ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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アンダーワールド戦争編
第171話 アンダーワールドの救世主


現実世界2026 7/7

暗黒界(アンダーワールド)

創世神ステイシア/アスナ目線

 

アンダーワールド、菊岡さんや比嘉さん達が海上にある《ラース》という施設で開発を進めていた新たな仮想世界、私はそこにログインした。

たった一人、この世界で戦い続けている1人の少年……キリト君を助けるために

 

スペシャルアカウント、創世神ステイシアとしてこの世界に降りた私はしばらくの間、戦い続けた、だけど私の力だけではこの世界外から来たアメリカプレイヤー達には叶わず、精神喪失状態で車椅子に乗っているキリトくん、そしてキリト君とこの世界で師弟関係にある少女と共にボロボロの遺跡の中に追い詰められてしまった。

 

「これでお前も、その黒服の男も全員皆殺しだ!」

 

赤い鎧の集団(アメリカ勢)の1人が剣を構えて私たちの方に向けてそう言うとその周りにいたプレイヤー達が詠唱を始めた。

その詠唱は私も聞いたことがあった、ALOのプレイヤー達がよく使う攻撃魔法と同じ詠唱だ。

 

「キリト君を連れて2人だけでも逃げて!」

 

「そんなことは出来ません!アスナ様もキリト先輩と一緒に逃げないと……」

 

そんな一瞬のやり取りのうちに向こうの詠唱が終わって様々な属性の魔法や矢が私たち目がけて飛んでくる。

 

 

下がれ──

 

ふと、耳元でそう囁かれて私は瞬間的に1歩だけ後ろに下がった。

すると私の目の前、魔法が飛んできている方に1人、見覚えのある装備に身を包んだプレイヤーが剣を右手に持って立っていた。

 

 

 

 

 

 

数分前

ALO増援組

アンダーワールド:暗黒界

ラギ目線

 

アンダーワールドにALOからコンバートをした俺とALOの軍勢はコンバート完了直後に各地に散らばってコンバート前にユイに教えられたアメリカからのプレイヤーを止めるために行動を始めた。

そんな中、俺とSAO組(リズ、シリカ、クライン、エギル)は全員で近くにあった遺跡のような建物に向かって進んでいた。

 

「道を開けろ……邪魔だ──!!」

 

片手剣SS:ヴォーパルストライク

 

向かっている間も俺たちに攻撃を仕掛けてきた赤鎧のプレイヤー(アメリカ勢)を蹴散らして先に進む道を開こうとしたが数が圧倒的に多く直ぐに道を塞がれてしまう。

 

「ラギ!ここはあたし達に任せてあんただけでもあの遺跡に行って!」

 

「でもお前らは……」

 

「これぐらいなら私たちだけでも大丈夫です!アスナさんがいるかもしれないのでラギさんは先に行ってください!」

 

リズとシリカは立ち止まった俺に向かってそう言ってきた。

俺はこの場を4人に任せて遺跡の中に入っていった。

 

 

遺跡の中はアメリカ軍勢の雄叫びと魔法の詠唱の声が反響していた。

ALOから来たプレイヤーだからこそALOの魔法詠唱をしている、ということは今の詠唱は誰かを狙って……?

 

「あそこか……!!」

 

詠唱が終わる前に詠唱を行っていたプレイヤー達を見つけることが出来た。

詠唱をしていたプレイヤーの前にはスペシャルアカウントでログインしたアスナと2人の少女が車椅子に乗った1人を庇うように立っている。

見た限り止めようと動こうとしているが外の軍勢にここまで追い詰められて体力的にも辛い状態の様子だ。

 

「今だ──打てぇい!」

 

アメリカのプレイヤーとは思えないほどにペラッペラな日本語を放った一人の男プレイヤーの指示と同時に周りの詠唱が完了し、アスナ達目がけて魔法を放った。

 

 

「下がれ、アスナ──」

 

俺は自分でも驚くぐらいの速度で動きアスナ達とアメリカ勢の間に入りアスナに向かってそう呟いて直ぐに剣を抜きソードスキルを放たれた魔法に向けて使う。

 

片手剣SS:スキル・イクスプロード

 

10発の魔法全てを今までスキルコネクトを使って放ってきたSSを無理やり使い()()()

アスナは何度か見てきたからかあまり驚いていないがその後ろにいる2人の少女やアメリカ側はざわついている。

 

「ら、ラギさん……?」

 

「悪い、感動の再会とやらはあとだ」

 

アスナ達を安全な場所に連れていきたいがそんな暇はない、アメリカ勢の中にいる()()()()をどうにかしないと……

 

「よぉ、ひっさしぶりだなぁ……つってもおめぇとあった事ねぇか」

 

「お前、ラフィンコフィンの《PoH》だな、キリトを狙って何する気だ」

 

 

 

「───それを知る必要は無いでしょ、君はここで死ぬんだから」

 

俺が立っている位置とアスナ達の間、俺の背後から突然声がした。

攻撃はなんとか防ぐことが出来たが声の主は多分………

 

(アスナ、悪いがPoHはお前に任せる……)

 

俺は後ろにいる声の主を追いかけて遺跡のさらに奥の方に向かって行った。

その時、アスナと車椅子に乗っているキリトに一言を呟いて行った。

 

俺と入れ替わりでSAO組がアスナの元に来たのは今の俺は気が付かなかった。

 

 

 

遺跡奥

ラギ目線

 

「そろそろいいだろ、お前」

 

「そうですね、そろそろあなたを殺すいいタイミングですかね」

 

俺と目の前にいる()()()は同時に剣を構えた。

 

「行くぞ、空……!!」




はい、《魔法破壊》来ました

お久しぶりすぎです、干からびてました。
SAOアリシ(アニメ)もついに次回前半最終回になりますが
俺はその先の話の割と終盤

早く書こうと思ったらこんなに日が空いた、怖い

*ちなみにサボっていた訳ではありません、決してサボったとかじゃない

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