ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
現実時間7月12日午前11時頃
《SA:O》
βテスト12日目
オルトラム城砦:神殿周辺
「プレミア、下がって!」
「分かりました、スイッチです!」
ログインした私は街にいたプレミアを誘って
エリアに入った直後、私達は4体のゴーレム型モンスターに囲まれて戦闘になった。
突然の事で武器を装備できなかった私を庇いながらプレミアが時間を稼いでくれたおかげで装備できた私は直ぐにプレミアに指示を出して攻撃を叩き込んだ。
「……よし」
「大丈夫でしたか?」
「うん、プレミアのおかげで助かったよ、ありがとう」
「はい、それより……」
感謝を返してきたプレミアはそのまま城砦、神殿の入口を向いてしばらく沈黙を続けた後、直ぐに言葉を続けた。
「ここに、私と同じ《役目》を持っている《巫女》がいるんですよね」
「うん、ジェネシスと一緒に奥にある神殿で待ってるはずだよ」
一昨日、街に戻った私とレインはジェネシスに言われたことを含めてプレミアがどんな役割なのかをプレミアに説明した。
それで何かプレミア自身に変化があるかと思ったけど何事もなく「分かりました、そういうことなら」と一言だけ放って一緒に行く約束をした。
そして今日、招待組のほとんどがログインできないと聞いたため、プレミアと一緒にこのエリアの攻略と共にジェネシスと決着をつけることにした。
「とりあえず攻略を進めよ、プレミア」
「はい、私も頑張ります」
セブンにこっそり聞いた話とは違って何故か入口には封印のようなものが施されていた。
それを解除するために必要なアイテムを神殿の周りにあるエリアに居た4体のボスを倒すらしい……けど
「プレミア、下がって!」
「………っ!」
2体目のボスが1体目のエリアに現れてしまって2人だけで倒すのは難しくなった。
何とかしてプレミアだけでも助けないと───
「ハヅキちゃん、避けて!」
「え……?」
反射的に避けたその瞬間、両手剣を持ったプレイヤーが1体目を、片手剣を持ったプレイヤーが2体目に攻撃を入れた。
「シズク、ライム……なんでここに…?」
ログインしてこないはずの2人がボスの攻撃を受け止めていた。
「たまたま、って言ったら嘘になるけど……とにかく2人は奥に向かって」
「私達だけじゃないよ、他のメンバーも他2体を倒しに行った」
どこでここの封印の解き方を知ったのかとか色々と聞きたいことはあるけど……シズクの言う通り私はここで足止めされる訳には行かない
「私達はここの封印とやらを解いたら街に戻るように他のみんなにも伝えてある、だからハヅキは気にせず向かって」
「うん、分かった、このお礼はいつか精神的に──!」
私は2体のボスを2人に任せてプレミアを連れて入口に戻った。
移動してるうちにボスが倒されたらしく、入口は入れるようになっていた。
「行くよ、プレミア」
「はい、シズクたちの為にも……」
私はフレンドリストを開いてみんなに感謝しつつ周りのモンスターを倒して神殿の奥へと進んで行った。
そして───
小一時間ほど経ってついに私達は神殿の最深部と思われる場所に到達した。
そこには思った通り、ジェネシスともう1人の巫女が待っていた。
「やっと来てくれたか、まぁ、来なかったらお前の仲間をぶっ倒して石を奪うだけだが……」
「やっぱり、大地切断を起こすつもり?」
「そういっただろ?テメェに話すこともねぇよ、とにかく……石をよこせ」
「断る……!!」
私はプレミアに下がるようにハンドサインを出して片手剣を構えた。
ジェネシスも同様にもう1人の巫女に下がるように指示を出して両手剣を構えた。
(ここで負ければ大地切断が起こってしまう……そんなことは絶対にさせない、負けない……!!)
「何ぼーっとしてんだ、オラァ!」
「なっ……?」
思った以上にジェネシスの攻撃が早く、私はプレミアのところまで吹き飛ばされてしまった。
「ちっ、もっと手応えのあるやつだと思ったんだがな……まぁ、これでトドメってことだ」
「プレミア、下がっ───
「お前も下がってろ」
プレミアだけでも助けようとしたその時、私は誰かに背中を押されてそのままプレミアと一緒に地面に倒れた。
倒れてすぐ体制を立て直した私の視界に入ってきたのは──
「見たことねぇやつだが……てめぇは誰だ?」
「俺は英雄でもなければ勇者でもない───」
見慣れた装備に身を包んだそのプレイヤーは聞きなれた声でジェネシスの質問に答え、そしてこう言った
「光の剣士、ハルキ……お前を倒す者だ」
ついにやつが……
戦闘なんてかける自信ない
ということでこうなったけどついに次回はジェネシス戦