ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
次の日、朝食を食べて食後のコーヒーを飲んでいる俺は目の前でコーヒーを飲むか飲まないかで迷っている葉月を見て笑っていた。
キリトが世界樹に到着出来ると聞いたから俺達も追いかけようと話をしたのはつい30分ほど前。
「コーヒー飲めないなら無理しなくていいんだぞ?」
「む、無理してない!」
「なら早く飲めって……」
と、会話している途中でインターホンが鳴った。
「誰だ…?」
またエギルか、それか和人……いや、和人にはここを教えてないはず……
少し警戒しながら扉を開けると扉の前には黒髪に少し茶色が混ざったような髪色の女の子が立っていた。
「ほんとにここだったのね……」
「……どちら様?」
「失礼ね!リズベットよ!」
リズベット……たしかSAOで俺の剣を持って重いって言って、更には黒の剣士(キリト)が血盟騎士団団長に負けたってニュースになった時にいた気がするあの鍛冶屋のリズベットか……
「いや、お前別人だろ」
「なぁんですってぇ!?」
「いや、落ち着けって…俺が知ってるリズベットはピンク色の髪だったぞ?」
「染めたのよ!」
「わかったから、お前がリズベットだってのはわかったから。で、なんでここを知ってる?」
「あのハ……エギルに聞いたのよ」
「お前今エギルのこと……」
「そ、そんなことより!エギルから『学校』の話は聞いてるでしょ?」
学校、たしかにエギルがここに来た時に言ってた気がする、SAO帰還者だけの特別な学校……
「聞いたけどそれがどうかしたのか?」
「あなた達も誘わないとと思ってね、わざわざエギルの店まで行って住所を聞いたのよ」
「んじゃ、他を当たってくれ、というかお前今日も学校だろ、その服装」
「なんでほかを当たらないといけないのよ?」
「俺、19だぞ?」
「……私は18」
「「うわぁ!?」」
急に後ろから小さな声が聞こえて思いっきりビックリしたけど葉月だった。
「あ、あなたハヅキね?ほんとに小さかったのね!」
「リズベットは(色んな意味で)でかい」
「それより!とりあえず年齢無視で来てもらうわよ!」
「なら着替えぐらいさせろ寝巻きだから」
「その服装ならいいわよ!とりあえず来なさい!」
「ちょっ!?引っ張るなよ!」
俺はリズベットに無理やり掴まれてどこかへ向かった、反射的に葉月の腕を掴んだ。
────
リズベットに掴まって10分ほど。
見えてきたのはそこそこ大きめな学校だった。
そこの昇降口にはリズベットと同じ制服の女子や微妙に大人びた男子が沢山いた、寝巻き(ジャージ)姿の俺たちとは全く違う雰囲気だ。
既に開校はしていると聞いたものの、未だに入学してない人もいるはずなのにそこそこの人数がいる。
「なんでここに連れてきたんだ?」
「そりゃあ、入学するからでしょ?」
「そんな簡単に言われてもな、というかそれ前提かよ」
人見知りの葉月からすればある意味地獄だぞここ……
「しょうがないでしょ?キリトの家に行っても『忙しいから後日な』って簡単に拒否されたのよ!それで、帰還者であるあんたの家に行ったのよ、まさかハヅキもいるとは思わなかったけど」
とりあえずしばらくしたら結婚するって話はまだ誰にも伝えてない、いや、空には伝えたっけ。
結局、ほぼ無理矢理、校長(理事長)の元に連れていかれ、入学手続きとかなんとかってものを終わらせ、入学することに。
入学と同時に制服をもらい(金は触れないお約束)
それに着替えたところでリズベットに校舎案内をさせられた後、なぜ気づかないのかリズベットは授業ということを忘れ、怒られていた。
「………い」
「………?」
「春揮……怖い」
リズベットのやつよりもはるかに小さいサイズの制服を着た葉月が小刻みに震えながら俺に助けを求めてきたが……人見知りを助けることなんて無理だろ…
「大丈夫だよ、ここにいる人間は全員、SAOから帰ってきたプレイヤーだ、お前に何かするようなやつはいないよ、多分」
「……うん」
「ほら、笑顔だって。笑顔でいれば周りも同じようになるよ」
「そう…だよね…」
結局、学校の教師の人に詳しい説明を聞き、俺らは学食で待機することに。
その時に聞いた話だと、部活動などの活動を優先させて、授業はあまりやらないらしい。大丈夫なのかこの学校……
そして校則として『SAOプレイヤーネーム』は使用しないように決まっている。昇降口で使ってたヤツ見たけど。
「あ、いたいた、ごめんごめん、授業ってことすっかり忘れてて……」
「もう、リズさん!人を連れて来る時点でアレですけど、それだけでなく授業を忘れるなんて」
「シリカ、プレイヤーネーム」
「そう言うリズさんだって……あ、初めまして!
