ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第37話 グランド・クエスト【Part2】

シルフ・ケットシー同盟が到着してから数分、キリトの周りのガーディアンをシルフ部隊が止めてくれてはいるものの、未だに世界樹全体の半分ほどまでしか進んでいない。

 

「ハヅキ!俺らもキリトの周りを倒すぞ!」

 

「わかった!」

 

周りから攻撃してくるガーディアンは竜騎士(ドラグーン)とケットシー達が倒してくれているうちに俺とハヅキは近くにいるガーディアン達と、シルフ部隊が倒しきれなかった分を倒しながらキリトが戦っている近くまで行った。

 

「ルシハ…ハヅキもありがとな…」

 

「SAOを共に過ごした仲のためだ、少しぐらいは手伝うに決まってるだろ」

 

「私だってアスナを助けたい……」

 

「あぁ…ありがとう……」

 

ガーディアンの突進攻撃でシルフ部隊の1部が倒された光景を見たり、竜騎士(ドラグーン)にガーディアンが接触したりしている。

キリトを早くアスナの元に送らないといけないのに……

 

竜騎士(ドラグーン)!上に向かってブレス攻撃!」

 

「シルフ部隊も怯まず攻撃を続けよ!キリトの道を開くのだ!」

 

サクヤ(シルフ部隊)とアリシャ(竜騎士)は自分たちの周りにいるガーディアンではなく、俺たちの周りにいるガーディアンを倒すことを優先した。リーファも俺らの近くで戦っていて、かなり驚いた様子だ。

 

「我々が道を開いているうちに!」

 

「早く行くのサー!!」

 

「あいつら……」

 

ガーディアン5、6体が一斉に突進攻撃でキリトを狙う、それを俺とハヅキが抑えた。

 

「キリト、シルフ達の援護を無駄にするわけには行かない……!!」

 

「絶対に……アスナを……!」

 

「お前らまで……」

 

「パパ!今ならガーディアン達の間を通って1番上まで行けます!」

 

突進してきたガーディアン達を倒し、上を見上げるとガーディアン達が通路の端の方に避け、真ん中に道ができている。

 

「お兄ちゃん!これを使って!!」

 

リーファが剣を投げ、キリトがそれを受け取った。

そして再び、《二刀流》になったキリトは剣を上に重ね、1本になるようにして上昇を始めた。

スプリガンの飛行速度はそこまで出ないが、キリトはSAOのステータスを引き継いでいるらしいから、普通に攻撃速度として速度をとっている。

その速度を使いキリトは自分の周りに衝撃波を作り出し、阻止しようとしたガーディアンを倒しながら世界樹の奥に進んでいった。

 

「行ったか……」

 

「ルシハ、帰ろう」

 

「あぁ……」

 

(絶対に負けるなよ……キリト…!!)

 

「シルフ部隊!後退せよ!」

 

竜騎士(ドラグーン)も後退!」

 

キリトが世界樹の上まで行ったことを確認した後、俺らは世界樹から出た。

 

────

世界樹前

 

「サクヤ、本当にありがとな」

 

「礼などいらぬ、むしろルシハ達とキリトにお礼をしなければならない、ユージーンを改心させ、更には金を預けてくれたのだから」

 

「リーファ、おつかれさん」

 

「ルシハさん……ありがとうございます」

 

「さて、我々はシルフ領に帰るとしようか、ルシハとハヅキ、また会おう」

 

「私達も帰るかにゃ〜、お疲れ様だネー」

 

サクヤとアリシャと握手を交わし、それぞれ自分たちの領に帰っていった。

 

「リーファは帰らなくていいのか?」

 

「心配で……」

 

「キリトは、お前の兄さんは強い、絶対に負けない、アスナを助けて戻ってくるよ」

 

「そう……ですよね、ありがとうございました、ルシハさん、また、次は多分リアルで」

 

「あぁ、またな」

 

元気を取り戻した様子で、リーファはそのままシルフ領に飛んでいった。

 

(まともに戦うこともせずにキリトに声かけるだけだったな俺は……)

 

「ルシハ?」

 

「あ、大丈夫だよ、ハヅキ」

 

「私達もどこかでログアウトしよう」

 

「そうだな…」

 

こうして俺たちは世界樹のふもとにある街の宿でログアウトした。

 

────

世界樹【研究区画・個別エリア】キリト目線

 

「パ……パパ!大丈夫ですか!?」

 

「ユイ……?ここは?」

 

「わからないです…マップのデータが存在しません」

 

俺が目を覚ましたのはどこかの施設のような建物の中だった。多分、この近くにはコントロールルームもあると思う。

 

「ユイ、アスナの居場所はわかるか?」

 

「はい……ここから近くです、かなり近いです!」

 

「行くぞ!」

 

「はい!」

 

建物の出口を探し、外に出るとそこには大都市などなく、自然が広がっているだけだった。

 

「大都市なんて嘘じゃないか、許されることじゃないぞ……!!」

 

「それよりパパ!今はママを……」

 

「そうだな……」

 

それからしばらくして、鳥かごに入れられているアスナを見つけた。

 

「アスナ!」

 

「キリトくん!ユイちゃん!」

 

「今すぐそっちに行く!待っててくれ!」

 

アスナの鳥かごを開け、鳥かごの中に入った。

 

「ママー!!」

 

「ユイちゃん……キリトくん……」

 

「ユイ、アスナをログアウトさせることは出来るか?」

 

「今すぐには難しいです…大量のパスワードでロックされていま───

 

「ユイ!?」

 

「パパ……気をつけて…なにか…良くないも──

 

鳥かごが謎の空間に変わり、それと同時にユイが消滅した。

 

そして、いきなり体が重くなり、俺とアスナは地面にうつ伏せになる形になった。

 

「おいおい……小鳥ちゃんのかごの中に害虫がいるじゃないかぁ…」

 

「お前は須郷か……!!」

 

「おい、ここでその呼び名はやめろ。我はオベイロン陛下……そう呼べっ!」

 

 




あっという間。はい。あっという間。

気がついたらUAがめっちゃ伸びてることに気がついて怖いよ。流石SAO。

世界樹攻略があっという間に終わり、ついに世界樹の上の空間へ。
ALOの設定上、グランドクエストを終えると大都市に着き、色々できるというはなしだったはずだが、本当はそんなものは存在していなかった。

ユイが謎の力で接続されただけでなくなんと謎の重力が…

そして現れたのはオベイロン(須卿伸之)

次回、VSオベイロン!!

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