ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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ホロウ・リアリゼーション編 終章
第175話 2人の巫女


現実時間7/10

SA:Oβテスト10日目

リューストリア大草原:???

 

私、ハヅキは昼間に色々とハプニングを起こした後、一人でレベリングと槍の熟練度上げのためにSA:O(オリジン)の第1エリアのモンスターを狩っていた。

奥に進み始めたその時、森の奥の方で悲鳴に近い叫び声と同時に何かが消滅した音が聞こえた。

その音がしたところに向かうとそこには───

 

「…………」

 

プレミアに瓜二つの少女……いや、もう1人の巫女がNPCを右手に持った細剣で殺していた。

もう1人の巫女は私に気がついたのか私の方に無言で向いてきた。

なんでここにもう1人の巫女が、そう思っていたその時、もう1人の巫女がたっている所に近い木の影から見覚えのある赤髪の黒服の男が出てきた。

 

「どうだ、躾がなってんだろ?」

 

「ジェネシス……!!」

 

2日ほど前、エリアボスの件で宿屋に来て以来どこに行ったのかと思えば、もう1人の巫女を……?

 

「なんで、NPCを襲ったの?」

 

「こいつのクエストを進めるために必要な石ってやつをあいつが持ってたんだよ、だから襲わせた、こいつにな」

 

「……なら、このクエストの結末も知ってるの?」

 

ジェネシスの言うもう1人の巫女のクエスト(正確にはプレミアともう1人の巫女のクエスト)、βテストでは発動させる予定のないはずだった大地切断(グランドクエスト)、それがクリアされれば………

 

「世界が新しくなる、って話だろ?」

 

「あなたはこのクエストを進める気なの?」

 

「あぁ、もちろん進めるに決まってるだろ?」

 

「そんなこと───

 

私の質問に対してのジェネシスの回答に反論しようとしたその時、私とジェネシス、そしてもう1人の巫女は3人とも元いたエリアとは別の場所に飛ばされた。

 

「何が……?」

 

突然の事で言葉には出来なかったけど前に春揮が「1部のクエストは進むとエリアが変化する」って言ってた気がする。

ジェネシスが聖石を手に入れたことでクエストが進んだとしたら……?

 

「テメェら、あの石は何個持ってんだ?」

 

「……4個」

 

「俺らは2個、そして巫女って役割のNPC(モブ)が揃った、ってことは残りは祈りの神殿ってやつに2人連れてけばいいんだろ?ってことでお前らのとこのモブをよこせ」

 

「断る……!」

 

もし、ここでジェネシスにプレミアと4つの聖石を渡したら次のエリアにある祈りの神殿で2人の巫女の祈りを起こすはず、そんなことさせたら《SA:O》は存続不能レベルの災害が起きてしまう。

 

「ちっ、どうせそういうと思った、そいつをぶっ倒して石を奪え」

 

「……はい」

 

ジェネシスが指示するともう1人の巫女が細剣を私の方に向けて構えて攻撃をしてきた。

プレミアと模擬戦をした時のことを思い出してさすがに槍で戦うには辛いと思って直ぐに片手剣に持ち替えて攻撃を不正だ。

 

(相手はNPC、攻撃はできない……)

 

この世界のシステム上、NPCに攻撃をすればブルーカーソルになる、それだけは避けないと……

 

「あなたは……こんなことをしていいの……!?」

 

「……っ!」

 

私が声をかけたことで一瞬、もう1人の巫女に動揺が見えた、これならジェネシスの言うことを聞かせる前に───

そう思っていたその時、私は横から来た両手剣の攻撃をまともに受けて吹き飛ばされた。

 

「ったく、テメェらだけじゃねぇってことを忘れんなよ、おい、そいつにトドメをさせ」

 

「………」

 

「早く殺れって言ってんだよ!」

 

何かを考えているのか動きが止まったもう1人の巫女をジェネシスは蹴り飛ばした。

 

「私は………っ!」

 

迷いを払ったのか険しい表情で剣を構えて私の方に向かって走って攻撃をしようと剣を振りかざした。

 

(このままじゃ……)

 

片手剣を構える暇もなくもう1人の巫女の攻撃が当たる、そう思ったその時──

 

「絶技、サウザンド・レイン!!」

 

「なっ───」

 

「え……?」

 

私が来た方から無数の剣のようなものが飛んできてジェネシスともう1人の巫女に当たるギリギリを通り抜けた。

そしてそれと同時に私の前、もう1人の巫女の攻撃を弾く音がした。

 

「お待たせ、ハヅキちゃん」

 

私の前に現れたのは赤がメインのメイド服の様な装備に2本の剣を持った女の子──レインだった。

 

「春揮くんと約束した、ハヅキちゃんは私が守る」

 

「ちっ、まあどうせ次のエリアに行かねぇと行けねぇんだ」

 

レインが剣を構え直すとジェネシスは諦めたのか武器をしまった。

 

「青眼の方、次のエリアの奥にある神殿にお前の方のモブを連れて1人でこい、そこで決着をつけてやるよ」

 

ジェネシスはそういうともう1人の巫女と一緒にどこかに行ってしまった。

 

「あ、ありがとう、レイン」

 

「うん、無事でよかったよ」

 

ちょっとしたハプニングを終えた私と助けに来てくれたレインの2人でお互いの活動報告をしながら街に帰った。

 

「今までリアルが忙しかったけど残り4日はこっちにログイン出来ると思うよ、だから改めてよろしくね、ハヅキちゃん」

 

「うん、よろしく、レイン」

 

色々と起こったこの日はログアウトして次の日、《招待組》が全員集まってボス攻略をすることにした。




やっぱり早く投稿しないやん
ブックオフなのに本ねぇーじゃん

はい、話の時系列わからなくなりかけてるけど入れないと行けない話、もう1人の巫女との遭遇
ちなみに時間的には【泥酔少女】の回と同日です

ちなみにレインさんはスキル無しに二刀流です、さすが

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