィンコフィンのアジトは掴んでるのか?」
「キリト君、そこは既に掴んでいるわ、それで明日にでも突撃しようかと思って急遽君たちを呼んだのよ」
「とりあえず目的を再確認させてくれ」
解放軍としての目的。
殺さずに改心させて犠牲を出さずにラフィンコフィンのメンバーを解散させる。
解放軍メンバー:血盟騎士団副団長アスナ率いる兵士たち+攻略組最高戦力3人
「……んじゃ、明日またここに来ればいいんだな?」
「…えぇ、キリト君もルシハ君も明日までゆっくり休んでね」
────────
それから俺たちは血盟騎士団ギルドをあとにし、次の日に備えて準備をすることに。
「アルゴ、隙があればヒースクリフを調べてくれ」
「ルー坊が言うならしょうがないガ、なんか気になるのカ?」
「……ちょっとな」
……あの男、何かを隠してるような気がして気になるんだよな。
殺人ギルド、ラフィンコフィン。
もし、『あいつ』がいたら俺はどうすれば……?
「ま、今は考えなくていいか」
次の日、俺たちは血盟騎士団ギルドに行き、解放軍のメンバーとして『ラフィンコフィン』のアジトに向かった。
そして………
ヒースクリフ来た。アスナ副団長きた。血盟騎士団きた。
ということでまさかの会議する人数でもなく、むしろ会議とはなんぞや状態。
時間が経ち、74層まで進んだ《攻略組》。
偵察部隊なだけだがかなりの戦力を連れていった血盟騎士団。
それとは逆に負ける気満々の解放軍の血盟騎士団。
メンバーにキリト達を入れることでカバー出来るのか?
────────
次回。
《vsラフィンコフィン》
衝撃の事実が明らかになる…!?