ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:立花祐也
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第167話 システム【グランドクエスト】

《SA:O》

βテスト:8日目

現実世界 7/7日 夕方

商店通り【宿屋】

アルゴ目線

 

「春揮…もう体は──

 

「その辺も含めて色々とお前らに説明する、とりあえず座ってくれ」

 

ルー坊はテンパっているシズクの言葉を遮ってハーちゃんと一緒に近くにあったテーブルに座った。

 

「とりあえずお前らにこの世界で今、起ころうとしてることと、既に起きてることを説明する」

 

ルー坊はそう言いながらオレっちとフィリアが座っているテーブルにハーちゃんと一緒に座ってウィンドウを全員に見えるように表示した。

 

「今、《SA:O》をプレイしてるアミュスフィアの大多数に大規模なラグが生じている、その原因は2つあるんだ」

 

「安心安全のアミュスフィアでなんでラグなんて起きるの?」

 

「原因の一つは多分お前らも遭遇したはずのVRドラッグ使用プレイヤー、通称《トランスプレイヤー》、そいつらの数が増えてアイツらがドラッグで体だけでなくアミュスフィア自体にも負担をかけ続けた結果、関係の無いアミュスフィアにラグが生じるようになったんだ」

 

「ドラッグ使用者って……昼間遭遇したヤツらだよね?」

 

ライムとフィリアが昼間に今の最新エリアの序盤に遭遇した突然苦しみ出したプレイヤー、それがルー坊の言う《トランスプレイヤー》ということにナル。

 

「そしてもう1つの原因がこの世界、いや、VR世界全てに関連する話になる」

 

「それってどういうことダ?」

 

「さっきお前らが話してたそこのNPC、プレミアを連れて行った時に発生するプレミア関連のクエスト、それは《グランドクエスト》なんだ」

 

確かに、プレミアを連れて行った時に限って特殊なクエストが発生した。

そしてついさっきそのクエストのラストが見えてきたところだ。

 

「でも、なんでそのクエストがアミュスフィアに影響を与えてるんダ?」

 

「問題はこのクエストが本来、βテストには実装されていないことなんだよ」

 

「じゃあ、なんでそのクエストが起動してるの?」

 

「このクエストが発生したのは開発段階で正式サービス時に実装するために用意しておいた《浮遊城》の生成、そのシステムの逆、《アインクラッド崩壊モジュール》が強制的に行われようとしている……だがアインクラッドはまだ未実装、お前らならどうする」

 

「無理やりアインクラッドを作ることの出来るシステムを起動する……」

 

「そう、この世界には1つの言い伝えが設定されている、それが──

 

──2人の巫女、6つの聖石、そして祈りの神殿へと祈りを捧げる。

──そうすれば大地が2つに割れ、災いが訪れるだろう。

──人々はそれを《大地切断》と呼ぶ。

 

「つまり、その《大地切断》を起こして……」

 

「アインクラッドを作り出し、そして《崩壊モジュール》ってやつを起動させる」

 

ルー坊は静かに頷いてウィンドウの表示を消した。

 

「一つだけ行っておくが、俺たち開発、《アーガス》は七色と俺、そして俺の信用出来る一部の人間にだけこのことは伝えてある……お前ら《招待組》は外部に伝えないようにしてくれ、一般のβテストプレイヤーはサプライズだと思っても……他のプレイヤーからすればアインクラッドの再生、さらにフィールドの1部崩壊なんてことを外部に知られればせっかくここまで進歩してきたVRも全ての研究が停滞することになる」

 

「わかった、オレっちたち以外には誰も伝えないようにするヨ」

 

「クエストのラストは今の最新エリアの次をクリアした後に現れるβテスト最終エリアの奥にある《祈りの神殿》、そこに2人の巫女と聖石を持っていけばクエストが発生する、もしも()()1()()()()()()()()()()()()()()()()が大地切断の話をどこかで嗅ぎ付けたら必ず引き止めてくれ」

 

ルー坊はそう言いながら再びウィンドウを操作してアイテムストレージから3つのアイテムを取り出した。

 

