ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
2026年 4/28
長野県某病院
新幹線で来るという考えすら頭になかった俺は長距離をバイクで速度違反すれすれのスピードで長野県の千秋に教えてもらった病院まで到着して病院の人に葉月の状態を聞いた。
「そういうことか……」
葉月は数日前に駅前にの交差点で道路に飛び出してそのまま通った車に……と、葉月なら考えにくいことだが……
「あ、お兄ちゃん…!!」
葉月が入院している病室の前には千秋が座って俺を待っていた。
「お兄ちゃん、葉月さんなら昨日やっと目を覚まして今は回復を待ってるよ」
「そうか……それより千秋、お前はなんでここに居るんだ?」
「ちょうど1人で旅行に行こうと思ってその旅のはじめに長野に来たら葉月さんと会ってさ、しばらく一緒に行動してたんだけど途中で別れてその後に………」
千秋の声は俺の質問を答えると同時に震えていた。
多分、葉月が事故にあったのが自分のせいだと思ってるんだと思う。
「お前は何も悪くないよ、とりあえず葉月と話してくる、お前は待っててくれ」
千秋を慰めて俺は葉月の病室に入った。
「……あ、春揮……」
「葉月、無事でよかったよ」
「ごめんね、わざわざ長野まで来てくれて……」
いつも以上に元気が無い葉月の声はさっきの千秋以上に震えていた。
気のせいだと思うが葉月の蒼い目が少し暗く感じる気がする。
「……何があったのか、教えてくれるか?」
「……うん」
葉月は今の現状で思い出せるだけのことを話してくれた。
駅前で千秋と離れて数分後、どこかに行こうと思って信号を渡ろうと待っていると後ろから声をかけられて左耳に機械……オーグマーを付けられたと同時にその声の主に背中を押されてそのまま道路へ飛び出した。
そしてそのまま走ってきた車に衝突した………ということを。
「……そいつのことはわかるか?」
「多分……空さんだと思う」
(やっぱりあいつがやったのか………)
空……SAO帰還者で親を失った葉月に色々と手伝っていたボクっ娘で……ルナの双子の姉だ。
なんであいつが葉月の居場所を知っていてさらには葉月にオーグマーを付けたのかはわからないが…
「ねぇ、春揮……私たちがSAOで初めて会ったのっていつだっけ……」
考え事をしていると葉月が俺の手を握りながら質問をしてきた。
「何言ってんだ葉月……初めて会ったのは第1層、しっかりと話したのはかなり先だけどな」
「……そう、だよね」
俺が葉月の質問に答えると葉月は俺の手を握る手にさらに力を入れた。
「どうしたんだよ葉月、お前らしくないけど……」
「ごめん………春揮……」
「お前まさか……SAOの記憶が無いのか…!?」
事故が原因だとは思えないが葉月のこの反応からして多分葉月はSAOの記憶が無くなっている、というより薄れている……
「春揮と一緒にSAOで攻略してたことを全く思い出せない……どうしよう……春揮……」
「……とりあえずさっき医者にお前が退院しても一応大丈夫って聞いたしとりあえず俺たちの家に帰るぞ、話はそれからだ」
「……うん」
何が原因なのかわからないがもし、オーグマーが原因だとしたら…空が何かを企んでいるとしたらまずいことになる。
「千秋、お前は旅行を楽しんで来い」
「でも………」
「葉月なら大丈夫だから、お前はお前で楽しめ」
千秋を無理に心配させる訳には行かない、ということで俺は無茶なことは承知の上で千秋の旅行を続行させることにした。
俺は一応しっかりと立てる葉月を支えながら病院で色々と終えて危険を感じつつ葉月をバイクに乗せてそのまま東京へ帰った。
帰る道中も葉月は俺に「ごめん」とか「許して」ということをずっと口にしていた。
────
家に帰った翌日の夜……
シリカとリズが珍しく参加できるということで俺達はオーディナル・スケールのボス戦へと参加することに。
葉月は家で留守番させた。
ちなみにまだ葉月のことはキリトにしか言ってない。
というかキリトが今回は来ていない。
「よぉーし!ボス戦やってやるわよぉ!」
リズの無駄な意気込みと同時にボスが姿を現した。
葉月、まさかの記憶が……!?
ここまで来ると何を信じればいいんだろうね……
退院早すぎるね、気にするな
ということで次回から更に事態は悪化する……?
ちなみに今現在のオーディナル・スケール参加組は
シリカ、リズ、アスナ、ルシハの4人(原作通り…?)