ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第32話 本物の光【part2】

「オラオラおらオラオラオラァ!!!」

 

「くっ……」

 

電子ドラッグを使い、攻撃力を上げたサタンの攻撃を受け止めるのに精一杯でこっちから攻撃をするのがむずかしくなっていた。

頼りたくはないソードスキルを使えば少しでもなんとかなるはずだが……

 

「オラオラ!そっちから攻撃してこいよ!」

 

(管理者権限を使った以上、無駄にするわけには行かない…俺は……)

 

「負けるわけには行かねぇよォ!!」

 

スキル:限界突破

 

(この感覚は……)

 

SAOの時に何度も感じた感覚……発動条件は揃ってないが……これは《限界突破》…!!

 

「これならどうだ……っ!!」

 

「まだまだまだまだまだ!!」

 

連撃を叩き込むが全て防がれてしまう。

そしてサタンの攻撃だけが俺に当たってしまった。

 

「がはっ…!?」

 

「おいおい、俺ァソードスキルを放ってねぇぞ?」

 

「それが……電子ドラッグの強さか…」

 

ソードスキルを『ソードスキルとして放たなければ』やつとは違い、カーディナルの監視には引っかからない。とはいえ結局はソードスキルに頼ってしまう……

 

「ルシハ!!」

 

「……!?」

 

どうしようか考えているとハヅキが後ろから叫んで声をかけてきた。

 

「いつもルシハが言ってくれてた……迷わないで自分のやるべきことをやってよ!!」

 

「…………!!」

 

SAOの時、ハヅキが迷いそうになった時に掛けていた声……言葉……

 

「そうだよな……俺が迷ってたらハヅキに言ってたのは他人事になる…」

 

「ん?なんか言われた見てぇだが、何かやってくれんのか?」

 

ソードスキルがスキル欄に無いなら他にできる方法はある。

ソードスキルに頼ってしまうからって、そんなことで迷ってたら意味ないな……

 

「行くぞぉ!!」

 

システム外スキル:ダブルサーキュラー

 

「なっ……!?お前もソードスキルを使えるのか…!?」

 

「お前とは違う、俺は《システム外スキル》だ」

 

「システム外だァ?…まぁ、いい、おめぇは俺には勝てねぇよォ!!」

 

システム外スキルのことを話した途端、サタンは再びウィンドウを開き、発動したままのはずの電子ドラッグをさらに使った。

 

「来るくる来るくる!!来たきたきた!!イイねイイね最っ高だねェ!!……がはっ!?」

 

「お前…既に気づいてはいたが、電子ドラッグってのは自分の体に負担がかかる、本当に現実の麻薬ってことだろ」

 

「それがどうしたァ!!俺には関係ねぇよ!」

 

サタンは怒りを力に変え、大剣を振り下ろした、が、最初に電子ドラッグを使った時よりはるかに力が弱っていた。

 

「お前も何かに頼りすぎた、俺と同じようにな……」

 

「うるせぇ!!黙ってやられろ!!」

 

サタンがソードスキルを放つ、だが、戦闘開始時のソードスキルの威力より下がっているのがわかる。

そして簡単に弾き返し、硬直のタイミングで俺はシステム外スキル(本当はソードスキル)を使った。

 

システム外スキル:ナイトメアレイン

 

連撃が硬直途中のサタンにまともに刺さった。が、まだ体力がイエローゾーンで残っている……

 

「ここだ……!!!」

 

システム外スキル:スキルコネクト

 

「トドメだァ!!」

 

システム外スキル:ダブルサーキュラー

 

ソードスキルを放ったあとの硬直が発生する寸前にもう一度剣を持つ手に力を込める、そしてもう一度ソードスキルを放つ…それが、《スキルコネクト》

 

スキルコネクトのダブルサーキュラーで体にクロス状に切り込んだ、既に体力がほぼないサタンは抵抗出来ずにその場にたっていた。

 

「…なんで…お前なんかに負け……」

 

なぜ、こいつが負けたのか、そんな理由など知らない。だが……

 

「……お前に、光の剣士は似合わない」

 

剣を鞘に収めると同時にサタンは死亡エフェクトと共に消えていった。

 

「……これで双星剣ともお別れだな」

 

「ルシハ!」

 

「ありがとな、ハヅキ…お前の言葉がなかったら負けてたかもしれない」

 

「いつも助けて貰ってるお礼ぐらいはしないとと思ってね、お疲れ様!」

 

戦いが終わったあとなのに容赦なく抱きついてくるハヅキに身を任せつつスキル欄を見ると《真絶界の双星剣》のスキルは消滅していた、のにも関わらず何故か俺の背中には未だに剣が2本背負われたままだった。

 

「どういう事だ?」

 

「永続効果にでもなったんじゃない?」

 

「そうか…な?」

 

「とりあえずログアウトしようよ」

 

「あぁ、でも、どこか近くの街の宿でログアウトした方がいいんじゃないか?」

 

「それなら飛んで行こ!」

 

(このケットシー……可愛すぎる…)

 

こうして、ALOの光の剣士を倒し、俺たちはログアウトするために近くにある街に。

領ならすごく近くにあったもののサラマンダーみたいなことになるのは嫌だったため、街を探してログアウトをした。

 

飛んでいるあいだも俺の背中には2本の剣が残ったままだった。

 

────

現実世界:如月家

 

ログアウトし、気がつくと夕方に。

携帯を確認すると桐ヶ谷和人(キリト)からメールが届いた。

 

『ルシハへ。』

『色々あって遅くなったけど、多分明日には世界樹まで到着出来る。今お前達が何してるかわからないが、もし、来れるなら来てくれ』

 

「……明日は世界樹を目指すか」

 

爆睡してる葉月の横で俺はそう呟いた。




お前に、光の剣士は似合わない

うわぁ……カッコつけ(ゲフンゲフン

なんやかんやあってまさかのソードスキルをシステム外スキルにしてしまうというまさかの発想。

倒した後、何故かスキルは消えたのに剣は2本持てる……


次回、目指せ世界樹……?


ちなみに、
お前に、〇の剣士は似合わない
を放ったのは毎度おなじみSAOHRのキリトです。


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