ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月
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第168話 戦争の幕開け【アンダーワールド】

ALO:浮遊草原ヴォークリンデ

現実世界:7/7 10:00

ラギ(春揮)目線

 

「なるほど……」

 

昨日からログアウトせずに俺と一緒にいる《猫妖精(ケットシー)》ハヅキの寝顔を見ながら俺は突然届いたメッセージを見て一言を呟いていた。

差出人は珍しく《鍛冶妖精(レプラコーン)》のリズベット……だけでなくハヅキと同じ種族のシリカの2人から同じ内容のメッセージが届いた。

 

─詳しい説明は後でする(ので)アルンの大広場に来て(ください)

 

こんな体調の俺に何の用だ?と思ったその時……

外部と繋げてあるメッセージボックスにメールが届いた。

 

────

説明を書いてる暇はないっス、でももし君が動ける状態なら《アンダーワールド》へ向かって欲しい。

あの世界を……この世界を救うために、無茶だとは思ってるっすけど、よろしくっす

 

比嘉タケル

────

 

メッセージの送り主は《比嘉タケル》という男、確か数週間前に俺に《ラース》という所から手伝いをして欲しいという内容でメッセージを送ってきた気がする(アーガスで忙しかったから無視したけど)

メッセージの内容通りならアンダーワールドに何かが起きたらしいが、あの世界にログインする方法は無いはず……

 

「ん……春揮……?」

 

隣でゴソゴソした(メッセージを見ていたから)俺の横で目を擦りながら起き上がって俺の名前を呼んだ。

 

「おはよう、ハヅキ……悪いが先にログアウトして、《SA:O》で待っててくれ」

 

「ふぁ……わかった、待ってるね」

 

ハヅキは眠そうな声で返事をしてそのままログアウトボタンを押した。

昨日、ALOにログインしてきたハヅキが心を落ち着かせた後、オリジンの現状を全て聞いてアルゴ達に伝えないといけないことを知らせることに決めた。

そのため、俺もログアウトしてオリジンにログインしたいところだが……十日前にALOにログインする時に七色に

 

「別ゲームへのログインは現実の意識がない状態じゃ無理よ」

 

と言われてしまったため、俺はログアウトしても昏睡状態のまま、ログインは不可能だ。

ちなみにALOへのログインはギリギリ残っていた意識を無理やり繋いでログインを試みた。

 

「ハヅキには悪いが……あの人に頼むか」

 

俺は現実世界との連絡機能を使って今1番頼れる人に連絡をした。

その人は俺がSAO開発時に世話になった《白澤》という男、たしか先輩だったはず。

 

「…と、言うことで頼みます」

 

『まぁ、めんどくさいけどお前がそういうことに巻き込まれるのはいつもの事だからな…ラーメン食ったら行くわ』

 

最低限のことだけ伝えて残りは七色から聞いてもらうようにしてもらってオリジン組に現状を伝えるように頼んだ。

そして最後に「必ず戻って来る」と伝言を伝えて通話を切った。

 

 

「よし、行くか……」

 

俺はそのままとある場所に向かった。

 

 

 

────

ALO:央都アルン

現実世界 12:00

リズベット目線

 

アインクラッドのキリト達のログハウスでユイちゃんに頼まれた事を実行するため、手分けしてフレンドたちにメッセージを送ってから数十分、集まってくれたメンバー(3000人強)全員に私たちが聞いた話全てを話した。

もちろん、誰も信じようとはしてくれないし帰ろうとしてる人もいる。

それは私達も信じ難い話、だけど……

 

「アンダーワールドの住民は……私たちがVRをプレイした記憶、人間そのものなのよ!」

 

どれだけ力強く説得をしても誰も聞く耳を持ってくれない、もうダメかと思ったその時………

 

「その話、少し疑深いが乗ってみようではないか」

 

「そうだネ、この人達が嘘を伝えるためにこんなに人を集めるようなことはしないからネ」

 

大人数の中で唯一、賛成の声を上げたのはシルフ領主のサクヤ、そしてそれに続いて声を上げたケットシー領主のアリシャの2人だった。

 

「それに、話の本筋であるキリトがここ十日ほどログインしていないというのも気に──

 

「信用してくれないやつは抜けてくれて構わないぞ」

 

サクヤが確かに、と思うことを口にしている途中にいきなり空中から声が聞こえた。

その声の主は私たちの前に降りて来て剣を地面に刺した。

 

「俺達は本気で話をしてる、お前らがどう受け取るかは知らないが、今回の件はこれから先、このVR世界にも影響を及ぼすことになる」

 

目の前に降りて来て話をしたのは現実世界で昏睡状態になっているけどALOにはログインしていた《ラギ》だった。

 

「遅れてすまん、少しだけ野暮用を済ませてきた」

 

「それはいいけど、アンタの他の仲間は?」

 

「あいつらは今回の件には巻き込みたくない、だから今回は俺だけで行く」

 

ラギの目は何かを考えている様子──キリトがいつも本気を出す時に見せる目に似ている。

 

「お前らに大変なことを任せるかもしれないけど、頼む」

 

ラギは唐突に3000人の方に向いて頭を下げた。

 

「この世界を……アンダーワールドの住人を救うために俺たちに力を貸してくれ!」

 

ラギがいきなり頭を下げてまでお願いをしたからなのか、3000人から否定の声は聞こえてこない。

 

 

「……行くぞ、アンダーワールドに」

 

ラギは地面に刺した剣を抜いてそれをしまって一言を呟いて全員が《コンバート》の準備をした。

それから数分後、全員で同時にコンバートを行った。




ついに……アンダーワールド編が始まる……!?

と、言いたいところですが数話だけオリジン編に戻ります。
もう少し、待っててください。

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