ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
第41話 新生アーガス【大型アップデート】
ALOの大型アップデートにて、浮遊城アインクラッドが実装される数ヶ月前に時は遡る。
2月の後半、朝早くから俺は葉月に起こされた。その理由は、『俺に会いに来た』と言う男が家に訪ねてきたらしい。
「よっ、お久」
「どなたですか」
玄関に立っていたのは見たことのあるような気がする男だった。どこで会ったんだっけ?
「お前なぁ……2年ちょっと会わなかっただけでそれはねぇだろ。俺だよ、アーガスの!」
「あ、チート入れたSAO渡してきた上司か」
「チートは入れてねぇよ?」
「は?だって、他の人間より経験値貯まるの早かったりよくわかんないスキルが使えたりしたんだが…あのSAOデータをチートと言わなくてなんて表現すればいいんだよ」
と、あの上司は本当にわからない様子を見せてきた。
「とりあえず立ち話はあれだし、リビングで話そうぜ」
「……家に入りたいだけだろ」
「大当たり」
────
「それで、もう一度聞くけど本当にあのSAOにはチートを入れてないのか?」
「まぁ、『管理者権限』を入れたぐらいだよ。流石に永続は無理だったけどな、あ、ありがと」
葉月が俺たちの分のコーヒーを出し、渡してくれた。
「気が利くね、
「なんすかその呼び方……こいつとは同居してるちょっとした関係ですよ。それより話を元に戻してください」
「へいへい。お前の言ってるスキルってどんなやつだ?」
「他のプレイヤーが使えないスキル、それもかなり強い」
「それは知らないな…どうしてそんなスキルが使えたのか全く…」
「わかった、で、改めて聞かせてもらいますけど、なんで俺の家にこんな早くに来たんですか」
「そりゃ、お前、
「まぁ…一応は」
SAO事件で解散に追い込まれ、絶望的な状況に立たされたアーガスがALOで起こったSAO
明日菜を助け出してから、VRMMORPGのほぼすべてが停止を余儀なくされ、管理する者が現れない、そうなった時、世間では失踪したとも言われていたアーガスのメンバーが再集結し、ALOサーバーの管理を預かった。
もちろん世間では賛否両論で、『ALOも同じようにするのか』とも言われていたが、それに動じず、アーガスは近々、ALOの大型アップデートを予定していると聞いた。
「そこでだ、あんな思いをしてしまって言うのは図々しいとは思うが、俺ら《新生アーガス》に手を貸してくれないか?」
「いいが…俺も葉月もSAO帰還者養成学校(?)に通ってるんだ、まともに手伝うことなんて出来ないぞ?それに今日もこれから行かなきゃだし」
「そうか…なら、手伝える時にアーガスの会社に来てくれ、いつでも受け入れるから」
「了解、暇が出来たら行くよ」
「あぁ、宜しくな」
何故か握手を交わし、上司様(笑)は家を出て行った。
それを見送った後、制服に着替え、学校に行く準備をした。
────
SAO事件から3ヶ月が経った1月、SAOから帰還した者は
ALO事件に巻き込まれたプレイヤーは2年と3ヶ月という長い期間、現実に戻ってこれなかったが、須郷の実験により体に異変が起こると思われていたものの、特に体に異変はなく、全員がリハビリをすれば社会復帰をできるようになったらしい。
キリトが茅場に渡された世界の種子が何を生み出すのかは未だにわからない。
そう言えば、須郷はなんで病院の駐車場でボッコボコにされた状態で発見されたんだ?
────
学校の帰り道。
「先に帰っててくれ、俺はアーガスに寄ってから帰るから」
「うん、わかった」
葉月と別れ、俺はアーガスに向かった。
日常会が苦手になったら俺何もかけねぇよ(本音)
ということでプロローグ以来の登場。ゲームして疲れを取るタイプの男、クソ上司登場!
なんとルシハのデータに入れたのは管理者権限のみ。
ほかのスキルは全く関係ないらしい……
ちなみにこの時はまだデータの初期化はしてません。
そして今回から新章!
新生ALO+死銃事件編
ここまでまとめて第3章ってことですね。
あ、新生ALOはオリジナル要素てんこ盛りです。気をつけてね