ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
「……1つ訂正させてもらうがまだ結婚してはないからな、それに
「そりゃ失礼。ボクは
「そうか、俺は如月春揮。歳は19だ、よろしくな」
「とりあえず立ったままは悪いから二人ともリビングで話そうよ」
葉月に言われ、俺と空はリビングのソファに座った。
「…プレイヤー名って言ったからにはお前もSAOにいたのか」
「うん、そのとおり、だから葉月ちゃんの家の管理もさせてもらっていたんだ……
「先に聞かせてもらうが、葉月は空と元々の仲なのか?」
「いや、知り合ったのは2ヶ月前、たまたまこの家に来ることになった時にね、既に親がいないってことに気がついて金だけ渡して生活させていて、一週間に一度ぐらいはここに顔を出すようにしてたんだ、ちょうど今日が定期日だからね」
「金はどこで稼いだんだ?その年で」
「君に言われたくはないけど、ボクは『ちょっとした会社の開発に携わっていた』だけだよ」
「レクトか」
「あの会社ではないよ、まぁ、今は言わなくてもいいと思うよ」
「そうか、ならいいよ」
「ちょっと二人ともなんでそんなに暗い感じになってるのさ…」
「葉月、ごめんな」
空と話を進めているうちに少しずつ暗い感じになっていた所を葉月が止めてくれた。
「葉月、悪いが、空のことを少しでも知らないと……」
「わかった…」
葉月は必死に止めてくれたのに俺はそれを受け止めずに空との話に向かい合うことに、葉月は少しガッカリしながら近くにある木の椅子に座った。
「それで、もうひとつ聞きたいことがあるんだが、『ルーザー』ってのはどういう事だ?」
「…ボクは、SAOから逃げたんだ、妹が積極的に攻略に行こうと言ってくれたのに」
────
SAOのサービスが始まってすぐにログインしてソル、ルナとしてSAOを開始した。
ログインしてからしばらくして2人でレベル上げをするために街の外に出たんだ。
夕方までレベル上げをした後、ログアウトしようとしたらデスゲーム宣告がされ、そのままSAOに囚われたんだ。
それからすぐボクは絶望で立ち直れなかった、けど、ルナはそのまま狩りに出かけた。
……その時点で彼女とボクに違いが生まれていたんだ。
1ヶ月間、攻略に没頭していたルナとは違い、街で商売業だけで生活していたルナはたまにボクに会いに来てくれたりしたけど、ボクは会うことさえ拒否するようになっていた……そして、1層攻略に参加することを喜んで教えてくれた。
頑張れと言ったけど……ルナは戻ってこなかった。
もし、あの時、ボクがルナと共に行動すれば。逃げていなければルナは死ななかった。
……敗北者にはならなかったはずだったんだ。
────
「それで、敗北者…か」
「君はルシハだよね、葉月ちゃんから聞いたよ、攻略組になってSAOをクリアに導いた英雄の1人、つまりは『勝者』だ」
俺は一瞬、葉月の方を向いた。
葉月は俺が向いたことに不思議そうに首を傾げた。
「…葉月からは聞いてなかったか、俺は、1層攻略の時、ルナと一緒にいたんだ」
葉月がハッとした様子で俺を2度見しつつ俺を止めようとしてくれた、けど、伝えないと……
「ルナは俺と他にいた4人と一緒にパーティを組んでボス戦に挑もうとした。だが、道中に現れた中ボス的な存在にやられ、そのまま……死んだ。俺がルナを守れなかったんだ」
「……そう、だったのか…葉月ちゃんからは葉月ちゃん自体のSAOでの話を聞いたけど、1層で色々やったこととかも聞いた…でも、ルナと離れたボクが悪いんだ、如月くんが気にすることではないよ……ごめんね、勝手なことばっかり言って…」
「いや、俺もごめんな、余計に暗い雰囲気にさせたりして、それで、俺らからもひとつ話があるんだが」
「……?」
「流石にこの辺に1人で住まわせるわけにも行かないし、葉月自身の意見もあってなんだが、この家を離れようと葉月が考えてる、それでこの家のこと、悪いが……」
「そういう事ね、家自体はなんとかなるけどその他はそっちで頼むよ、それで如月くんの家はどこにあるの?」
「…東京だ」
「そりゃ、長旅ご苦労さま、そして葉月ちゃん、いってらっしゃい」
「……はい!ありがとう、空」
────
葉月が荷物をまとめているうちに俺は空に話しかけられた。
「如月くん、君は強いよ、君は…彼女に少しでも勇気を与えてくれたよ」
「どういう事だ?」
「ルナはね、いや、美月はね、病気を持っていたんだ、それでも彼女はフルダイブなら生きていける、そう思ってSAOを始めたんだ、だけど、1ヶ月経った時点で彼女は生きる希望を失っていたんだ、そんな時に君たちに合ったらしく、そのまま1層攻略に入ってその場で自殺しようと思っていたんだよ、多分、君がルナの行動にそういう感覚を感じたことがあったと思うけど」
