ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
そのあと、ユイの状態が良くなるまで、サーシャという女の人の元で休ませてもらうことに。
「ユイちゃんはこの街で暮らしてた女の子ではない?」
「はい、私は毎日この街で困っている子を探していましたが、ユイちゃんは見たことがありません」
「そうですか……」
ユイが元気を取り戻し、サーシャさんに話を聞いていると、誰かが訪ねてきた。
「はじめまして、ユリエールと申します」
「軍の人だよな?まさかと思うけど、昨日の件で何か?」
「いえいえ!むしろお礼をしようかと…」
「ちょっと俺外に出てくる」
「ルシハ?」
ユリエールと名乗った人の横を通りつつ、俺は外に出た。
「……ユイ、か…」
────
ハヅキ目線
ルシハがいきなり外に出ていったのを軽く流し、ユリエールって人は話を続けた。
「今日はあなた方にお願いがあってきたんです」
話によると、シンカーって人が、攻略会議で見た気がするキバオウって人にハメられ、ハイレベルのダンジョンに置き去りにされて、でも、自分では到底無理。
それで、昨日ボコボコにした軍のメンバーがユリエールに『とてつもなく強いプレイヤーが現れた』と情報を流し、ここまで来た。と。
「キリトさん、アスナさん、ハヅキさん、どうか私と一緒に救出に行ってくれませんか」
「……でも、私たちがあなたの私情に巻き込まれる」
「ハヅキさんの言う通りですよ、力を貸してあげたいですけど、こちらであなたの話の裏付けをしないと…」
「無理なお願いなのはわかっています、ですが、彼が今どうなっているのかと考えるともう、おかしくなりそうで…」
「その人は悪い人じゃないよ、ママ」
「ユイちゃん?そんなこと分かるの?」
「うん、うまく言えないけど…わかるよ」
「疑って後悔するより信じて後悔しようぜ、行こう、なんとかなるさ」
「ありがとうございます……」
キリトが無理やり話を終わらせ、出発しようとした。
「ユイも行く!」
「でも……今から行くところは危ないから…」
「パパたちと行きたい!」
と、ユイちゃんが駄々をこねてしまい、どうしようかと迷っていると…
「いいんじゃないのか?危なくても守ればいいんだから」
ルシハがどこかへ行ってから帰ってきて、迷っていた私たちの結論を一気に決めた。
「しょうがないか、行こうか」
こうして、私たちはユリエールさんに教えてもらい、一層の地下ダンジョンへ向かった。
「ここは……」
「……キバオウはこのダンジョンを独占しようとしてました、ですが、60層クラスのモンスターばかりが出るようで、ほとんど狩りはしなかったようです」
「ユイ、怖くないよ!」
「この奥にシンカーさんがいるんですよね?」
「えぇ、行きましょう」
この時、ルシハの表情がすこし暗かったことに疑問は持っただけで触れなかった。
「安全エリアだな、奥に人がいるぞ…」
「シンカー!」
「ユリエール!来ちゃダメだ!その通路は──
その言葉を聞いても止まらずにシンカーさんの元へ走っているユリエールさんの頭上に大きな鎌が振り下ろされた。
「危ないっ!」
それをキリトがギリギリで受け止め、ユリエールさんは無事だった。
「安全エリアに避難してください!ここはキリトくんと私たちに任せて!」
アスナがユリエールさん達を避難させているあいだ、キリトと鎌を持った死神は向かい合ったまま。
「アスナ!今すぐユイたちを連れて転移結晶で脱出しろ!俺の個体識別スキルでもデータが見えない、強さは90層クラスだ…俺が時間を稼ぐから逃げろ!」
「キリトくんも!」
「俺はあとから行く!」
「ユイちゃんを任せました。私たち4人で何とかします!」
「ちょっとユイちゃん!?」
アスナ達が戦おうとしたその時、ユリエールさんに任されていたユイちゃんがアスナ達より前へ歩き出した。
「おい!危ないぞ!逃げろ!ユイ!」
「……大丈夫だよ、パパ、ママ」
ユイに向けて鎌が振り下ろされた。
だけど鎌は当たらず謎のバリアによって防がれた。
「破壊不能オブジェクト……」
そのままユイちゃんは自分の手元に剣を作り出し、死神を真っ二つに切った。
キリトが戦う前から危険だと感じていた相手を一瞬にして蹴散らした。
「……ユイ」
「パパ、ママ、全部思い出したよ」
「今までのこと……?」
「はい、全部説明します、キリトさん、アスナさん」
「「…………!!」」
この後、キリトとアスナはダンジョンの奥に進んでいった。
「……やっぱりか」
「やっぱりってどういうこと?」
「ユイって名前と、カーソルの非表示、その時点で勘づいてはいたが、あいつの本来の名前は──」
────
システム管理部屋(微弱)
