ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第135話 過ぎたあとの後悔【VS千秋】

オーディナル・スケール

ルシハ目線

 

「はあぁぁ!」

 

屋外、ということもあって周りに障害物など何も無い。

それが俺たちの勝負をどう左右するかわからないが今はそんなことは気にしてる暇は無い。

 

「なんでお前は……葉月に手を出した……っ!」

 

軽々しく防いでくる千秋の隙を作るように俺は剣の攻撃を止めずに千秋に質問を投げかけた。

 

「そんなの……お兄ちゃんには関係……ない…っ!」

 

「関係あるから聞いてるんだよ……!!」

 

俺も千秋もお互い攻防を繰り返すだけでダメージにはならず、更に向こうは俺の質問に答える気は全くない様子。

病院で見たあの表情、俺の受け取り方が間違っていたのか俺が鈍感なのかわからない、だがもしあの表情が()()だとすれば……?

 

「せやぁぁぁぁぁ!!」

 

「くっ………」

 

千秋の会心の一撃的な攻撃を受けて俺はそのまま後ろに下がった。

今の一撃を受けてわかること、それは……

 

──千秋は本気で俺を倒しに来ている

 

(お前がその気なら受けてやるよ千秋……!!)

 

「はあァァ!!」

 

俺の一撃は千秋の右肩をかすめた。

この一撃で怯んだ千秋に隙を与えずに俺は千秋を押し倒して首元に件を突きつけた。

 

「答えろ、お前は空と何をしていた」

 

「何も………してない……」

 

「嘘つくんじゃねぇ、お前は空に何を言われてあいつの言うことを聞いたんだ」

 

「私は───

 

「何も答えないなら喉元の剣をそのまま下に下げる」

 

俺は千秋にどんな目をしているのかわからない、だけど分かることは今の俺は千秋に『恐怖』を与えていると思う。

 

「お兄ちゃんが……10年近く一緒に暮らしてた私の()()()()お兄ちゃんが……どこの誰かもわからない一人の女の子と付き合って、向こう(SAO)では結婚してるってことが許せなくて……妹である私とは違う接し方をしてたことが……悔しくて……」

 

「……お前は()だ、俺の大切な()()だ」

 

「……お兄ちゃんには分からないよ、私の気持ちなんて、ずっと会いたいと思ってた私の気持ちなんてわからないよ」

 

「お前だって何も分かってねぇよ、俺と葉月が2年間も死への恐怖を背負って生きてきたことを、2年間……いや、10年以上も()()()()()辛さなんてお前にはわからないだろ」

 

今回の事件のきっかけになるであろうルナ、夕立の霧雨のみんな、アルゴにも危険な目に合わせたことがある。

葉月の姉も俺があと一歩早ければ死なずに間に合っていたかもしれない、俺はその1歩が踏み出せなかった。

千秋が空に手を貸したのが嫉妬だったとすればそれは俺にも責任はある、10年以上会わなかったのは俺の方だから……

 

「お兄ちゃん……ごめん……なさい……!!」

 

「詳しい話は後で聞く、お前が空に利用される理由も後で全て聞く、だから今は忘れて俺に協力してくれ」

 

「うん………」

 

「とりあえずお前はドームの中に行ってくれ、葉月にはしっかりと謝っとけよ………まだ許したわけじゃねぇからな」

 

俺は千秋を起こしてしっかりと喝を入れてライブ会場の中へと行くように指示をした。

 

 

 

 

そして俺は空に支持された場所へ移動した。

 

 

「やぁやぁ、春揮さん、待ってたよ、遅かったね」

 

「……うるせぇよ、よくも千秋を利用しやがったな」

 

「さぁ、なんの事だか……まぁ、時間も惜しいし始めようか、《光の剣士》」

 

「……もちろんそのつもりだ、敗北者(ルーザー)!!」

 

 

「「オーディナル・スケール起動!」」

 

────

春揮が空と遭遇した頃

地下駐車場

和人目線

 

 

「……よく逃げずに来ましたね、《黒の剣士》」

 

「そういうお前は《ノーチラス》だな、血盟騎士団で1度しかボス戦に参加しなかった臆病者」

 

「よく僕みたいなやつのことを知ってますね、まぁいい、始めよう」

 

「「オーディナル・スケール、起動!」」




ヤンデレかな?
ヤンデレだね

春揮のつらさは千秋には届かない
千秋の辛さは春揮に届かない



次回、春揮VS空!!

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