ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

58 / 193
第55話 システム外スキル【地下ダンジョン攻略part2】

 

右手でソードスキルを放った後、左手に意識を集中させ《サベージ・フルクラム》を放つ。

 

ユニークスキルである《二刀流》とは違う。

 

《神聖剣》《不死属性》《オーバーアシスト》《二刀流》といったSAO(ソードアート・オンライン)に存在したイレギュラー、怪しい条件がついたスキルは現在()()()()()システムから削除されている。

 

(サベージ・フルクラムの最終動作からもう一度……今度は左手から右手へ脳の出力を切り替える、許される誤差はコンマ1秒以下!!)

 

「よぉーし!オレたちも行くぞぉ!」

 

クライン、シリカ、リズが硬直が解け、動けるようになったところでソードスキルを再び叩き込んだ。

ダメージを出したがミノタウロスは怯みもせずにクライン達を衝撃波で吹き飛ばした。

ほとんどダメージにならなかったのは幸いだが、しばらくは動けそうにない。

 

そこでリーファとシノンが同時に攻撃をし、相手の注意を引いてくれた。

 

みんなの攻撃で相手のHPがかなり減ったが……

 

(練習でもこれ以上繋げられなかったが……右腕から左腕、切り替えの猶予は一瞬──繋がれ……!)

 

俺は《それ》を成功させ、再び左手でソードスキルを発動させ、連撃をミノタウロスに叩き込んだ。

スキルの途中でミノタウロスが攻撃をしてきたのを避けつつ最後の一撃をぶつけ、ミノタウロスの目の前に俺が倒れ込んだところで相手のHPが……

 

無くならず、ギリギリで止まってしまった。

 

(くそ………!)

 

ミノタウロスの持つ斧が振り下ろされる前にミノタウロスは後衛からものすごい速度で走ってきたアスナの連撃を喰らいHPが尽き、消滅した。

 

「大丈夫?キリトくん」

 

「良く後衛からここまで間に合ったな……お見事」

 

「ありがと」

 

全員が俺の元に来たところで黒ミノタウロスが体力を完全に回復させ、行動をしようとした……

 

「おーし、てめぇ……そこで正座」

 

クラインの謎の威圧で動けなくなったミノタウロスを俺とアスナ以外の5人でボコボコにした。

 

「おらキリ公!おめェさっきのなんだよ!」

 

「言わなきゃダメ……か?」

 

「ったりめーだろ!見たことねぇよアンなの!」

 

「システム外スキルだよ、《スキルコネクト》、俺が初めてやった訳じゃなくてラギが教えてくれたんだよ」

 

(「両手で計16ヒットだった」)

 

(「シノンさん数えてたんだ」)

 

「あ、あれ…なんか私ものすごくデジャブった……」

 

「気のせいだろ……それよりのんびりしてる暇はないよな、リーファ、残り時間はどれぐらいだ?」

 

「今のペースだと1時間はあっても2時間はなさそう……」

 

既にメダリオンはほとんど黒くなってしまっている。

このダンジョンは4層構造、1層を簡単に終え、今ここは2層、ボス戦を終えたとはいえ3層はハイペースで終わらせて4層のボスを倒さないといけない……

 

今頃ヨツンヘイムのフィールドでは《霧の巨人族》のクエストを受けたプレイヤーが動物型邪神の狩りをしている。

残り時間は1時間弱、ラスボスはおそらく《スリュム》当人、30分は使う可能性がある。

そうなったら残りはん30分で3層、4層奥まで行かないと……

 

サクヤやアリシャの同盟に援軍を要請……いや、援軍が到着するための時間が足りない……

この絶望的な状況をこの人数で突破するのは………

 

「なーにあんたらしくない顔してるのよ!当たって《砕け》よ!」

 

「そう……だな、よし!行くか!」

 

俺たちは3層に向かった。




ミノタウロス戦1話で済んだよなこれ。

ま、長くするって決めたから2話にしてるんだけど。


次回。
ド変態クライン様が男を見せる。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。