ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第15話 悪魔と月と黒と白の剣舞【ウサギ】

次の日、いきなり集合場所が変更になった。

 

集合場所に決定したのはエギルが経営している店。

なんと、キリトがとある層でS級のレアアイテム、『ラグーラビット』の肉を手に入れたらしく、とりあえずたまたま店によったアスナが、調理するらしい。

 

────

エギルの店

 

「なんでですか!?そんなビーターと一緒に行くことなんて許しま─

 

「だーかーら!!クラディール、今日はもう護衛はいりませんから帰ってください」

 

「……覚えとけよ」

 

エギルの店の入口にたつとともに店の中からアスナともう1人、クラディールと呼ばれた男の叫び声が聞こえた。

そして、店の扉を勢いよく開けてそのままどこかへさっていった。

 

「あ、ルシハ君、来たんだね」

 

「ごめんな、ホントは74層の攻略を始めようと思ったんだが、レベリングをソロでしてたらたまたまラグーラビットに出くわして、シュパッとアイテムにしたんだけどさ、調理か売るかでエギルの店によったらちょうどアスナとさっきのクラディールってやつが来てさ、それでアスナが()()()()()()()()()()()って言ってたから急遽アスナの家におじゃますることになって、とりあえずここを集合場所にしたんだ」

 

「な、なぁ、キリト。俺にもラグーラビットの肉を分けてくれよ」

 

「原稿用紙8枚ぐらいにまとめてやるよ」

 

「嘘だろぉ!?」

 

と、エギルの雄叫びを聞き流しつつ、アスナを先頭にアスナの家へ向かった。

 

「あ、あのっ!」

 

「あ、ごめんね、せっかく来てくれたのにこっちからは説明なしで」

 

「い、いや……」

 

「私は血盟騎士団の副団長をやってる、アスナって言います。ルシハ君、キリト君から君のことは聞いてるよ」

 

「えっ?ルシハから…?」

 

「詳しいことは知らないけど、ハヅキさんだって、悩みは誰かにうち明かした方がいいのよ」

 

「……ありがとう」

 

「あ、着いたわ、ようこそ、私の家へ」

 

────

家に着くなりアスナは私服に着替え、エプロンをかけてラグーラビットの調理を始めた。

 

「……やっぱりお肉と言えば肉じゃが、だけどそれじゃもったいないわよね…肉の旨みが……よし!それならラグーラビットの肉は……

 

と、独り言を呟きながら調理を進めた。

 

数分後。

 

「出来た、けど。あなた達いつまでそんな服装してるのよ、着替えないと食べさせないわよー?」

 

「あ、あぁ…」

 

俺とキリトは同じ部屋で、ハヅキは別室で着替えた。

ハヅキがいつもどんなカッコで寝てるか知ってる俺からすれば別室にしなくても抵抗はない。キリトはあるだろうけど。…慣れって怖いな。

 

と、キリトと俺の私服が見事に同じもので驚きつつテーブルにつくと私服に着替えたハヅキが隣の部屋から出てきた。

 

「私がたまーに着てるやつだけど…似合ってるからいいわね」

 

「……なんで少しぶかぶかしてる…(特に胸のあたり)

 

と、丸聞こえな小声を出しながら少し恥ずかしそうにしてるハヅキもテーブルに座り、アスナが調理した鍋の蓋をテーブルの上で開けると……

香ばしい香りとともに現れたのはシチューだった。

 

「「す、すげぇ!!」」

 

「…美味しそう」

 

「でしょ?これでもシチューって何度も失敗したのよ…こんな事があるとは思わなかったけどシチューまてコンプしておいてよかったわ、どうぞ食べて」

 

「「「いただきます」」」

 

アスナも含め4人同時にシチューを口に運ぶ……

 

「……う、美味い…美味すぎる……!!」

 

「…うん」

 

「流石アスナ様……」

 

「…私の腕もいいけどラグーラビットの肉も美味さに含まれるわよ……」

 

こうしてシチューを最後まで堪能した俺たちは食後、アスナがいれたお茶を飲みながら、アスナが言い出したことについて、話すことに。

 

