ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第2話 予兆【覚醒】

『このゲームをクリアするには1層から100層まで階層全てを制覇しなければならない。100層までたどり着けばSAO(デスゲーム)は終わるのだ。』

 

広場にいる人間の中には『どうせゲームのサプライズ的なやつだろ。』と、余裕を見せるやつ。

『そんなの嫌……』と、絶望に飲まれている人まで。

 

もう一度ログアウトボタンを確認すると、さっき見た時と同じく、ログアウトボタンは消滅している。

と、アイテムストレージを開くと見たことの無いアイテムが…

 

『アイテムストレージに私からプレゼントを入れておいた。それを使った者からこの街を出ることが出来る、せいぜい頑張りたまえ』

 

そう言い残し、茅場は消えていった。

 

ストレージからアイテムを出すと、それは『手鏡』だった。

 

手鏡を出し、鏡を覗くと広場中に光が発生し、しばらくすると…

 

「リアルの顔そっくりだな…」

 

「クライン、前のアバターより老けてるな」

 

「そーゆーおめぇも思ったより若ぇじゃねぇかルシハ」

 

と、クラインをいじっている間、キリトも顔は変わっていたが、けわしい顔のままずっと考え込んでいる様子だった。と、思ったら俺とクラインの手を引きどこかへ行こうとした。

 

その時、人混みの中にフードを被ったまま、こちらを見る少女の姿が見えた。

 

…が、キリトに無理やり引っ張られたせいで見失ってしまった。

 

────────

 

「いきなり走り出してすまん。」

 

俺とクラインが連れてこられたのは街の中でも人通りが1番少ない裏路地。

 

「……2人はこれからどうするんだ?」

 

「キリト、悪ぃな、俺ァリアルの親友を探さねぇと。あいつらもログインしてるはずだし、会う約束もしちまってるから(ピザ逃したし)

 

そう言いながらクラインは裏路地の出口の方に歩いていった。

と、思ったら立ち止まり俺らの方に振り向き……

 

「キリト、ルシハ!……おめぇら、案外可愛い顔してるじゃねぇか」

 

「「お前は老けてるな」」

 

と、俺達が言ったあと、クラインははじまりの街の広場に戻っていった。

 

────────

「…なぁ、お前はどう思う?」

 

「茅場晶彦が、『俺の憧れ』が、なんであんなことをしようと思ったのかはわからない。だけど俺はこのゲームをクリアしようと思う。」

 

そう、キリトは言った。

 

「……俺も信じられねぇよ、茅場が『人を騙す』なんてことをするなんて、でも今やれることはこのゲームで生き抜くことだ」

 

「…絶対生き残る、そしてこのゲームを」

 

「「クリアする」」

 

────────

キリトが先に草原に出たあと、俺は茅場の発言を思い出した。

 

『このゲームで死ぬ、それは現実での死を意味する。』

 

……許さねぇ。

 

俺は怒りとともに原子の草原へ向かった。

 

────────

原子の草原【エリア1】

 

既にいくらかプレイヤーの姿がチラホラしている。

そんな中、ポップしたモンスターを蹴散らしていた。

 

「くそ!くそっ!くそ…っ!!」

 

茅場という偉大な人間に、俺の上司となる人間にこのゲームを無駄にされた、その怒りをモンスターにぶつけていた。

 

『君に、このゲームの制作を手伝ってもらいたい。』

 

そう言われてあの会社の手伝いとして仮入社した。

既に茅場がしてきたことは俺も興味を示していたため、アーガスに入ることに抵抗はなかった。

アーガスに入り、茅場晶彦という大きな存在と関わることも多かった。

キリトと同じように『憧れ』を抱いていた。

 

 

……そんなの無駄だったんだ。

 

と、我に返ると周りは暗い空間になっていた。

 

「……『シークレットスペース』か」

 

特別な条件を果たしたプレイヤーだけが入れるはずの空間。

誰か1人、プレイヤーが入ると消えてしまう。簡単に言うと『早い者勝ち』の空間。

 

この空間は元々、SAOには入っていなかった。

もちろん、デスゲームになってから現れた訳では無い。

 

この空間は『俺が制作した』。

 

ルシハ、という名前にした理由もここで手に入る『特別』なアイテムに関係している。

 

 

「ここに出るモンスターは」

 

『グルゥアァァァ!!』

 

はじまりの街に飛ばされる寸前。俺達を襲おうとしたドラゴン。

それがシークレットスペースのボスモンスターとして設定してあるドラゴンだった。

 

…なぜ、それがあそこで出てきたのかは謎だけど。

 

「……『デス・ガイアアースドラゴン』!!」

 

あのとき出てきたタイミングでは体力ゲージは見れなかったが、相手の体力ゲージは……

 

『黒い赤』

 

「やるしかねぇ!!」

 

俺は剣を抜いた。

 

────────

 

デス・ガイアアースドラゴン

 

Lv:??

HP:10000

 

────────

 

「がはっ!?」

 

ソードスキル『スラント』、『ヴォーパルストライク』を放っても相手のHPはビクともせず、相手の攻撃はこっちに致命傷を与えた。

 

「生きてるだけでも奇跡…か」

 

致命傷を受け、既に立ち上がることさえ俺には無理だった。

元々、この空間には3回まで蘇生できるようになっていたはずだったが、今となればそんな設定も全て無駄になり、死んだらそこで終わり………

 

(せめて……ここで死ぬわけには…!!)

 

「死ぬわけには行かねぇよ!!」

 

その時、俺の体を光が包み込んだ。

そして、俺の脳裏にひとつのスキル名が浮かんできた。

 

限界突破(リミットブレイク)

 

(力が湧いてくる……?なんだ…このスキル……?)

 

ボーッとしてる俺に、ドラゴンがトドメをさそうとした。

 

ダメージになったのはドラゴンの方だ。

 

(……これなら勝てる…!!)

 

俺は剣を持つ右手に力を集中させ、最大のソードスキルを打った。

が、スラントとは違う技を無意識に放った。

 

ソードスキル:【???】

 

それがトドメになり、ドラゴンは消滅し、俺のストレージにアイテムが入った。

 

片手剣:【ゼデュース・ホーリー・ソード】

 

意味は『光を背かせる剣』

 

それを確認したあと、俺は気を失った。

 

残りHP:10

 

────────

目を覚ましたのははじまりの街の宿の中。

 

体力も回復していて、あの時の感覚は消えていた。

 

(……それに、まだこのスキルがなんなのかわかってないし)

 

「…やァ、目が覚めたカ?」

 

布団の横には女の子(?)が立っていた。

 

「……お前が助けてくれたのか?」

 

「いや、オレッちはお前を預かっただけダヨ。ボロボロのお前を助けたのはお前と同じぐらいの女の子ダ。」

 

「……そうか」

 

「ところデ、あんなになるまで何してたんダ?」

 

「……レベリングだよ」

 

「それだけしゃないだろ。おねーサンの目は欺けないぞ」

 

 

……なんだこいつ。

 

…これが俺と『情報屋』を繋げるきっかけになった。




バトル描写苦手なのは治らないのか。


スキル【???】と、【限界突破】が登場。

一体ルシハの身に何が……?

あ、オリジナルスキルです。(ソードスキルもね)

────────
今更ながらルシハ、制作側として何をしたかったのか。


────────
ステータス

ルシハ(lucifer)

Lv:??

武器:ゼデュース・ホーリー・ソード(オリジナル、1本だけの剣)

スキル:限界突破(発動条件不明)

ソードスキル:スラント、ヴォーパルストライク、(???)


ルシハが戦闘した時は出します、あとステータス公表の時



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