ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第181話 決戦前夜

現実世界:病院

 

現実に意識を戻した俺は上に乗っていた葉月に降りてもらい、看護師に許可をもらってリハビリ途中の体をなんとか動かして屋上に移動した。

 

「うぅ……恥ずかしい…」

 

俺だけになら見られていいと降りる前に言っていた葉月は屋上についてから自分が何をしていたのかを改めて確認し、ちょっとした後悔に襲われていた。

 

「ったく、待ってろとは言ったけど上に乗ってろとは言ってないだろ、それもスカートで、看護師さんも苦笑いしてたぞ……」

 

「言わないで……それより、何してたの?」

 

「確認したいことがあったから残った、それじゃダメか?」

 

「言って、じゃないと……」

 

葉月は言葉を詰まらせた後、俯いて小さく呟いた。

 

「また何も言わずに無茶するから……遠くに行っちゃうから……」

 

「葉月……分かった、何してたか説明するよ」

 

俺は俯いたままの葉月の頭を少し撫でたあと、招待組がログアウトした後何をしていたかを全て説明した。

 

「よかった……またどこか行っちゃうのかと思った……」

 

「アンダーワールドの件は悪いと思ってるよ、これからはお前に何も言わずにどこかに行くなんてしないよ、約束する」

 

「うん……」

 

葉月は安心したのかそのまま俺に抱きついてきた。

抱きついてくる時に一瞬見えた葉月の顔は泣いているような気がした。

 

「明日、アインクラッドを攻略してティアを止める、そしたら──」

 

俺は葉月に抱きつかれたまま、明日やる事とそれが終わったあとの話をした。

 

「続きをしよう」

 

アンダーワールドから戻ってきた後、意識が戻った俺は直ぐに左手に付けられていた()()()()()に気がつき、それが誰が付けたのかも直ぐにわかった。

俺は抱きつくのをやめた葉月の左手薬指に()()と同じものを付けた。

 

「春揮……うん、絶対ティアを止めよう」

 

こうして俺達は決意を決めた。

この後、葉月はそのまま帰って俺は病室に戻った。

 

 

病室

春揮目線

 

「遠くに行っちゃう……か」

 

病室に戻った俺は葉月が言ったことを口に出した後、誰もいない病室で1人、気持ちを呟いていた。

 

「誰も守れないのはお前だけじゃないんだ、遠くに行く怖さを知ってるのはお前だけじゃない……」

 

俺は病室の布団に仰向けになりながら昔起こった色々なことを思い出していた。

 

「俺が強くならないとあいつを守れない……って言いたいの?」

 

(嫌な)思い出に浸っていると、俺の病室内にいつの間にか帰ったはずの葉月が立っていた。

 

「春揮、さっき苦しそうだった、だから看護師さんに許可もらって戻ってきた」

 

「苦しくなんてないよ、それはお前の───」

 

「違うでしょ?」

 

起き上がりながら葉月の言葉を否定しようとしたが、それは葉月によって遮られ、俺は布団に押し倒された。

 

「看護師さんに聞いたけど、一応退院可能らしいよ……ってのは別の話だけど春揮、無理しないでよ」

 

「俺は……」

 

「私がなにか相談する時も、OS事件の時もずっと春揮はどこか苦しそうだった、なのに私には何も話してくれない」

 

俺を押し倒した葉月は怒っていた。

SAO以来、葉月と一緒にいて初めて俺に見せた表情だ。

 

「辛いなら抱え込まずに話して、そう言ったのは春揮でしょ、だから春揮も辛いなら話して」

 

「……俺はお前と違って誰も守れない、お前以上に誰かを失う辛さを知ってる、お前より俺は弱いんだよ」

 

「それは違うよ」

 

「何が違うんだよ……!俺の辛さなんてお前にはわからないだろ!?」

 

「うん、春揮の辛さは私にはわからない、だけど──」

 

葉月は俺を押し倒すのをやめてそのまま立ち上がって言葉を続けた。

 

「私は春揮に守って貰ったからここにいる、誰も守れないわけじゃないよ」

 

「…………」

 

「それに、招待組のみんなだって春揮に助けて貰ったって話してた、春揮と出会ってなければ私達はこういう関係にはなってなかったよ」

 

立ち上がった葉月は起き上がった俺に再び抱きついてきた。

 

「誰かを失う辛さなんて皆同じように感じてる、シズク達も、明日奈だってそう言ってた、辛いのは1人だけじゃないんだよ……?」

 

「……そうか」

 

「春揮、これだけは約束して、辛くなった時、私も春揮も抱え込まないで話すって」

 

「……分かった、約束するよ」

 

「よかった、それじゃ私はこれでほんとに帰るね……あ、春揮」

 

怒っていた表情が少し明るくなったと思いきや葉月は病室の扉の前まで移動し、帰ると言い出したと思いきや俺の名前を呼んだ。

そして葉月は振り向いてこう言った──

 

「大好きだよ」

 

「……このタイミングで言うかよ」

 

「明日には退院出来るらしいから、ティアを助けたらまたここに来るね」

 

「あぁ、また明日、な」

 

葉月はそのまま自宅に帰った。

1人残った俺はそれを確認した後、病室の布団に仰向けに倒れて葉月の言葉、そして表情を思い返していた。

 

「……守らないといけない、あいつは俺が」

 

既に夜遅くになっていたため、覚悟を決めた俺はそのまま明日のために睡眠をとった。

 

 

 

 

次の日

SA:Oβテスト13日目

 

「お前達に渡すものがある」

 

アインクラッド攻略のために宿屋に集まった招待組メンバーにとあるものを渡した。




悪剣稀に見る駄作が生まれた気がする、というか生まれた

春揮の感情って表に出したことほとんど無いけどどこで出そうか迷った結果ここに入れて駄作になったよ


認めよう、これは駄作



次回からはまともになります、こんな話は今回だけですよ、多分

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