ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
春揮が空とバトルを始めたと同時刻。
俺、和人はエイジに呼ばれた会場の地下にある駐車場に到着した。
「待ってましたよ、黒の剣士」
エイジは柱に寄りかかって本を読んでいたが俺の姿を確認したと同時に本を読むのをやめてその本を下に置き、俺に声をかけてきた。
「そういうお前は《ノーチラス》だな」
「よく知ってますね、僕のことなんかを」
よく知っている訳では無い、明日菜や春揮がちょっとした情報を持っていてそれを俺が聞いただけだ。
ボス戦に1度しか参加しなかったと聞くが……
「……そうやって閃光だけでは飽き足らず、ユナも誑かすんですね」
「何………!?」
「……まぁ、いい、始めようか」
エイジはなにか気になることを言った気がするがそのままエイジが言葉を止めてバトル開始を促してきた。
俺は腕につけていた重りを外してオーディナル・スケールの機械を手に持った。
「「オーディナル・スケール起動!」」
「はあぁぁ!!」
「ふっ………」
俺とエイジの剣は同時にぶつかって火花を散らした。
俺はそのまま後ろに下がりエイジと同時に走り出して駐車場の中を駆け回った。
「なかなかやりますね……黒の剣士!」
「オーディナル・スケール第2位ってのはこんなもんか、大したことないな!」
「言ってくれる……っ!」
柱越しに会話をしながら走っていたエイジは俺の方に向かって剣を構えて飛びかかってきた。
すかさずそれを避けた俺の真横で柱にクロスを描いて攻撃をしたエイジが柱を壊したせいで発生した砂埃に隠れた。
「お前達攻略組とは僕達は違う!ユナ1人も守れなかった……!!」
「ユナとSAOで一緒にいたのか!?」
「あぁ、一緒にいたさ、死ぬその瞬間までな!……自分を恨んだよ、大事な人が危険な目に遭ってるというのに足がすくんで……動けないんだからなぁ!」
砂埃の中から攻撃をしてくるエイジの強力な一撃が俺の《ヒロイックプロミス》を弾き飛ばした。
「お前ら《攻略組》は違う!ユナや僕達のようなプレイヤーのように周りに見向きもされない影の存在とは違っているんだ!」
俺はエイジの攻撃をスレスレで避けつつ背中にとある機械を見つけた。
春揮が似たような機械をOS開発者の部屋で見つけたと言っていたがまさか……
「SAOなんてクソゲーの記憶、消したっていいじゃないか!」」
俺はエイジの攻撃を避けて背中に付いている機械を手に掴んでそのまま引きちぎった。
「お前の強さの秘密はこれかァァ!!」
エイジは少しの間動きを止めた。
その隙に俺はヒロイックプロミスを拾って構えてエイジに最後の一撃を与えた。
「俺は自分の弱さを否定するやつ、弱さを力だけで隠そうとするようなやつに負けない!!………さぁ、明日菜の記憶を返せ!」
「ふっ……もう遅い……」
「なに………!?」
「ここにはSAO帰還者が集められている、ここでオーグマーのスキャンを一斉に行えば……」
俺は嫌な予感がして上の会場へと走った。
エイジ、死す
ということでOS編2つ目に大きな戦いが終わりついにストーリーは終盤へ差しかかる!
次回、会場内で一体何が……!?