ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第138話 死の可能性【スキャン開始】

会場正面玄関

春揮目線

 

「高出力スキャンでSAO帰還者全員の記憶を奪う!?」

 

「……あぁ、お前も少しは知ってると思うがオーグマーはVR機種と同じように脳のスキャンを行う、そのスキャンを脳の1部分に集中させればその部分の脳が破壊されて()()()()()ということになる」

 

明日菜の記憶が無くなった後、絶剣の件で世話になった医者に明日菜の脳の状態を見てもらったと和人に聞いた。

その時に俺が今話したことと同じようなことを聞いたはずだ。

 

「確かにそれは聞いたし菊岡にも色々と調べてもらってるが…」

 

「問題はそこじゃないんだよ、脳のスキャンを今、人数が密集してる、それが一番の問題だ」

 

セブンが調べてくれた時に発覚した1番の危険、それが今、1番危険視しないと行けない点だ。

オーグマーで脳のスキャンを行うとVR以上に脳への負担がかかる。

そして脳のスキャンはオーグマー同士で共鳴を起こしてスキャンを必要以上に行ってしまう。

必要以上に行えば脳への負担はさらに拡大して最悪の場合死んでしまう。

 

もし、スキャンが開始されればそのまま会場内のプレイヤーのほぼ全てが死ぬかもしれない。

 

「そんなこと絶対にさせない、春揮、入るぞ!」

 

和人が会場の扉を開けた。

 

……中には地獄のような状況が広がっていた。

 

 

 

──春揮立ちが到着する少し前。

 

 

会場内:葉月目線

 

ユナのライブが最高潮を迎えて周りの人の歓声がさらに上がった。

周りを見ても春揮と和人の姿がまだないことを気にしているとユナの曲が終わり、そのままユナは満足そうな顔をしていた。

そのままユナは暗転と同時に消え、ライブ会場は静かになった……と、思ったその時だった。

 

私とアスナ以外のプレイヤーのオーグマーから黄色い光の玉が浮き出た。

それと同時に会場内に巨大なボスが大量に現れ始めた。

 

「何これ………」

 

「どうなってんだこりゃ………」

 

突然の状況に困っていると1番通路側に座ってた私の横にボスの出現エフェクトが発生して()()()()()()()()()()青い獣のボスが現れた。

 

「ちょっとアスナ達!」

 

避けようと思っても足が震えて動けない、アスナも同じ状況でボスの攻撃を避けることが出来ない……

 

もうダメだ、そう思ったその時──

 

 

「アスナ!」

「葉月!!」

 

キリトとルシハがボスの攻撃を受け止めてボスを弾き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

会場内:春揮(ルシハ)目線

 

「なんとか間に合ったな……」

 

「リズ!エギル!こいつを倒すぞ!」

 

 

ギリギリで間に合った俺達は目の前の階層ボスをエギルたちに協力してもらい倒した。

だが会場内のプレイヤーは無理だとわかっている勝負に挑んでボスにやられていた。

 

どうすればいいのか、そう考えていると俺たち目がけて《フェイタルサイス》が攻撃をしようとしてきた……が、フェイタルサイスの攻撃は何かに防がれた。

 

『みんな聞いて!』

 

俺たちの前に白い服を着た少女……ユナとルナが現れてフェイタルサイスの攻撃を防いだ。

声をかけてきたのはユナの方だ。

 

『私のお父さんとルナのお姉さんは高出力スキャンでみんなの脳から私たちの記憶を取ろうとしてる、でももしこんな所でやったら記憶がなくなるどころかみんな死んでしまう!』

 

「なら、俺達はどうすればいい!?」

 

『キリトを連れてったあそこ……SAO第百層のボスモンスターを倒してスキャンの機能を停止させて!』

 

いつの間にキリトがユナと接触してたのかは別として今、この状況でSAOにログインする方法は……1つしかない。

 

「みんなオーディナル・スケールをやめるんだ!、オーグマーを外してくれ!このままだとみんな死ぬぞ!」

 

和人は無理だとわかっていながらボスと戦っているプレイヤーに呼びかけをした、がもちろん結果はわかっていた通り誰も和人の声に見向きもしなかった。

 

『無駄よ、この日のためにオーディナル・スケールでボス戦をしてたから』

 

「ならどうすればいいんだ!?」

 

『オーグマーでフルダイブ機能を使って、SAO100層に行って、今オーグマーのフルダイブ機能をアンロックするから!』

 

「オーグマーにフルダイブ機能が!?」

 

『オーグマーはナーヴギアの機能限定版でしかない!だから早く!』

 

「……わかった」

 

ユナとルナが攻撃を防いでいる間に和人が席に座ってフルダイブの準備をしようとした、もちろんシリカやリズ、エギルとシノンもボス戦に協力するということになりダイブする準備を整えていた。

 

「アスナ、必ず戻ってくる、それまで待っててくれ」

 

「……うん」

 

和人達がログインをしたのを確認した俺は葉月と明日菜を守ってくれることをユナとルナに任せて明日菜と一緒にいるユイにちょっとした手伝いをしてもらうことにしてとある場所へ移動した。

 

「ここならいいか……」

 

『どうしたんですか春揮さん……?』

 

「話した通りだ、とりあえず一旦ログインしてから話す」

 

俺は会場の端、ボスに見つからないと思う場所でバッグに入れた《アミュスフィア》を取り出して頭につけてそのままログインした。




あのシーンを表現するのって辛いよねぇ…

次回、第100層に行ったキリト達はまたのちの話。
何故かアミュスフィアを持ってきた春揮、明日菜からユイを借りて(?)ログインする……
(ちなみに次回からの話はスマホアプリのSAOで語られてた裏ストーリー的なやつ)

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