ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
シルフ・ケットシー同盟が到着してから数分、キリトの周りのガーディアンをシルフ部隊が止めてくれてはいるものの、未だに世界樹全体の半分ほどまでしか進んでいない。
「ハヅキ!俺らもキリトの周りを倒すぞ!」
「わかった!」
周りから攻撃してくるガーディアンは
「ルシハ…ハヅキもありがとな…」
「SAOを共に過ごした仲のためだ、少しぐらいは手伝うに決まってるだろ」
「私だってアスナを助けたい……」
「あぁ…ありがとう……」
ガーディアンの突進攻撃でシルフ部隊の1部が倒された光景を見たり、
キリトを早くアスナの元に送らないといけないのに……
「
「シルフ部隊も怯まず攻撃を続けよ!キリトの道を開くのだ!」
サクヤ(シルフ部隊)とアリシャ(竜騎士)は自分たちの周りにいるガーディアンではなく、俺たちの周りにいるガーディアンを倒すことを優先した。リーファも俺らの近くで戦っていて、かなり驚いた様子だ。
「我々が道を開いているうちに!」
「早く行くのサー!!」
「あいつら……」
ガーディアン5、6体が一斉に突進攻撃でキリトを狙う、それを俺とハヅキが抑えた。
「キリト、シルフ達の援護を無駄にするわけには行かない……!!」
「絶対に……アスナを……!」
「お前らまで……」
「パパ!今ならガーディアン達の間を通って1番上まで行けます!」
突進してきたガーディアン達を倒し、上を見上げるとガーディアン達が通路の端の方に避け、真ん中に道ができている。
「お兄ちゃん!これを使って!!」
リーファが剣を投げ、キリトがそれを受け取った。
そして再び、《二刀流》になったキリトは剣を上に重ね、1本になるようにして上昇を始めた。
スプリガンの飛行速度はそこまで出ないが、キリトはSAOのステータスを引き継いでいるらしいから、普通に攻撃速度として速度をとっている。
その速度を使いキリトは自分の周りに衝撃波を作り出し、阻止しようとしたガーディアンを倒しながら世界樹の奥に進んでいった。
「行ったか……」
「ルシハ、帰ろう」
「あぁ……」
(絶対に負けるなよ……キリト…!!)
「シルフ部隊!後退せよ!」
「
キリトが世界樹の上まで行ったことを確認した後、俺らは世界樹から出た。
────
世界樹前
「サクヤ、本当にありがとな」
「礼などいらぬ、むしろルシハ達とキリトにお礼をしなければならない、ユージーンを改心させ、更には金を預けてくれたのだから」
「リーファ、おつかれさん」
「ルシハさん……ありがとうございます」
「さて、我々はシルフ領に帰るとしようか、ルシハとハヅキ、また会おう」
「私達も帰るかにゃ〜、お疲れ様だネー」
サクヤとアリシャと握手を交わし、それぞれ自分たちの領に帰っていった。
「リーファは帰らなくていいのか?」
「心配で……」
「キリトは、お前の兄さんは強い、絶対に負けない、アスナを助けて戻ってくるよ」
「そう……ですよね、ありがとうございました、ルシハさん、また、次は多分リアルで」
「あぁ、またな」
元気を取り戻した様子で、リーファはそのままシルフ領に飛んでいった。
(まともに戦うこともせずにキリトに声かけるだけだったな俺は……)
「ルシハ?」
「あ、大丈夫だよ、ハヅキ」
「私達もどこかでログアウトしよう」
「そうだな…」
こうして俺たちは世界樹のふもとにある街の宿でログアウトした。
────
世界樹【研究区画・個別エリア】キリト目線
「パ……パパ!大丈夫ですか!?」
「ユイ……?ここは?」
「わからないです…マップのデータが存在しません」
俺が目を覚ましたのはどこかの施設のような建物の中だった。多分、この近くにはコントロールルームもあると思う。
「ユイ、アスナの居場所はわかるか?」
「はい……ここから近くです、かなり近いです!」
「行くぞ!」
「はい!」
建物の出口を探し、外に出るとそこには大都市などなく、自然が広がっているだけだった。
「大都市なんて嘘じゃないか、許されることじゃないぞ……!!」
「それよりパパ!今はママを……」
「そうだな……」
それからしばらくして、鳥かごに入れられているアスナを見つけた。
「アスナ!」
「キリトくん!ユイちゃん!」
「今すぐそっちに行く!待っててくれ!」
アスナの鳥かごを開け、鳥かごの中に入った。
「ママー!!」
「ユイちゃん……キリトくん……」
「ユイ、アスナをログアウトさせることは出来るか?」
「今すぐには難しいです…大量のパスワードでロックされていま───
「ユイ!?」
「パパ……気をつけて…なにか…良くないも──
鳥かごが謎の空間に変わり、それと同時にユイが消滅した。
そして、いきなり体が重くなり、俺とアスナは地面にうつ伏せになる形になった。
「おいおい……小鳥ちゃんのかごの中に害虫がいるじゃないかぁ…」
「お前は須郷か……!!」
「おい、ここでその呼び名はやめろ。我はオベイロン陛下……そう呼べっ!」
あっという間。はい。あっという間。
気がついたらUAがめっちゃ伸びてることに気がついて怖いよ。流石SAO。
世界樹攻略があっという間に終わり、ついに世界樹の上の空間へ。
ALOの設定上、グランドクエストを終えると大都市に着き、色々できるというはなしだったはずだが、本当はそんなものは存在していなかった。
ユイが謎の力で接続されただけでなくなんと謎の重力が…
そして現れたのはオベイロン(須卿伸之)
次回、VSオベイロン!!