「お前らが多分困ってるだろうから持ってきたが、それがこのエリアの()()()()()()()部屋に行くためのアイテムだ……俺はまだ少し体の状態が良くないからログアウトさせてもらうが最終エリアまでには再ログインする」

 

「ルー坊、色々と教えてくれてありが──

「「待って……!!」」

 

オレっちがルー坊に感謝を伝えようとしたその時、ルー坊の隣に座っていたハーちゃんとオレっちの後ろに立って話を聞いてたライムが同時に声を上げた。

 

「……なんだ?」

 

「春揮だと思ってたけど……春揮じゃないよね」

 

「……ったく、勘の鋭いやつが多いね、このパーティ」

 

ルー坊、だと思ってた誰かは椅子から立ち上がり全員を見渡せる位置に立った。

 

「俺は……いや、僕は《白澤》、如月に頼まれてちょっと君たちにこのゲームのシステムを代わりに伝えに来たんだよ」

 

「なんで、春揮じゃないの?」

 

「葉月ちゃん、だっけ?君には悪いけど如月は今、《アンダーワールド》という世界を守る英雄様としてお呼ばれしてね、《SA:O》には数日間ログインできないと思う」

 

「でも、私は確かにさっきまでALOで春揮と一緒にいて、ログアウトも一緒に──

 

白澤、と名乗ったプレイヤーはハーちゃんの言葉を遮って説明を続けた。

 

「あんな体の状態でログアウトなんてしてみなよ、それに《SA:O》はβテストでまだメディキュボイドには対応してないんだってさ……如月が何を考えてるのかは僕にもわからないけど、先輩の僕にシステムの説明を丸投げするぐらいに今、あいつなりに大変なことに巻き込まれてるんだと思う」

 

「それなら私もその、あんだーわーるどって世界にログインすれば」

 

「そりゃ無理だろうね、多分もう、ALOにはいないから」

 

ハーちゃんが言ったようになんでルー坊はオレっち達も誘わなかったのか、そう思ったケド、《SA:O》開始前にルー坊はこう言っていた。

 

──俺がなにかに巻き込まれてもお前らはその世界を守ってくれ。

 

ルー坊はこうなることを理解した上の発言だったのか……?

 

 

 

 

後で話を聞いた限り、2日ほど前に異変に気がついたALOログイン中のルー坊がちょうどログインしていた《開発関連》で先輩後輩の関係の白澤にシステムの全てを説明して七色に最終的な結論を貰った後、次にログインできるチャンスを使ってハーちゃんにもバレないように特別なアカウントでログインしたらしい。

 

 

「あ、君たちに1つ伝言」

 

「…?」

 

「『必ずもどる、待っててくれ』」

 

オレっち達はその伝言を見て少し安心した後、次の日の作戦会議をしてこの日はログアウトした。

 

 

現実世界:7/7 20:00

病院:春揮の病室

 

「春揮……待ってるよ……」

 

私はベットに横たわっている春揮の左手を優しく握った。

 

「如月はきっと帰ってくる、こんなやつでもSAOをクリアに導いたんだからな」

 

いつの間にか後ろにどこかで見覚えのある男の人が立っていた。

 

「改めて僕は《白澤 直木》、アーガスの開発責任者の1人だ、騙すようなことしてごめんね、葉月ちゃん」

 

「大丈夫……」

 

「如月が心配なのはわかるよ、僕だってこいつがアーガスに入ってきた時は大変だったからね…でも、こいつは馬鹿みたいに無理なことするけど、その逆に無理なことを絶対に諦めない、それが如月春揮だ」

 

「………うん」

 

「絶対、何も無かったような顔して戻って来るよ、それまでは如月の帰りを待とう」

 

「……ありがとう、ございます…」

 

この後、白澤さん(?)に自宅に送って貰ってこの日は寝た。




なんか凄い日にち空いてる気がする、気のせいかな


さて、春揮じゃない春揮が登場しました
共作でお世話になった方のオリキャラでした。


大地切断云々がわかりにくいと思った方、それな

春揮は影武者(?)を使って別の用事、《アンダーワールド》に向かった。


次回はALOです。


あ、みんなお待たせ

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