ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
ALO:央都アルン
「そういう事か……それで、俺の元に来た、と」
「……うん」
《SA:O》からログアウトした私はALOにログインして春揮(ラギ)の元に相談をしに向かった。
「《SA:O》開始前も同じようにお前は俺の元に来たよな」
「そう……だったね……」
「俺が悩みを勝負で受けるのもいいんだけど、それじゃあ前と変わらないからな…それに回復しかけてる状態の今、体に負担かけたくないからな………」
「ごめん……やっぱり一人で考え──
「待てよ」
ログアウトしようとした私の腕をラギじゃない誰かが掴んで止めてきた。
私を呼び止めた人の方をむくと《SA:O》と同じくマフラーをしたALO姿のライムだった。
私の腕を掴むライムの表情は少し暗く、そして真剣そのものだった。
「なんだ、ライム達も俺に会いに来たのか?」
「それも間違いじゃないけど、目的はハヅキだよ」
「私……?」
「それじゃ、行こうか、シズクはラギと待ってて」
「分かった!」
シズクもいたんだ、と考える暇もなく私はライムに手を引かれてどこかに連れていかれた。
ラギ目線
「あいつ……相当ショックだったんだな」
「んー?」
「まぁ、ライムに任せるか……あとお前は俺に寄り添うのやめてくれ」
「えー……」
シズクに抱きつかれながら俺は俺に相談してきていたハヅキの辛そうな表情を思い出していた。
新生アインクラッド:第1層【原子の草原】
「この辺なら存分に戦えるな」
「なんでこんな所で……?」
ライムに連れられてきたのはアインクラッドの第1層の草原だった。
「気持ちをぶつけるとか無しに本気でハヅキとやり合いたくなったから広いとこに来た」
「なんで………」
「………?」
「なんで私なんかと勝負しようと思うのさ………」
「…………なんだ、そんな事か」
やる気にならない私の言葉を聞いた途端、ライムは剣を抜いて私に攻撃をしようとしてきた。
反射的にそれを避けて私も剣を構えた。
「ログアウト前にアルゴから聞いたけど、ジェネシスっていうプレイヤーに色々と言われたんだろ?そんなことだけで一々落ち込むのか」
「……ライムには分からないでしょ」
「たった一言で心が折れるやつとは違うかな、たしかに」
「私の想いなんてライムにはわからない……!!」
私は思い切り地面を蹴って片手に持った細剣に力を込めてソードスキルを放った。
ライム目線
(
抵抗と同時にソードスキルを放ってきたハヅキの細剣をタイミングを見て弾き飛ばしてそのまま自分の持つ片手直剣に力を込めた。
ソードスキル:ロスト・メモリー
ソードスキルが直撃したハヅキは少しと奥まで吹き飛んだ。
「ねぇ、ハヅキ、なんでハヅキがそうやって
攻撃を食らって少し戸惑っているハヅキを躊躇い無く抱き寄せてそのまま頭を撫でた。
「誰かを失う辛さはよく分かる、私も同じだから……それでも、その辛さに負けてしまえば誰かを守ることも、失うことさえも無い……失ってしまったら悲しい、だからといってそこで心が折れてしまえば次に守れるかもしれない人すら守ることはなくなる」
「ライム……」
「何度も心が折れてるらしいけどさ、折れたならもう一度直せばいい、弱くても誰かを守れる力はあるよ」
「………うん、ありがとう、ライム」
「なんて、こんなこと言ってもハヅキはまた、心折れそうだけど」
「…そう、かも……」
「そこは心折れないように心がけなよ……まぁ、また心折れそうになったなら私たちがいる、信頼してくれよ」
ハヅキの(無い)胸を堪能した後、ラギと合流した私はハヅキとラギを残して解散した。
「ハヅキちゃんに何を話したの?」
「さぁ、なんだろうね?」
「えー、教えてよー」
シズクにはハヅキと話したことを教えないままログアウトした。
結局、ハヅキは次の日はログインしてこなかったけど、《招待組》に事情を伝えると全員了承してくれた。
ALO
ハヅキ目線
「ラギ……もう少し一緒にいさせて」
「しょうがないな……明日はオリジンにログインしろよ」
SA:O
アルゴ目線
ハーちゃんがログインして来ない理由を聞いたオレっちは今、ピンチに陥っていた。
一応形上は今年最後の更新です
1年間お疲れ様でした
更新ペース来年はあげて
早めに次の章に進めて
別の作品にも手をつけるようにしたいです
目指せ1月オリジン編完結……!
年明け早々に特別編を投稿します、また特別編です。
皆さん、とりあえず良いお年を(まだ早いかな?)