「SAOは、ひとつの巨大なシステム《カーディナル》によって制御されています、メンテナンスを必要としないこのシステムがSAOのバランスを制御しているのです、モンスターやNPCのAI、アイテムや通過の出現バランス、何もかもプログラム群に操作されています……プレイヤーのメンタルケアでさえも」
「……《メンタルヘルス・カウンセリングプログラム》試作1号、コードネーム《yui》。それが私です」
────
ルシハ目線(安全エリア)
「AIといえ、プレイヤーに違和感を与えないようにちょっとしたシステムがユイには着いていた。偽物なんだ、あいつの全部が」
「それじゃあキリトたちとあった時の記憶が無いって言うのは?普通ありえないんじゃ……」
「それはユイから聞くしかないだろ」
「でもなんでルシハはそれを知ってて今こんなところに連れてきたの?」
「ここに来ることになったのは予想外だよ、だけど、まさかコントロールルームの擬似がこんな所にあるなんて知らなかったけどな、俺は『管理者権限』を使ってユイの記憶が戻るように設定はしたんだが、こんなところに来て戻るとはな」
そう話しているうちに俺達はコントロールルームに入った。
「ルシハさん、私の記憶を、私を取り戻してくれてありがとうございます。皆さんに会えたことが何故か嬉しいと思ってしまいます……おかしいですよね…ただのプログラムなのに……」
「ユイには本物の知性がインストールされている、だけど……」
「……みなさんと一緒にいたいです、が、記憶を取り戻し、皆さんを助けようと思った時に触れた石、GMが緊急アクセスするコンソール、そこからアクセスし、モンスターを消去しました、ですが私はカーディナルに逆らった異物扱いされてもうすぐ消されます」
「嘘……ユイちゃん…!!」
「ママ…笑って……」
「カーディナル、いや、茅場!!お前の思いどおりになると思うなよ……」
「どけ、俺がやる」
コンソールを使い、ユイを復活させようと思ったキリトをどかし、コンソールからシステムにアクセスを試みた。
pass:kisaragi
ID:*****
「……結果はこれだけか」
「今何をしたんだ?」
「俺のαテストのデータからアクセスした、それはユイの心だ」
「……ありがとう、ルシハ」
────
その後、俺たちは別れ、ユリエールさんとシンカーさんははじまりの街に、俺とハヅキは俺の家へ、キリトとアスナも22層の自宅へ帰った。
帰り際、アスナ達にユイの正体を知っていた事を話したが、特に何も言わず、そのままその日を終えた。
────
次の日、夕方になり、ヒースクリフから収集がかかり、血盟騎士団のギルドへと行くことに。
「……偵察部隊が全滅!?」
「…あぁ、5つほどのギルドとそこそこの実力者が行ったのだがね、ボスが出現した瞬間、扉が閉じ、そのまま一瞬のうちに全滅した、私も様子を見に行ったが、既に誰もいなかったよ」
「そんなのに勝てるのかよ」
「キリトくん、アスナくん、ルシハくん、ハヅキくん、君たちだけでなく、血盟騎士団のほぼ全てのメンバー、ほかのギルドや実力者を総集めし、攻略へ挑もうと思う」
「結晶無効化か…そんな所に生半可な気持ちでいったらだめだな」
「出発は明日。75層の転移門広場に集合だ、ほかのギルドもいるだろう、皆、それぞれ頑張って攻略をしようではないか」
こうして、俺たちは75層の攻略へ行くことになった。
「ハヅキ、今度の攻略──
「私だって参加するよ、そりゃ、危険なのはわかってる、それはルシハだって同じだしルシハと約束したでしょ?『絶対にこの世界から脱出するって』だから、私もルシハと戦う」
「だけど……
ハヅキを止めようとする俺の口元にハヅキはキスをしてきた。
「……!?」
「…一応結婚してるんだからね」
「……わかった、お互い頑張ろう」
────
次の日。
75層転移門広場。
「よお!キリト!ルシハ!」
「それに、副団長様もいるじゃねぇか!」
「エギルにクラインそれにアルゴも、お前らも来てたのか」
「来てたとはなんだ?こっちは店を放ったらかしで来たんだぞ?」
「それなら報酬はいらないか」
「はぁ!?それはねぇぞ!?」
「なんの情報も得られなくてな、怪しいけどオレっちも直々に攻略に参加しようかと思って、ルー坊もハーちゃんも元気そうダナ」
「おかげさまでな、お前も無事でよかったよ」
「……ハーちゃん」
「さて、集まってくれたようだな、我々血盟騎士団、そして集まってくれたギルドの諸君、行こう、攻略へ!!」
「………行くぞ!」
フェイタルサイス戦無し!(まさかの)
と、言うことでユイちゃんの記憶を呼び起こしたのは原作と違ってルシハの管理者権限!
残り1回だよ管理者権限……
カーディナルによって消去されたユイ。
そのデータが残した奇跡のアイテム『ユイの心』
初めてのキスシーン。
血盟騎士団、ギルド、そしてルシハ達実力者。
果たして75層のボスに勝つことが出来るのか……!?
死神戦すみませんでした。