「『この世界から早く出たいか出たくないか』……簡単に言えば戻りたいか」

 

「話を持ち出したアスナはどうなんだ?」

 

「でも、私は帰りたい、だって、あっちでやり残したこと、いっぱいあるから」

 

「そうだな、俺たちが頑張らなきゃ、サポートしてくれる職人クラスの連中に申し訳が立たないものな」

 

「ハヅキちゃんは?」

 

「……私はどっちでもいいかな」

 

と、キリトとアスナがハヅキに話を振った、が、ハヅキの答えは曖昧なものだった。

 

「つまり、現実に戻るより、この世界の方が行きやすい、ってことか?」

 

「…ルシハの言う通りだよ」

 

「ま、人それぞれだよな、そういうルシハは?」

 

「俺は帰ったところで一人暮らしで、アーガスはどうせ潰れるからどっちでもいいな、俺も」

 

「……アーガス?」

 

「あれ?話してなかったっけ?」

 

「…聞いてない」

 

「んじゃ、2人にも改めて紹介するか」

 

────

俺は高校の途中で茅場に『アーガスに入らないか』っていきなり言われて、それも道の途中でな。

それでアーガスに入ってSAOの制作に参加した。

その時に上司から渡されたソフトでログインしたら周りが使えないスキルが使える特殊アバターだった……最後のはほんとかわからないけど

 

────

「ま、そういう事だ」

 

「それで、管理者権限とやらを使える、と」

 

「まぁな…だが、絶界の双星剣、限界突破はユニークスキルにも分類されないんだよ」

 

「そうなのか?」

 

「絶界の双星剣はこのゲームに元々、『二刀流』って言うスキルがあって、そのスキルで使えないスキルが使えるのと、随時スピードバフがついてるぐらいの違いがあるだけだ」

 

「二刀流……?」

 

と、キリトが不意にスキル名に反応したけど、周りのふたりは気づかない様子だ。

 

「スキル名で言えば『ナイトメアレイン』、とかな」

 

「スキルって言われても……」

 

「……二刀流を持つ人がいないから」

 

「ま、だろうな、俺も『少し前までは』その人を知らなかったからな」

 

「まぁ、そんな話しても現れるわけじゃないし、キリト君達は今日は遅いけどどうする?」

 

「俺とハヅキは宿に泊まる」

 

「キリト君は?」

 

「俺も宿かな…」

 

と、俺達が発言するとアスナはリビングの奥に行き、数分後、2つの袋を持って出てきた。

 

「これは、寝袋」

 

「アスナ…これで寝てるの?」

 

「ハヅキさんに言われると悲しいんだけど…」

 

「それで、その2つの寝袋でどうしろと?」

 

「実は、ベッドが1つあって、それは2人寝れるスペースで、あとの2人は床で寝てもらうのもあれだと思って買っておいたのが寝袋なんだけど…」

 

「……んじゃ、俺とハヅキが寝袋だな」

 

「ルシハ……簡単に決めないでよ、いいけど」

 

と、時々明るくなるハヅキの性格を少しばかり利用しつつ、俺たちは寝袋で寝ると言ったが…

 

「2人はいいと思うけど……」

 

「それに、キリトとアスナはいつも一緒にいるんでしょ?」

 

「ハヅキさん…これでもキリト君とはほとんどパーティ組んでないのよ、せめて一緒に行動したといえばあの時の圏内事件ぐらい…」

 

「でも、2人は仲良しだし、私はルシハと寝ると安心出来るから…」

 

と、ハヅキが無理矢理にでも寝袋で寝るということで決まり、俺はハヅキの指名で寝袋に。

 

「……結局私服のカッコも脱ぐんだな、アルゴと同じで」

 

「……バカ」

 

アルゴとハヅキが同じように寝るから何故か慣れてしまったこの光景も、慣れって怖いなと思いつつ、ふと、アルゴがどこに行ったのか気になった。

 

(……あいつ、元気に鼠やってんのかな)

 

考え事をしていて、ふと気がつくと橫で寝ているハヅキが寝言を言っていた。

 

「……お姉……ちゃん……」

 

────

 