「シリカ……?」
たしか結構上の層で《ビーストテイマー、シリカ、黒ずくめの男とパーティ──》って聞いたことが…もしかして黒ずくめの男ってキリトの事じゃ……?
「あ、あたしは
いきなり自己紹介が始まった、俺と葉月も自己紹介した。(名前と歳だけ)
アーガスということはまだ言わないでおくことにした。
「葉月ちゃん同じぐらいの身長で…
「……よろしく…シリカ」
「「そっち!?」」
まさかのプレイヤーネーム呼びに俺と里香はハモリながらツッコミを入れた。
「ちなみに綾野、葉月は18だぞ、そう見えて」
「えっ……」
「小さい……ごめん」
「いやいや…えっと…私こそ、ごめんね?」
なんか余計な事言った気がして申し訳ないな…でも、綾野と里香なら葉月も気軽に話してるし意外と安心かもしれない。
「そう言えばなんでキリトさんは忙しいって答えなんでしょうか?」
「そうよねぇ…でも、どうせVRに没頭しすぎてるだけとかかもしれないわね……」
と、2人が学食で買ったパンを食べながら話している。
俺と葉月も同じようにパンを買って食べつつ話に参加した。
そしてこのタイミングで俺はキリトとアスナの現状を話した。小声で。
「えぇ!?」
「それって本当ですか!?」
「…言葉を慎みたまえ」
「春揮、変な喋り方になってる……
「キリト…いや、和人は今そう言う状況だ」
「なら、私たちも行かないと!」
勢いよく立ち上がろうとする里香の方を無理やり押し、立てないようにしながら言葉を続けた。
「向こうはあいつと俺らに任せとけ、本当は学校に入る予定無ければ今はALOにいるはずだったんだが…」
「でも、アスナは私の親友……」
「大人数で行ったとして、あいつの手助けが出来るわけでもなんでもないだろ。今は俺達とキリトを信じてくれ」
「……絶対に連れて帰ってきてよね!」
「分かってるよ」
「葉月……さんも気をつけてくださいね?」
「……ちゃんでいい」
「まだ根に持ってるのかよ」
こんなやり取りをしながらも時間を過ごし、夕方になっていた。
次の日は欠席すると伝え、家に帰った。
「……学校か…」
「葉月……」
葉月の過去を知ってる以上、学校には連れていきたくはなかったが…里香と綾野は目のことに関しては何も言わず、明るく接してくれていた、だが、まだまともにクラスに入ってないからわからない……
「辛かったら言えよ」
「……ありがと」
結局、帰ってきてすぐにALOにログインした。現在の時刻は6:00
キリトからメールが来ていた。
『世界樹に到着した。ちょっと複雑な事情になったから少し時間がかかるけど、明日には攻略を開始しようと思う。』
「急いで世界樹近くまで行くか……」
────
ログインした先は何故かとある建物の中の寝室のような空間だった。
ログアウトした時はある街の宿だったはず……
「ログインしてきたようだな、いきなり手荒くて済まない」
「誰だ……見るからにスプリガンでもサラマンダーでもケットシーでも無さそうだが……」
「そう身構えるな、ソナタらとはやり合うつもりなどない、申し遅れた、私は《シルフ領主》、サクヤだ」
学校きたね。
実は初登場のシリカ(綾野 珪子)
無理やり連れていかれた時点で葉月にはトラウマが残っている。
そんなトラウマを持った葉月はシリカに優しく(?)され、なんとか無事に過ごせた様子。
キリト達のことを伝え、家に帰り、夕方にもかかわらずログインするとそこはログアウトした時とは違う場所に……
そして混乱している2人の前に現れたのはシルフ領の領主、サクヤ
一体何が起こる……!?
(ちなみにキリト達は現在、『お兄ちゃんなの……!?』のシーンの後、ログアウトして気まずい空気になっています←原作わかる人にしか伝わらないやつ)
ついでに言うとこの次の日(時間的に)がグランドクエストと最終戦だよ。まだ先だけどなこの作品だと
また長くなってしまった。