ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
SA:Oβテスト12日目
祈りの神殿前
ハヅキ目線
「ハルキ……」
「遅くなってすまん、積もる話は後だ」
私達を助けてくれたハルキは一瞬だけ私の方を見て一言だけ呟いて直ぐに目の前のジェネシスの方を向いた。
「光の剣士ダァ?仲間のピンチに駆けつけてヒーローのつもりか?」
「言っただろ、俺は英雄でもなんでもねぇよ………!!」
ハルキはジェネシスの発言を返しながら剣を構え直した。
剣を構えたハルキはどこか懐かしい……SAOと同じ姿に見えた。
ハルキ目線
「さぁ、始めようぜ、《黒の剣士》」
「言ってくれるじゃねぇか……オラァ!」
ジェネシスは簡単に俺の挑発に乗り手に持った大剣を振りかざして俺に攻撃をしてきた。
ソードスキルでもなければ相手もまだ本気を出していない攻撃だからこそ簡単に防げた……が、病み上がりの上リハビリ途中で無理に入ってきた俺からすればそこそこ重い攻撃に感じる。
「ハヅキ、お前はプレミアと一緒に下がってろ」
「う、うん……」
今の状況だとハヅキ達をかばいながらジェネシスの攻撃を防ぐだけでもそこそこ大変だ、だからこそハヅキには下がってもらう、そして──
「ここだ……っ!」
俺はジェネシスの連撃を途中で避けて攻撃を仕掛けた。
ジェネシスはすぐに体勢を立て直して両手剣SSを放ち、俺はそれをもろに受けてしまった。
(さすがに即死ではないか……とはいえ何度も受ける訳には行かない)
「オラァ!さっさとくたばりやがれ!」
「くっ………」
ジェネシスはSSを打った後にもかかわらず直ぐに追撃をして来た、俺はギリギリで受け止めてジェネシスの攻撃を弾き返して距離を取った。
そしてこのタイミングでハヅキ以外の招待組から聞いた話の真相を確かめるためにジェネシスに質問をした。
「お前のその強さについて……わかったことがある」
「あぁ?」
「お前の強さはこのゲーム内の最前線プレイヤーを超えていると思う、正直な話、普通にプレイしてるだけじゃここまでたどり着けないだろうな」
「なんだ?俺が普通のプレイヤーじゃねえって言いてぇのか?」
「あぁ、お前も
「はぁ!?てめぇみたいな凡人が俺と同じことをしてるわけがねぇだろ!」
果たして、ジェネシスは何に対して《同じこと》、と言っているのか……
それをバレないように少しずつ聞き出していく。
「俺も、《あの味》を1度知ってしまったからこそ、今もやめられない、カーディナルが目を光らせていないシステムの穴をついてまでやってしまう」
「てめぇも俺と同じように
「……………」
「答えろ!てめぇは何をした!?」
「ジェネシス、お前は一体何を話してるんだ?俺が話してるのは《VRの経験量》だ、VR世界に入ってしまえばたちまちその世界に魅了され、最前線で戦える強さを身につけようと永遠に遊べる、徹夜してもカーディナルには怒られないし飯を抜いてでもやってしまう、俺はそんなことに関してお前も同じやつだと感じてたんだが……」
ジェネシスの発言で確信が着いた、つまりジェネシスは───
「お前、アミュスフィアを改造なんてしてるのか」
「てめぇ………!!」
「………聞いたか、セブン」
『ええ、バッチリ聞こえてたわよ』
俺は外部との連絡用に接続してあった通信機能に話しかけて現実世界でとある事情の後始末をしながら待機しているセブンを呼んだ。
「なっ、てめぇ誰と話してんだ!?」
「こいつはセブン……このゲームの開発をした1人…七色博士、そういった方がわかるか?」
『あなたのやっていることは全部聞かせてもらったわよ、そんなことやって許されるわけないでしょう?』
「……なら、俺を倒してこの世界の崩壊を止めてみろよ、英雄気取りの剣士」
「セブン、こいつの始末も後で頼む」
『わかったわ、私は先にあっちを片付けとく』
セブンに
「そう来ないとなぁ………」
ジェネシスはウィンドウを操作した、その直後、一瞬だけ苦しんだ後、直ぐに《NM》と同じようなオーラを放ちながら大剣を構えた。
「てめぇも本気で来やがれ!手加減なしで叩き潰してやるよ!」
「………わかった、お前がその気ならやってやるよ」
俺は全意識を《想像力》に変えてとある日の自分の姿をイメージした、そして俺は見た目こそ変化はないが武器にとある力が宿り、目は赤色に変化した。
「さぁ、始めようぜ──!」
ハルキ(SA:O用アバター)
Lv50
片手直剣:《心意強化》アニールブレード
アンダーワールドでの戦闘を経て想像力(心意)を使うことができるようになった、そのため武器が強化することが出来る。
ただし病み上がりで万全ではないため無理はできない
見た目はSAOベースだが、黒髪に黒目とちょっとした変化はある(心意を使うと目が赤く変化する)