次の日、キリトとアスナが(いつの間にか)パーティを組んだらしく、これから先はほぼ一緒に活動する約束をして、今は血盟騎士団が進んだ74層の迷宮区に行くために先に出たキリトと、血盟騎士団のギルドに寄ってから来るというアスナが2手に別れたのを知りつつ俺達もキリトの待つ、転移門広場へと足を運んだ。

 

「あ、ルシハ、ハヅキ、おはよう」

 

「アスナはまだなのか?」

 

「あぁ、でももうすぐつくだろ」

 

と、アスナの噂をしていると転移石が光り、そこからアスナが出てきた。

その後につくようにしてクラディールが現れた。

そして、アスナはキリトの後ろに隠れ、小声で

 

「あいつに追われてるのよ…」

 

「アスナ様!何故そのような《ビーター》と共に行動するのですか!『血盟騎士団』の副団長ともなるお方が!さぁ!ギルドに帰りま──

 

と、言いかけたクラディールの前にキリトが手を出し。

 

「悪いな…お前さんとこの副団長は、今日は俺の貸し切りなんだ」

 

「ふざけるな!お前のような雑魚プレイヤーに、アスナ様の護衛が務まるか!?」

 

「あんたよりは、まともに務まるよ」

 

「この私を雑魚だと?……なら、強さを証明してみろよ」

 

「いいぜ、やろう」

 

「……待った!」

 

「「……!?」」

 

クラディールとキリトを止めたのは俺の後ろに隠れたハヅキだった。

ハヅキは既に自分の武器、『月下葉の剣』を片手に持ち、クラディールの前に立った。

 

「キリトとじゃなく、私が戦う」

 

「おい、ハヅキ、これは俺とあいつ…」

 

止めに入ろうとするキリトを俺が止めた。

 

「ハヅキは負けないよ、あいつには、あいつもすこしは人の役に立ちたいと思ってるんだよ」

 

「背の低い女だからって手加減はしねぇぞ?」

 

「……行く」

 

DUEL:vs.クラディール

 

先制を決めに行ったのはクラディールの方だったが、クラディールのソードスキルは全て軽々と避けられ、ハヅキは余裕の表情を見せた。

 

「これならどうだっ!!」

 

「……遅い」

 

スキル:武器破壊

 

クラディールの持つ剣にハヅキの細剣がぶつかった直後、クラディールの剣は上半分から綺麗に割れた。

 

「…勝った」

 

「……隙ありっ!!」

 

ハヅキが後ろを向いた瞬間を狙い、クラディールは武器を持ち替えハヅキに襲いかかる……が、アスナがものすごい速さで間に入り、クラディールの武器を吹き飛ばし、クラディールの方へ向け、言葉を放った。

 

「クラディール、血盟騎士団副団長として命じます本日をもって護衛役を解任。別命があるまでギルド本部で待機。以上」

 

「なん…だと…」

 

副団長の護衛を解任され、かなりのショックを受けた様子のクラディールはそのまま転移して帰っていった。

そして、アスナはハヅキの方を向いて

 

「ごめんなさい、嫌なことに巻き込んじゃって。今のギルドの息苦しさは、ゲーム攻略だけを最優先してメンバーに規律を押しつけた私が原因だと思うし…」

 

「ううん、大丈夫だよ、ありがとうアスナ」

 

「ホントにごめんね、でも、キリト君でもルシハ君でもどっちにしろデュエルには巻き込みたくなかった」

 

「……私だって、みんなを危険な目に合わせたこともある、でも。ルシハに言われたから、『仲間』はいつでもそばにいるって」

 

「……そうだな」

 

「さーてと!気を取り直して第74層、攻略開始だ!」

 

「「「おーー!!」」」

 

こうしてちょっとしたハプニングを超え、俺たちは74層迷宮区へ向かった。

 




4000(挨拶)

ということでアニメの『黒と白の剣舞』の内容全てを書きました。

ウサギも出さないとと思って。

ハヅキの感情見え隠れ。


クラディールはハヅキに蹴散らされ。

そしてついに第74層へ。

ステータスはボス戦後に書きますね。
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