「……そうだったのか」
と、空は俺の手をいきなり掴んできた。
目を見ると涙を浮かべていた。多分葉月が家を出るって話の時点で涙をこらえていたと思う。
「…如月くん、あの子を、ルナを少しでも救ってくれてありがとう。そして、葉月ちゃんを守ってあげてね、ボクが…出来なかったように」
「泣くなよ、お前も強いよ、あのゲームで生き残った人間だ」
そう言うと空は目を擦り涙を拭き、笑顔でこういった
「ありがとう、君は優しいね、そうだ、ボクもしばらくしたら東京に行くから、その時もまた会おうよ」
「あぁ、その時は葉月と結婚してるかもな」
と、その時、階段から降りてきた葉月がちょっと大きめなカバンを背負い、ポニテを揺らしていた。
「か、可愛い…女のボクでも結婚したいかも」
「バカか、確かに可愛いけど」
「……うるさい」
その後、家の片付けだけして桜花家を空けることに、そしてこの家をとりあえず空に任せ、俺と葉月は外に出た
「うわ、寒っ…そうだったわここ真冬やん」
「…春揮。マフラー、使って」
「ありがと、この辺だとお前の方が分かるな」
「はいはい、お二人さん、イチャイチャしないで、いってらっしゃい」
「今までありがとう、空、また会おうね」
「ちょっ、そんなに笑顔になれるとこっちが恥ずかしくなるわ」
「だから、こいつは俺の婚約者だっての」
「バカ」
と、ふざけてるうちに寒さに少し慣れた気がする、東京育ちだからそれも気のせいかもだけど。
「如月くん、次会う時はきっと《君と同じ立場》だ。また会おう」
「……わかった、またな、空」
「お二人共お幸せにね」
こうして俺らは葉月の家を離れ、東京へ向かうことに。
ちょうどバスが来てくれたおかげでなんとかなりつつ駅前に着いたその時だった。
「なぁ、聞いたか?ALOに、《光の剣士》って名乗る男がいるらしいぜ」
「あぁ、あれだろ?最強無敗の大剣使いなんて呼ばれてる男がいるんだろ?」
「そう、それがALOのとあるエリアで挑戦を待ってるらしいんだよ、ちょっとした恐怖だよな、最強の男が森の中でいきなり現れるんだぞ?」
「でもあれ、SAOをクリアに導いた男、確か黒の剣士って呼ばれてるやついなかったか?あいつよりは弱いんじゃねぇの?」
との会話をすれ違いざまに噂を聞いた。
「春揮…今の人たち…」
「今は気にしなくていいだろ、それより早く新幹線の切符買って乗るぞ」
「うん……」
(ALOに光の剣士か…その名前をつけられたのは俺だ。誰が呼ばれてるのか知らないが……いつか勝負してやるよ……)
ちなみに市役所に寄って住所なんとかとか色々終わらせた。
そしてこの後、新幹線に乗り、東京に着き、葉月の住所やら何やらを終わらせた。
「とりあえず多分これでこっちに住むことになるな」
「うん、よろしくね、春揮」
「……もっと自分を出していいんだぞ」
「…え?」
葉月の頭に手を乗せて少ししゃがみつつ葉月の顔を見た。
「お前の生活に何があったのかわからないけどさ、お前があんまり笑顔になってないような気がするんだよ、いや、言ってしまえばお前は感情が、無いロボットみたいだよ、悪い言い方だけどさ」
「……ごめん」
「別に言わなくてもいいよ、俺が少し気になっただけだし」
「と、とりあえず髪切らせて!」
「……あぁ、いいよ」
(……言いすぎたか…)
一日のうちに色々起きつつ結局家に着いたのは九時過ぎ。
俺はソファで寝て葉月に布団で寝てもらうことに。
そして次の日、朝早くから葉月に起こされた。
その時の葉月の目は暗いような気がした。
皆さん、突っ込みたいことあると思うけどそれは言ってはいけないことですよ。つまり黙れってことですね
ルナの姉、ソル(空)とのいろんな会話をしつつ
家を任せて東京へ。
女でも好きになる葉月の可愛さとは。
そして東京に着いた2人。
春揮がまさかのことを口に出した。
葉月が笑顔をあまり見せない理由とは……
ちなみに次回回想ですが他の作品(俺の)と被るシーンがあると思いますが気にしないでください。作者は同じだから
ルーザー(敗北者)
わかる人もいるんじゃないかな。この言葉。
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咲宮空
18歳
誕生日:???
住み:??
仕事:???
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咲宮美月(みづき)
16歳(SAO第1層)
誕生日:6/10
住み:??
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ちなみに2人は同じ場所でログインしましたがルナの死亡時には周りには人はいません(二人暮し)